実写版映画『ルパン3世』感想文 〜2時間かけて披露し合うモノマネ合戦のランキング発表〜

低いところから失礼します。

今日扱う本作を観て以来、テーマ曲が耳から離れません。ジャガモンド斉藤正伸です。

さすが…布袋寅泰さん……

 

今日はこちら!

『ルパン3世』

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あらすじと解説

モンキー・パンチ原作の名作「ルパン三世」を小栗旬主演で実写映画化。所有する者は世界を統べると言われる秘宝「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」を盗み出すため、鉄壁のセキュリティを誇る要塞「ナヴァロンの箱舟」に挑むルパンと仲間たちの姿を描く。小栗がルパン三世に扮し、次元大介を玉山鉄二、石川五エ門を綾野剛、峰不二子を黒木メイサ、銭形警部を浅野忠信がそれぞれ演じ、日本、タイ、香港、シンガポール、フィリピンの5カ国でロケを敢行。それぞれのキャラクターの出会いから、強大な敵に立ち向かうことでおなじみのチームがいかにして結成されたかを描き出す。「あずみ」「ゴジラ FINAL WARS」を手がけ、近年は「ミッドナイト・ミート・トレイン」「NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ」などアメリカでも映画を製作してきた北村龍平監督がメガホンをとった。「ルパン三世」の実写化は、1974年の「ルパン三世 念力珍作戦」以来40年ぶり。

 

 

みんな地雷映画だと思って、手をつけていない人も多いのでは?

 

それは本作を「映画」だと捉えている君が悪い!

これは2時間かかって披露しあったモノマネ合戦である。

 

モノマネを2時間かけて観るのは体力的にしんどいし、モノマネなのに、なぜかアクションとか会話とかストーリーがあるので違和感があるけれど…ちょっと見方を変えれば世界は変わる。

人のせいにせず、君が変わるんだ!!!

本作は5ケ国をまたがって、お互い練習してきたモノマネを披露し合う超大作なのだ!

監督は『ゴジラ FILAL WARS』『あずみ』の北村龍平!

音楽はあの『キル・ビル』を手がけた布袋寅泰!

実際にモノマネを実践した5人の役者も知らぬ人などいない超豪華メンバー!

小栗旬(ルパン3世)黒木メイサ(峰不二子)玉山鉄二(次元大介)綾野剛(石川五エ門)浅野忠信(銭形警部)

これほどまでに金のかかったモノマネ合戦が今までにあっただろうか?

 

今回は筆者が考えるこの「『ルパン3世』モノマネ大合戦」のモノマネ総合結果をここに記したい!

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というのも、どのネット記事でも本作のモノマネ評価をしていないからだ…!!なんでだよ!!

こんだけ時間と人とお金をかけて一生懸命、モノマネを披露してくれてるのに、なんで誰もそのことを評価してないんだよ!失礼だろ!

おれが順位をつけないで、誰がつけるんだ!!

 

※コラムのパートナーである柿沼キヨシとのPodcast『おまけの夜』で本作を映画として捉えた上でのおしゃべりをしているのでお聴きあれ!

映画Podcast「おまけの夜」 第4回 新企画 地雷バスターズ「ルパン三世」ーボンテージ着た女はエロいぞー

 

 

それでは参る!気持ち良く1位から発表していこう!

 

優勝 ルパン3世 役 小栗旬

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【総評】

手足の長さ、運動能力の高さはルパンと等しい!

冒頭の「こいつは俺が頂くぜ~」から「あ!ルパンだ!」と思わせる彼の力量はずば抜け。

何より…ラストのオチ台詞でもある

「そ~りゃないぜ。ふ~じこちゃ~ん!」(なぜか引きの画)

は圧巻。

「うぉぉ!やられた!完璧だ!」と唸らさられる!

映画が進行する中で、モノマネの精度が上がっているのは旬くんだけ。主人公ゆえに見せ場が多かったというのもあるが、それでも見事だ。

中盤で劇場に侵入しルパンお得意の変装をするシーンにも膝を打った!

「なんだよ!モノマネだけじゃなくてコントもできるのかよ!」

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誰にもばれないようにするのが変装の目的なのに、これじゃあ目立ってしょうがない。

これこそ「そ〜りゃないぜ〜」だ。

欲が出て、完全に笑いを取りに行っているのも、旬くんの力量を見せつけられた点である。

誰もが認める1位だ。

 

 

さて、ここからは難しい。なぜなら、ルパン以外の主要キャラはルパンほど特徴がないためモノマネしにくいからだ。だが、みんな大健闘!

 

2位 峰不二子 役 黒木メイサ

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【総評】途中で見える横乳が最高だから!

 

3位 次元 役 玉山鉄二

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モノマネとか抜きで一番様になってる。似合ってる。イケメン♡

が……冒頭のアクションでコインを投げて危機を脱出する?みたいな意味わかんないシーンがあったり、「お前とは馬が合いそうだ」とルパンから誘われるんだけど、なんで馬が合うのか全くわからないので、マイナス!

射撃が得意なのに、終盤でしか射撃の腕が試されないのも減点!ていうかそもそもあんまり役にたってないから減点!

 

4位 五右衛門 役 綾野剛

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髪の毛の長さとか最高だけど、瞑想に入って悟りを開いたときにおにぎりをすんげー汚く食うからマイナス!

そういう生々しいトーンの映画じゃないはずなのに、このシーンだけなぜだかキモい!

 

最下位 銭形警部 浅野忠信

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ル~パ~ンと叫んではいるけど、無駄に叫んでてうるさいし、本作の中で一番ストレスを与えてくる役なので最下位。

悪玉の証拠がつかめなくて逮捕できないくせにラストは証拠も何もなく勢いだけで逮捕するから、それも減点対象。

そもそも浅野さんはこの役にあってない!無口で感情が読めないみたいな役がハマる方なんだから!台詞しゃべるとなんか棒読みに聞こえるんだもん!感情爆発させる銭形みたいな役はNG!

ちなみに筆者的には、そんな浅野忠信さんの名演技はオムイバス映画『乱歩地獄』の『蟲』だ!

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いかがでしたか!?

ぜひ皆さんもぜひ本作をご覧になって誰が似てたかを考察してみては?

 

引くところから失礼しました!

新作映画に備えよ! 映画『インディペンデンス・デイ』感想(1996) 〜タコ野郎!帰ってきたぜ!〜

最近「え?映画コラム書いてるのに、◯◯は観てないの!?」と芸人からいじられることが多くなったジャガモンド斉藤正伸です。

低いところから失礼します。

時間がもっと欲しい…

 

「新作映画に備えよ!」シリーズは映画館で映画を観に行く前に、フラっと寄って行ってほしい場所でございます。

 

2016年7月9日に公開を控えたローランド・エメリッヒ監督『インディペンデンス・デイ リサージェンス』に備えるぞ!

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20年前に公開された第1作

これはさ、世代的にすんげー観てた映画……!そうじゃない!?

もうテレビの洋画劇場で流されまくってた。何度も観て、何度も感動したのを子供ながらに覚えてる!そんな思い入れもあるので、この予告編を鑑賞してから、書き殴ろうと思う!

 

 

今回扱う映画はローランド・エメリッヒ監督の代表作!

『インディペンデンス・デイ』(1996)

あらすじと解説

宇宙からの侵略というシンプルかつストレートなテーマを、圧倒的なビジュアル・エフェクツで描き出した、紛れもなく1996年を代表するであろうメガヒット・ムービー。7月2日。何の前触れも無く世界中の上空に姿を現した直径24キロに及ぶ巨大UFO。混乱の中、元戦闘機のパイロットであるアメリカ大統領ホイットモア率いるアメリカ・サイドは、交流を求めるためUFOとの交信を試みる。が、UFOからの容赦ない攻撃が開始され……。

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もうずいぶんと見直していなかったので、TSUTAYAで即レンタルし鑑賞!

当時テレビで観てた感覚を取り戻すためにあえての吹き替え版で鑑賞したんだけど……

あれ?なんか違う!!!

違和感を感じて、YouTubeをサーフィンしたら『吹き替えの帝王』シリーズの予告編を発見!(上記のやつね!)

テレビ朝日版の吹き替えの一部を目撃…!

そうだ!!これだ!幼い頃に録画した本作をVHSで何度も何度も観まくったやつだ!

 

「タコ野郎!帰ってきたぜー!!!!」

「今日が人類の独立記念日である」

 

そうそう!この感動だ!間違いない!

残念ながら、レンタルビデオ屋には帝王が置いてないので、もう買ってくれ!!!もう全然違うからね!DVD鑑賞しながら、感動して泣く準備してたのに、全然台詞違うんだもん!まぁ、それでも泣いたんだけど!

 

こんなにテンションは高いけれど、改めて観て冷静になるといろいろあったので、書きなぐりたいと思う。

 

まず、監督のローランド・エメリッヒ(以下、エメちゃん)

彼は1998年にハリウッド版『ゴジラ』の監督であるという日本人にとってはとんでもなく悪名高い監督でもである。本作で子役がキングギドラのフィギアを手にしてるから「ゴジラのオマージュだ!」って思うけど、実はゴジラ自体好きでもなんでもないらしい!そんなんでゴジラのメガホン取るんじゃないよ!

まぁ、そんなことは置いておいてこのエメちゃん。

この世で一番地球を破壊してる映画監督!

一応、本作はSFっていうジャンルにはなるんだけど、ほぼディザスタームービー(災害や大惨事など突然の異常事態に立ち向かう人々を描く映画のジャンル)←ウィキペディアさん、あざっす。

宇宙人の侵略という古典的なプロットなんだけど、人類はその侵略になす術が無くボコボコ状態。本編観ればわかるけど、都市の破壊のされ方は尋常じゃない!ここは今観ても圧巻!宇宙人の登場も少なくて、人類の団結に焦点が当てられてる。エメちゃんはのちのちディザスタームービーの監督みたいな肩書きになっていくけど、この時点ですでにそうです。

都市破壊シーンはやりすぎだよ!って笑えるくらいに豪快だし、クリーチャーはちゃんと気持ち悪くて、コンピューターグラフィックが使われてない生々しいVFXは大好物!そこは文句なし!だけど上記の通り、本作はほとんど群像劇が軸になってるんです。この群像劇、人間描写がちょっと…

宇宙人が攻めてきた時にアメリカ各地でいろんな人間模様が展開していて、映画が終盤に差し掛かるとその人物たちが偶然にも一気に基地に集まったりしちゃうからそういうところは強引だし、ご都合主義。

群像劇だから登場人物内で実は関わってない相手とかも出てくる。だからこそ…誰が誰と何を知っててとかっていう部分が複雑。そういう部分であやふやになってるけど、冷静に考えると「あれ?こいつらいつこんなに仲良くなったんだっけ?」っていう疑問も湧いてくる。

特にこの2人。

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シールドを張った宇宙船を撃破するために、マザーシップに潜入するというミッションに挑む超キーパーソンズ。性格正反対の2人の掛け合いが良い。直前にウィル・スミスが子持ちの恋人と結婚式を挙げたりするんだけど……ん?この2人はいつ仲良くなった…?100歩譲って仲は良くないとしても、この2人がタッグを組むというよって生じるハレーションが全くない。だから、作戦通りに任務を遂行するだけになってる。こりゃもったいないよね!だったら、右のメガネ(ジェフ・ゴールドブラム)が昔、喧嘩してぶん殴ってしまった仲の悪い大統領とこのミッションに挑んだ方が…面白くなるよね??

つまりさ、あまりにも人物が多くて、風呂敷を広げすぎなんだよね。そのせいで最後の畳み方が雑!慌てて、てんやわんやしながら、なんとか畳んで終わらせてる。これがもうちょっとシンプルになったのがマイケル・ベイの『アルマゲドン』なんでしょうね。

筆者的なワガママなんですけど、こいつにスポット当ててくれ!!と思うのが「タコ野郎!帰ってきたぜ!」を叫んだおじさん。

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このおじさんは10年前にエイリアンに拉致されてるんです。それ以降で彼の人生は狂っていく。周りからも変人扱いされて、誰もエイリアンの話を信じてくれない!彼の話を聞いていれば、もっと早く手を打てたかもしれないのに…!この人物設定ってスピルバーグの『未知との遭遇』にも似たようなのがあるんです。

『未知との遭遇』の主人公はずっと宇宙人の存在を信じていて、研究に没頭してるんですが孤独なんです。1人ぼっち。誰も彼のことなんて信じないから。けどね、ラストで宇宙人は実在していて、宇宙船で宇宙に連れて行ってもらえるんですよ。もう地球に友達がいない彼にとってそれは「救い」なんです。このラストの良いっすよね。彼を救えるのは宇宙人だけなんです。人類じゃない。孤独だった彼を救ってくれたのは宇宙人だったんです。だから、ほら。チラシのキャッチコピーを観てください。

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「We are not alone」

「我々は1人じゃない」

 

人類からしたら宇宙人がいるかもしれないっていう可能性を示唆するコピーでもあるんですけど、翻訳を少し工夫すると主人公についてのコピーなんです。

スピルバーグらしいですよね。宇宙人を脅威としてではなく、希望として描いてる。

『インディペンデンス・デイ』でかつてタコ野郎に拉致されたおっさんと似た状況なんです。誰も信じてくれなかったエイリアンは存在したし、自分の人生をめちゃめちゃにしたエイリアンにリベンジを出来るチャンスが来た訳なんです!このおじさんがエイリアンと戦うべき一番の人物なわけ!このおじさんはクライマックスでパイロットとしてエイリアンに立ち向かい、ある結末を迎えるんですけど……

ここさ〜もっとちゃんと描いてくれよぉ!

観たかったよぉ!一番スポットを当てるべき人物でしょぉ〜!

ここ掘り下げて、もう少し違ったアプローチをしてたら本作は歪な傑作になっていたはずです!もったいない!

結局、いかにもアメリカ万歳映画にまとまってしまってるんですよね。アメリカ人の群像劇にして、みーーーんな凄いよね!アメリカって素晴らしい!万歳!っていう風に思わせる映画にしか見えなくなってる。

だからこそ!!あのおじさんを!!国じゃなくて人物についてもっと描けていれば……

 

……っは!かつて幼い頃は純粋に楽しんでいたのに…気付いたらへ理屈ばっかり……だらだら文句言ってますが、普通に楽しめるから観て損は全く無い!ていうか、これ観ちゃえば、もう宇宙人侵略系映画は観なくても良いくらい代表作なので、是非とも!

 

低いところから失礼しました!

 

新作映画に備えよ! 中身は無いけど「お化け」にキュン♡ 『ゴーストバスターズ』(1984)感想分

低いところから失礼します。

何度も言いたくなるハリウッド女優の名前はヘレナ・ボナム=カーター。ジャガモンド斉藤正伸です。

 

………ヘレナ・ボナム=カーター!…気持ちイイ〜

 

リメイクや続編モノ映画が公開されまくるこの世の中で「予習しときたい!」という優等生もいれば「前のやつ観るのだりぃ」と抵抗を感じる人もいるでしょう!

「新作映画に備えよ!」シリーズは映画館で映画を観に行く前に、フラっと寄って行ってほしい場所でございます。

今回はリメイク版『ゴーストバスターズ』(2016)に備えよ!でございます。

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ずいぶん前から『ゴーストバスターズ』続編の噂が飛び交っていて、ビル・マーレイが続投する?しない?とかのニュースで賑わっていましたが・・・結局、続編ではなく「女性を主人公にしたリメイク」つまり、仕切り直して制作ということで一件落着!

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最近になって予告編も公開されたなんですが、筆者としてはそこまで本作にテンションは上がらず・・・まぁ、期待せずに観ようかな〜くらいのモチベーションでした。

 

が・・・

 

今回、ゴーストバスターズの受付役で登場することになったクリス・ヘムズワーズ(ヘムちゃん)にスポットを当てた特別映像を観て、爆笑してしまったのです!

 

なんだよ!普通におもしれーじゃん!

ヘムちゃんは、アベンジャーズシリーズでマイティー・ソーを演じてる兄ちゃんです。

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そー!ソー!こいつ!こいつ!

 

もともとソーって、神様の息子みたいな設定のヒーローでアベンジャーズシリーズでも、文化や習慣の違いで笑を取る描写が多いんですが…まさか、ここまでヘムちゃんにコメディセンスがあるとは…とりあえず、その映像を観て!

 

ね??面白くない!?

 

こんな言い方するのあれだけど…

マイティー・ソーはバカが似合う!

いや、バカが似合うからマイティー・ソーが似合うのか…?

ソーの格好ってバカバカしいもんね!へへ!

 

とにかく、この映像を観てグッと心が惹かれました。ちょっと期待してきちゃった!

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ということで、今回予習したのはこちら!

 

『ゴーストバスターズ』(1984)

解説とあらすじ

幽霊退治屋「ゴーストバスターズ」を始めた3人の科学者の周囲で次々に起こる幽霊騒動と、ゴーストバスターズの活躍をSFX満載で描いた娯楽作。ニューヨークの大学で超常現象を研究していたピーター、レイモンド、イーガンは、目立った成果をあげることができず、ついに研究費を打ち切られて大学を追い出されてしまう。3人は幽霊退治稼業の「ゴーストバスターズ」を立ち上げ、高級ホテルに巣くう幽霊を本当に退治したことから、一躍世間の注目を浴びるが……。クライマックスに登場するマシュマロ・マンは必見。レイ・パーカー・Jr.による主題歌もヒットした。

 

 

まず、気になったのがこのチラシ。

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1人いない…

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ちょっと人種差別的なことを連想しましたが…んなことはないか!途中からメンバーに加わるからだよね……うん!

 

ということで、筆者は昔、何度か本作を観たのは記憶にあり「シガニー・ウィーバーが突然エロくなる」ってことと「マシュマロマンがでっかくなる!」くらいしか印象になかったのでちゃっかり観直させていただきました。

結論から言うと…

 

笑えるほど、話に中身がない!!!

 

うん、こりゃ覚えてるはずもないのか!

誰も何にも成長しないんですよね。変化と言えるのは、主人公のビル・マーレイが好きだった女性 シガニー・ウィーバーを手にいれるってことくらいなんです。あとは、バスターズがラストではニューヨーク市に全面協力されるみたいなくだりはあるんですが…。そもそもバスターズ自体がハチャメチャやってるのに、最初から人気だから負け犬たちのリベンジ感もない。主人公らに悩みも葛藤もない。ベースがコメディってこともあるかもだけど、ぶち当たる壁もスラスラと越えていっちゃう。カタルシスが全く無いんです。

面白いですよね、こんな作りで成立しちゃうんです。時代なんでしょうか…

ただ、この映画のパワーはそういうところじゃないと思うんです。

映画のアイコン化に成功してる。

本作って超絶有名な「テーマ曲」と「ロゴ」が作品の質云々を飛び越えて有名になってます。

「映画の内容は知らないけど、曲とロゴは知っている」

って人多いんじゃないでしょうか。

これってある意味、映画自体にとっては不利ではあるんです。映画の内容とは関係ない部分で自分たちが勝手にハードルが上がって観てみると…っていうパターンがありますから。で、実際に映画観てみると……スッカスカ!っていう。

でも、映画としては傑作とまでは言わないんですが、映画が巻き起こすべき「現象」としては大成功してる!

曲を聴けば何の曲かわかる名曲だし、最近だって朝ドラの『あまちゃん』で杉本哲太が歌ってた。ロゴだって、ファッションとして取り入れる人をよく見かけます。ここまで長年浸透してるのって他に無い。

そんなことを踏まえると、何にも考えず踊りながらでも、表面的なことで本作を楽しんじゃえばいいのですよね!

つまり、本作について…となってもあんまり語る事ないっちゃないんですが!!笑…筆者的に書き殴りたいことを書きます!

 

この『ゴーストバスターズ』はですね、近頃失われつつあるものを扱ってくれてるんです!(こういうと中身ある映画かと思われるかもですが、ないよ!)

 

それは…

幽霊じゃなくて!お化け感がイイ!

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ホラー映画に登場する悪霊は「幽霊」と「お化け」に分類できると筆者は勝手に思ってます。

ちょー簡単に説明すると…

「幽霊」は死んだ「理由」があって「怖い」

「お化け」は死んだ「理由」がわからなくて「可愛い」

 

映画に登場する悪霊のほとんどが、幽霊です。

例えば貞子は「幽霊」です!まずもうルックが怖いし、死んだ理由とかがちゃんとあって、その怨念を元に生きてるから(生きてはないのか…)しかも、しっかり人を殺そうとする。

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でも、本作に登場する幽霊は死んだ理由もよくわかんないし、可愛い!…いや、ブスか!少なくとも怖くはないでしょ?

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なんか愛くるしいでしょ?

「幽霊退治」よりも「お化け退治」っていうほうが、ゴーストバスターズには合ってるんです。

バスターズは退治の仕方が超雑なんですよね。普通は悪霊が現れたら、霊能者がその幽霊が死んだ原因がどーのとか成仏させるために呪文がどーのとか儀式があーだこーだってなって、時間をじっくりかける。オカルトチックな話になるんです。けど、バスターズは違う。成仏させるとかじゃなくて、科学の力を利用して、問答無用で捕まえて閉じ込めるんです。見た目通りツナギを着た業者さんでしかない。

ここで、その悪霊はなぜ死んだのか?なんで悪さをするのか?とか追及していくと、捕獲して監禁なんていう荒っぽいことはできないし、悪霊にそういった悲しいバックボーンとか感情を持たせると「え?なんで話を聞かないで閉じ込めちゃうの?」って観客が悪霊に同情してしまうんですよね。そうなってくると、全く違う映画になっちゃう。

だから、本作では幽霊っぽさよりお化けっぽさが、見え方として大事なんす!

ちなみに、邦画だと傑作『学校の怪談』のテケテケがパペット感も相まって一番それに近い!

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まぁ。可愛い♡

 

こういう「お化け」が出てくる映画ってほんと全然無いんですよね。悪霊が怖がらせる道具と化してしまっている!

可愛い〜♡好き〜♡と好感の持てる描き方だって必ずできる!それくらいお化けにはポテンシャルがあるんですよ!日本の妖怪なんていうのは、まさにこの「お化け」の原点と言える!

 

あ。こんなに熱く書き殴ってますけど、映画に中身はないですよ!!(何回も言ってるけど、悪口じゃないですからね!)

 

ヘムちゃんの件もあるし、お化けへのワクワク感もあるし、今年公開される『ゴーストバスターズ』2016年版に超期待しております!!!

今回は…中身がちゃんとある……はずだ!!だって2016年だもの!!

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低いところから失礼しました!

 

 

新作映画に備えよう! こ……これは…!? 全員ラリってるぜ!『アリス・イン・ワンダーランド』感想文

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤です。

 

リメイクや続編モノ映画が公開されまくるこの世の中で「予習しときたい!」という優等生もいれば「前のやつ観るのだりぃ」と抵抗を感じる人もいるでしょう!本コラムの読者にはこの後者が多いはず!(完全に勝手な偏見です!でも、あってるよね?笑)

「新作映画に備えよう!」シリーズは映画館で映画を観に行く前に、フラっと寄って行ってほしい場所でございます。

そして、本日は…

 

7月1日に公開される『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』に備えよう!

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前作の第1作目『アリス・イン・ワンダーランド』が2010年公開。

当時、筆者が本作のチラシやポスターを見た印象としては「ティム・バートン監督がジョニー・デップとまた楽しそうにやってる」「アン・ハサウェイが可愛い」くらいな気持ちで、劇場には足を運びませんでした。なんというか…ジョニー・デップのクセのある演技にそこまで筆者はハマれてないです。ティム・バートンも『シザーハンズ』や『バットマン』シリーズは好きだけど、最近あんまり惹かれない。しかも、ディズニーということで子供向けか…という勝手な印象でした……そして、今回、新作が公開されると聞いて…「え?前作ってそんなに興行収入よかったの?評判よかったの?」と。「自分のあのときの判断は間違っていたのか!?」それを確かめたくなりDVDレンタルに踏み切りました!

 

『アリス・イン・ワンダーランド』

あらすじと解説

ティム・バートン監督がルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を元にアリスの新たな冒険を描くファンタジー大作。19歳に成長したアリスは、幼い日に地下世界を冒険したことを忘れていたが、ある日、洋服を着た白ウサギを目撃し、その後を追って再び地下世界へ。するとそこは独善的な赤の女王に支配されていて……。タイトルロールに新人ミア・ワシコウスカ。共演にジョニー・デップ、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム・カーターほか。

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結論的から言います!

続編、観たい!(笑)

ただ…!

それはなぜなのか!?書き殴らせて頂きたいと思います。

 

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筆者は原作未読。アニメの印象もうす〜い状態で本作を鑑賞。

 

19歳のアリスは大好きだったお父さんに先立たれ、自分が生きる世の中に「なんかつまんね〜わ」と退屈している。パーティー会場に向かう馬車の中で、お母さんに叱れれています。アリスがストッキング履いてこなかったりするわけ。「失礼でしょ!」と母親に叱られるんだけど、「そんな仕来り誰が決めたんだよ!」と反抗!ここの不貞腐れてる思春期っぷりが可愛い。パーティー会場について、男性と踊ってるんだけど急に笑い出して「男がドレスで女がスーツを着たら…って想像してしまって…」というずいぶんご機嫌な子なんですね。このぶっ飛び方がワンダーランドに訪れた時のアリスの落ち着き具合に説得力をもたせてくるんだけど。そのパーティー会場で貴族からプロポーズされるサプライズがあることを事前に聞いてしまうアリス。まぁ、どう考えてもアリスは気乗りしてないわけ!「マジかよ…結婚かよ…」そんな時、草陰に服を着たウサギを発見!追いかけるアリス!あれ?ウサギがいない!と思ったら、結婚に乗り遅れ、すっかり老け込んでしまった叔母を発見!

 

アリス「叔母さん、ウサギを見なかった?」

叔母 「邪魔しないでおくれ。いまフィアンセを待ってるんだから…」

 

ギャーーーー!こんなババアになりたくないーーーー!

早めに結婚しなきゃいけないのかしらーーーーー!?

ってアリスはなってる。

そんな現実から逃げるように再びウサギを追いかけるが、こんどは途中で自分の姉貴の旦那が別の女性とディープキスをしてるところを目撃!!!「あら…まぁ…」と完全に『家政婦は見た!』市原悦子状態。

 

義理の兄「いや…彼女とは…以前から親しくて…」

 

無理がある。

 

アリス「ずいぶんと親しいのね」

と皮肉を一発。

 

ギャーーーーー!

結婚しても結局こうなるのかしらーーーー!?

と内心でアリスは思ったに違いない。

 

プロポーズ直前に結婚出来ない究極と、結婚した時の究極を見せつけられてしまう。こりゃ、嫌になる。子供向けの映画とは思えないドロドロ感の冒頭で観てるこっちも早くワンダーランドに連れてって!という思いに駆られてしまう。

相手の貴族も胃が弱くて、虫が苦手で、ブサイクという完全ワケあり物件。いま、考えてみればこいつの事がただただ生理的に無理だったのかもしれない……

結局、プロポーズの答えを保留にしウサギを追いかけるアリス。

(ウサギって「プレイボーイ」の意味もあるから…「結婚なんかしねーで、これから遊びたい」という思いでアリスがウサギという名の「男のケツ」を追いかけていたのでは!? このアリスビッチ化説も続編に反映されるかもしれないので、一応ここで提唱!)

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そして、穴を発見し。あ〜れ〜〜〜と落ちていき…ワンダーランドにたどり着く。

そこでは体が大きくなるケーキがあったり、体が縮むドリンクがあったり、ウサギや猫、動物が喋ったりする不思議な世界。最初は夢だと思うアリス!

動物たちが喋ってても「これは夢だわ!」

凶暴な動物に襲われても「これは夢だわ!」

痛みを感じてても「これは夢だわ!」

映画が始まって1時間30分。クライマックスで青い芋虫に「これは夢じゃない。本当に存在する世界だ。アリスが幼いころよく来てたじゃないか」とやっと説明してもらい、ようやく気づくアリス。

「そうか!これは夢じゃないのね!」

 

いやいや…早めに誰か教えてあげてよ!!!

 

「いやいや、夢じゃないんでしょ?誰か言ってあげてよ」と1時間30分ずっと思ってたが、あまりにも種明かしされないので「え……?もしかして夢オチなの!?」とヒヤヒヤしちゃったじゃないか!

他にも「早く言ってよ!!」という点がある。

アリスはこのワンダーランドを救ってくれる救世主と預言の書に書かれていて(アリスが救世主の理由もよくわからない)そのためにアリスは案内役のウサギによって連れて来られたという設定。かつては平和だった国が、赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)によって民衆が苦しむ世界になってしまった。

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この赤の女王の元にいる強力な怪物を倒せるのはアリスだけ!そう預言の書には書かれている。だから、民衆はアリスを必要とするし、赤の女王からすれば「アリスの首を刎ねろ!」とヤケになっている。不思議の国に迷い込んだアリスはこの赤の女王と対立する白の女王(アン・ハサウェイ)の元へと急ぐ……

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え?…そもそもこの国は「アリスの想像によって生まれた国なの?存在はしない…?それとも本当に存在してて、そこにアリスが迷い込んでるの?」たぶん、後者なんだろうけど、青色の芋虫は何にも言ってくれないし、ジョニー・デップもずっとハイなだけで何にも教えてくれない…。100歩ゆずってそこは目を瞑りましょう。観客の想像に任されたとして。なんで赤の女王は、こんなことをしたの??対立の原因はなんなの…?これこそ最後にわかるのかなと思ってけど、誰も何も言ってくれない!!!

芋虫!教えてよ!

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なのに、アリスは「赤の女王を倒すわ!」と決心して、立ち向かう!

おい!アリス!

あんなに「夢だわ!」と目の前のすべてを疑っていたのに、理由がわからない戦争で命張って大丈夫なのか!!?

 

仮にこの対立の原因が明かされなくとも、アリスなりの決心する理由が欲しい…

そして、まだある!

アリスが赤の女王から逃げ出し、やっと白の女王の元へたどり着く中盤

 

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白の女王「お姉ちゃん、元気?」

 

え!?

 

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これ…姉妹!?

 

言ってたっけ?笑

 

実家の母親が一人暮らしの家に遊びに来て「そういえば…実家のお姉ちゃん元気?」と会話がなくて気まずいので、聞きました。みたいなノリで出ちゃうんだ!ちゃんと説明してよ!!

 

そうか!わかった!

 

姉の美しすぎる妹への嫉妬から生まれた対立なんだ!絶対そうに決まってる…!

 

本作は「ちゃんと説明してよ!」と思うところが何箇所もある。何もかも当たり前のように進んでいく。だが、これは悪口ではない。なぜなら、ここは我々観客は「ワンダーランド」に迷い込んだアリス自身だから!アリスよりアリス!そういう映画だから!

 

この国のノリについてこれないやつはアリスの資格がない!帰れ!!!

そういうことなのだ!

 

そんなワンダーランドの住人は最高にぶっ飛んでる。

「大丈夫か?こいつ?」と思う登場人物がたっくさん出てくる。で、唯一の人間であるアリスはアリスで頭がぶっ飛んでいるので、会話は出来てる。

 

仮説ではあるんですけどね、たぶんですよ?たぶん…。好きな人怒らないでくださいね。

 

ワンダーランドの住人は…クスリに手を出してる。

 

それくらいラリってるんです。

 

たぶんアリスもやってますね。ワンダーランドの最初にあった液体の薬と白いケーキが怪しいです。もしくは、あのバラか…。

おそくらく監督のバートンも……いやいや、わかりませんよ!!??仮説ですよ!

 

「全員、悪人。」

ていう映画はありますけど、

「全員、ラリってる。」

ていう映画は無いじゃないですか。

 

でもこの狂っているってすごいキーワードなんです。

真面目に言うと、本作は「狂気の中で正気を得る」物語だと解釈できます。

アリスは戦いを経て、人間世界に戻ります。

戻ってから、貴族のプロポーズを断り、叔母には「王子様は来ないわ」とバッサリ。姉の旦那には「ずっと見張ってるわよ」とギラリ。

この世を去った父が描いていたビジョンをより広げていこうとアリスは就職します。

すごい淡白なクライマックスなんですよね、これ。なんの熱もない。さらさら〜って。でも、アリスの顔はスッキリしてる。何かを得てるんです。もしかしたら、ワンダーランドより現実の世界の方が、狂っているのかも…

自分が想像してた世界が実現していたことによって、世界の広さを感じて、成長した。のか…信じれるものが出来て、この世で生きる自信がついたか…このアリスの成長理由は色んな捉え方ができると思います。とにかく、狂った世界でアリスは自分の世界で自分と向き合っていく。挑戦していく決断をしたことは事実です。

そんなアリスは今、どうなっているのか・・・!?

おそらく、就職した会社が嫌になってクスリに手を出し再びあの世界へ…みたいな話だとは思うんですけど〜

まぁ、全員ラリってる映画の続編が出るってなったら、観るでしょ!!!

しかも、今回はワンダーランドの秘密がわかるらしいので本作で疑問に思った箇所のアンサーが続編にはあるのかも…

 

 

低いところから失礼しました!

 

P.S 本コラムへの感想、ダメだし、お便り、コメント…お待ちしております。特に原作ファンの方いらっしゃいましたら、ご意見ください!

新作 劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』ネタバレ感想文 〜おい!黒の組織!おまえらもう劇場版には出ないでくれ!〜

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤です。

 

『名探偵コナン 純黒の悪夢』

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解説とあらすじ

人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版20作目。原作でもいまだ明かされることのない「黒の組織」の内部に迫る物語が描かれる。ある夜、スパイが日本警察に侵入し、安室透率いる公安が駆け付け、車で逃走を図ったスパイと安室たちによるデッドヒートが繰り広げられる。一般車両を巻き込んだ大惨事になるかと思われたその瞬間、FBI赤井秀一のライフル弾によってスパイの車は撃ち抜かれ、道路の下へと転落していった。翌日、水族館へ遊びにきていたコナンは、ケガをして独りたたずむ女性を発見する。自分の名前もわからないほど記憶をなくしていた彼女は、「オッドアイ」と呼ばれる、左右の瞳の虹彩色が異なる目の持ち主だった。彼女の記憶が戻る手助けをすることにしたコナンたち。しかし、その一部始終を「黒の組織」のベルモットが監視していた。

 

「じゅんこくのないとめあ」って読みます。洒落やがって!

でも、タイトルが毎回イイ。

他の映画タイトルも『時計仕掛けの摩天楼』『瞳の中の暗殺者』『漆黒の追跡者』……って!もー!毎回、格好つけやがって!でも、かっちょええよ〜!

 

この皆さんおなじみコナン君

まず、一歩引いてみて「推理モノ」というジャンルについて書き殴りたい。

※サスペンスとミステリーはまた別ジャンルなので、ここでは「推理モノ」と表記。

 

もちろん小説もそうですが、映像分野においても推理っていいもんですよね。

というのも、謎を解く主人公に観客が追体験できるというのは、とってもスリリングな体験。映像ってすべてが具体化されてしまうわけですが、その中でも観客の脳を刺激することって非常に重要なことです。観客にわかるようにすべてを説明して明快にしてしまうと、観客は主体性を失い、受け身になる。その途端、映画はつまんなくなるんです。

その点、推理モノは「主人公が謎を解く」つまり、主人公も0の状態から始まる。観客と同じスタートラインに立てる。観客は一緒になって考え、推理できる。これが推理モノの醍醐味の1つです。予想してた犯人とは違ったり、予想だにしないトリックが明かされると観客は唸る。「そーゆーことだったのか!」と膝を打つ。

これが、アクション映画になると「主人公みたいなバカみたいな筋肉は俺にはねぇよ!」

恋愛映画だと「おれこんなイケメンじゃねーよ!いいな!イケメンって!この世からいなくなれ!」(後半、筆者のひがみです)というふうに主人公との差が出てしまう。

推理モノの主人公は天才的な頭脳を持っているにしろ、我々にも脳みそはあるから推理ができる。時には、主人公より先に真相がわかって、心の中でドヤ顔することだってあります。まぁ、それが裏切られた方が楽しいんだけど……

そんな推理モノというジャンルと「見た目は子供。頭脳は大人」(高校生だって十分、子供じゃねーか!)っていうアニメならではの設定の組み合わせは素晴らしい!

頭脳は天才高校生探偵だけど、体は子供っていう「カセ」が通常のミステリーよりも物語を面白くし、子供から大人まで楽しめるエンタテイメントを『名探偵コナン』は確立してきました。

 

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そして、劇場版『名探偵コナン』シリーズ

劇場版は、通常のアニメシリーズよりも映画らしい展開や話のスケールの大きさが白眉になっています。

 

で、今回の『純黒の悪夢』

 

冒頭から「あれ?劇場間違えたかな?」と思うほどの大迫力のカーチェイスから物語はスタートします。

あらすじにある通り、この大規模アクションによって記憶喪失になるのがオッドアイの女性 キュラソー。

彼女をコナン君と少年探偵団で保護するところから話が進みます。

ただ・・・今回のコナン君。「黒の組織」をあつかっている事もあり、日本警察、FBI、CIA、黒の組織が絡み合いすぎて、推理モノというよりはポリティカル・アクションの領域に達してきます。こうなると…コナン君の活躍があんまりない(クライマックスで、そのしわ寄せがとんでもないことになるけど)・・・というか、黒の組織が出てきて、足を引っ張る点は「コナンと組織が直接対決することが出来ない」という点です。コナンと組織が絡んでしまうと全コナンシリーズのラスボスにたどり着いてしまうからです。黒の組織の「あのお方」に触れてしまうことになる。それができないから、コナンは真相に近づけず、謎と一定の距離を保って終わってしまうんです。黒の組織といえば、工藤新一に薬を飲ませた張本人ジンとウォッカですが、この二人に正体がバレれてしまえば、原作に影響を与えるレベルで大きく話が進んでしまうし…だから、黒の組織周辺の物事はコナンと関係ないところで展開してしまう。

つまり、劇場版に黒の組織が絡むと、目の前の事件は解決できても「解くべき真相」には全く近づけないで終わる。話が前に進んでないんです。これ。

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ただ、原作ファンはこの組織周辺のキャラとの絡みに燃えるはずだし、そこが本作の白眉でもあるから、完全に悪いわけではありませんが・・・一般の観客からすると「結局、コナンは今回の事件の黒幕を暴かない」というか「暴けない」という結末に、カタルシスを感じれない。

もちろん、ツボは押さえてます。

キュラソーって結局は黒の組織側の人間なんですが、記憶を失っていて、本人は自分が何者なのかわかっていない。けど、体は覚えてるのでダーツでハイスコア出したり、とんでもないアクロバティックな動きで元太くん(現役で太いだろ)を救い出し、恐るべき身体能力を見せ付けたり・・・と『ボーン・アイデンティティー』のマット・デイモンみたいでそこは楽しい。「記憶を失ってるけど、実はすごい人だった」的な設定って仕掛け次第で物語を面白くしますから!

毎度おなじみコナン君の完全飽和状態となっているアクロバティックなアクションも見もの!

 

ちょー簡単に説明しちゃうと、今回のコナン君・・・

爆発で崩壊する観覧車をサスペンダーとボールで止めます。

 

え?

 

開いた口がふさがりませんでした。

 

「一体、何もなんだ?おまえは!」

「江戸川コナン・・・探偵さ」

 

いや、もう探偵とかじゃねーだろ!

 

コナン君の胸に大きな字で「S」って書いてあるんじゃないかって目をこすりました。

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書いてなかったです。

 

 

 

ここまでやったら、もう次は地球を逆回転させて時を戻すとかそういう次元になってきちゃうよ!

 

映画として、楽しめるポイントはいっぱいあったんですが…

最初のカーチェイスをなしにしておいて、キュラソーが初登場の時点で記憶喪失だったら…観客はコナン君たちと同じ視点に立てて、もう少し推理を楽しめたのでは?とか思っちゃいました。上記で長々と書いた推理モノの良さが薄かったので・・・まぁでも、黒の組織が出ちゃうと平行線たどることになるから・・・

 

 

結論を言うと…!

 

おい!黒の組織!おまえらもう劇場版には出てくるな!

 

そうじゃないと、このコナン君の名台詞も「早く解けよ!」と台無しになってしまうから!

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黒の組織の真相は原作とアニメで追ってもらって、劇場版は関係なく進んでほしいですね〜

 

低いところから失礼しました!

 

スターウォーズ スピンオフを撮る男の性癖は素晴らしい よっ!ギャレス・エドワーズ監督!

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤です。

ディレクター パワープッシュ!!!

 

以前、本コラムで「同級生がAV出てたら観るだろ!」論を展開したが、今回扱う監督は完全に後出し!

上記についてはこちらをお読みください⇩

ハリウッド版『デスノート』監督⁉︎ アダム・ヴィンガード

 

「ずっと目をつけてた監督がスターウォーズのスピンオフ作品を撮るんだってよ〜!」って騒ぎたがったが、もうとっくにこの監督は大作を1本撮っていてもうすでに注目の的だ。

 

彼の名は・・・

 

ギャレス・エドワーズ

 

ギャレス・エドワーズ(以下、ギャレちゃん)は低予算の作品を1本撮った後、2014年にハリウッド版『ゴジラ』のメガフォンを取っている。

※『ゴジラ』に関しては、いずれ詳しく語らざるおえない状況になると思うので、今日は省略。

 

ギャレちゃんが撮った『ゴジラ』の1つ前。長編デビュー作となる本作について書き殴りたい!

 

『モンスターズ/地球外生命体』

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解説とあらすじ

謎の地球外生命体の増殖によって壊滅的な打撃を受けるメキシコを舞台に、未曾有の危機を乗り越えようとする人々の奮闘を描くパニック・ムービー。ハリウッド版の新『ゴジラ』の監督に抜てきされた新生ギャレス・エドワーズが、総製作費130万円という超低予算で大迫力の怪獣映画を創出。クエンティン・タランティーノやピーター・ジャクソンがファンと公言してはばからないという斬新な切り口のモンスター・ムービーに期待が高まる。

太陽系に地球外生命体の存在を確認したNASAは、探査機でサンプルを採取したが、大気圏突入時にメキシコ上空で大破してしまう。それから6年後、モンスターたちの襲撃で大きな被害を受けるメキシコでスクープを狙うカメラマンのコールダーは、けがをした社長令嬢サマンサをアメリカ国境付近まで送り届ける命令を受けていた。

 

まずはじめにギャレちゃんのフィルモグラフィーを見てみよう。

 

2010年『モンスターズ/地球外生命体』 

2014年『ゴジラ』

2016年『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

 

え?なに!?この経歴!羨ましいわ!

 

2010年によく知らない映画を撮った後に、ゴジラとスター・ウォーズってエグい。笑っちゃう。

 

じゃあ、この2010年のみんな知らない映画ってなに?この処女作から見出せるギャレちゃんの凄さって何〜?って話を今日は書き殴りたい。

 

「オリジナリティー」は映画で常に求められる。我々観客は無意識に「観たことのない世界」を映画に求めている。

しかし、先代が生み出した「遺産」を超える事はなかなか難しい。もしかすると完全に「完全オリジナル」というのは生み出せないのかもしれない。よく言う表現で言えば「やりつくされた」という事だ。近頃のハリウッドは「20年経ってからやるなよ!」と驚いてしまう続編モノや「え?スパイダーマン、この前までやってたじゃん!」と混乱してしまうリメイク作品が多い。もちろんその手の映画でもしっかりハードルを越えて面白く作ってくれているし、こっちだって熱狂しているんだから、文句じゃない。現在の映画においてのオリジナリティーとは、もともとある既存の映画を上から上書きしていく。そういう時代なのかもしれない。かつて生み出された傑作、名作を新世代が現代に合った解釈で改めて描く。これが定番になっていきている。

 

その上で、筆者にとってのオリジナリティーとは「捉え方に独自性があるかどうか」だと思う。要するに切り口。

 

『モンスターズ/地球外生命体』でのギャレちゃんの宇宙人の「捉え方」「切り口」はぶっ飛んでいる!

 

あらすじを読んでわかる通り、題材はありきたりなもの。だが、ギャレちゃんは本作で登場する宇宙人を「美しい生命」として捉えている!

作中はほとんど男女のロードムービーで、もちろん恋のロマンスに発展するんだが、ラストで二人は宇宙人の「愛の営み」を目撃して、自分たちの愛を取り戻すというとんでもない映画!しかも、その営みシーンがなんだか美しくて、神秘的…

 

身近に例えるならば、動物園での馬の交尾を目撃して、こっちも欲情するみたいないこと!…何それ!?

 

そう!本作はとんでもないSF的性癖を持ったギャレちゃんによる変態映画なのだ!

 

たいていこの手の映画で、宇宙人は「脅威」として描かれる。

これは映画にとどまらずSF小説の父 H・Gウェルズの『宇宙戦争』の時からそう。

『地球が静止する日』『UFO地球を侵略す』『インディペンデンスデイ』系の映画(まとめてゴメンなさい)

宇宙人との友情だったり、宇宙人側に悪意がないパターンも描かれることだってある。

『未知との遭遇』『E.T』『第九地区』・・・

 

だが、宇宙人の「愛の営み」自体を美しく描き、そこに人間が惹かれるなんていう変な映画が、かつてこれまでにあっただろうか!?

 

低予算ということも相まって、本篇に宇宙人はほとんど出てこない。破壊された街並みや、テレビから流れる被害、人間に襲いかかる光景の一部が描かれるくらい。だから、観てる側は勝手に「脅威」だと思い込んでしまうのだが…ラストでそれがひっくり返る

ギャレちゃんは今まで使い古され、オリジナリティーのかけらもない「宇宙人の侵略」という題材を独自の切り口で描き、誰も観たことのない映画を成立させてしまった男なのだ!

 

残念ながら、2014年の『ゴジラ』にそのSFな性癖は見え隠れしてなかったので、内心ドキドキしていた筆者にとっては物足りなかった。(何を観に行ってんだよ)たぶん、ゴジラはギャレちゃんにとってビックチャンスで、失敗できないから萎縮してしまったのか…!?そうなのか!?ギャレちゃん!!!

ギャレちゃんはゴジラの続編(2018年公開予定)も撮るらしいので、次はその変態SF性癖をぶち込んで欲しい!

 

でも…キングギドラの交尾とか見せられたら……それはそれで筆者は怒るよ!!

 

低いところから失礼しました。

 

『アイアンマン2』感想文 みんな批判しててもおれはこの映画を抱ける! 一体アイアンマンは何と戦っているのか…? 

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤です。

 

絶賛公開中の『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』を劇場で鑑賞。クライマックスのあるしかけに食らって、真っ先にこの作品を見直したくなった!

 

『アイアンマン2』(ジョン・ファブロー監督)

あらすじと解説

マーベル・コミックの人気作品をロバート・ダウニー・Jr.主演で映画化した「アイアンマン」の続編。新たなキャストとして、スカーレット・ヨハンソンとミッキー・ロークが参加。巨大軍事企業の経営者であり、天才科学者でもあるトニー・スタークは、前作で自ら開発したすさまじいパワーを発揮するパワード・スーツを装着し、アイアンマンとしてテロ組織と激闘を繰り広げた。その後、スタークはパワード・スーツを軍事利用のため国家に引き渡すよう命じられるが、これを拒否する。一方、スタークを敵視するウィップラッシュがアイアンマンと同等なパワーを持つスーツでモナコGPに現れ……。

 

最新作『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』に関しては以前、記述した記事をお読みください!

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』 ネタバレ無しの感想文 〜この映画は恐ろしい!どこまで進化する!? MCU映画〜

 

さて、この『アイアンマン2』はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のスーパー・ヒーロー軍団アベンジャーズを牽引するアイアンマンの続編。現在、アイアンマン単体の映画は3まで存在し、その中間に当たる作品です。

 

正直、批判の声が多い本作…『シビル・ウォー』の記事の時にヒーローモノ続編の問題点を筆者はこう書いている。

 

『ヒーロー映画で主人公の「成長」を描きやすいのは決まって第1作目だ。

だいたい主人公は何らかの事情で何かしらの力を得て、得た力の責任を自分に問い、ヒーローになるかならないか悩む。で、クライマックスでちゃんとヒーローになる決意する。

大体がこのプロットである。

続編では「ヒーローを続けるかどうか」で悩んだり「大切な人を失う」みたいな展開になり、ヒーローとしての気持ちよい成長は描きにくくなっていく。要するに話がなかなか前に進まないのだ。』

(どこまで進化する!? MCU映画『シビル・ウォー』より引用)

 

 

こんな偉そうな理屈を語っているし、たしかに『アイアンマン2』はヒーローものの続編として傑作とは言えない…が……筆者は本作『アイアンマン2』

大好き!!

理屈関係なく、どうしても愛してしまう映画がこの世には存在する!

誰がなんと言おうが、おれはお前を愛している!!!

そういうことがあってもいいじゃない!

 

ストーリーのアラはたくさんあるし、ツッコミどころもあるけれど、今日はそんなこと全く無視!

愛だけを書きなぐる!!!

ブログのパートナー 柿沼先輩がちゃんと批評してくれているので「てめぇの愛なんて読たくねーよ!」って方はこちらへジャンプ!

マーベル映画『アイアンマン2』の感想。マーベルシリーズ(MCU)これから全部観る。その3

 

さて!『アイアンマン2』

まず戦闘シーンがイイ!

本作メインの敵はアイアンマンことトニー・スタークの父ハワード・スタークによって追い出されてしまったアントン・ヴァンコの息子イワンだ。

「もう少し早ければ、お前がトニーになるはずだった…」という遺言を残して亡くなったアントン。息子イワンは、アイアンマンの復讐に燃え、F1レースの会場に乱入!(なぜかトニーはF1レースに参戦!)イワン自身が作ったアイアンマン対抗スーツで襲いかかる!トニーが乗ってるレーシングカーは真っ二つにされ、スーツのないまま抵抗するトニー。

 

はい!まずここ!

燃えるぜ!

 

アイアンマンスーツは無くともレーシングカーのドアでイワンを後ろから殴りつけたり、車のガソリン漏れを利用して爆発を起こすトニー!それまで最強だった男が丸腰でも立ち向かう姿に燃える!しかも、ここでトニーは普段のスーツではなくレーシング用のスーツを着ているのだ!

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燃える!いや、萌える♡♡♡ 

 

ちなみに、本作ではトニーが冒頭でタキシードを着ていたり、汗だく状態でボクシングをしてたり、顔が開いた状態のアイアンマンスーツを着てパーティーしたりしてて、衣装のバリエーションが最高に萌える。

本作はロバート・ダウニー・Jrの衣装萌え映画なのだ!これは1でも3でも無い点だぞ!

悪戦苦闘を強いられるトニーの元へ車で駆けつけるのは新社長であり恋人でもあるペッパーと秘書のハッピー(ちなみにアイアンマン1,2の監督であるジョン・ファブローが演じている)

車でそのままイワンに激突するものの、イワンは武器であるムチを振り回し、車は再び真っ二つ!

「ケースをよこせ!」とトニー。

アイアンマンに変身可能なアタッシュケースをペッパーが投げようとする…!が、イワンをひき続ける車は揺れが大きくなかなかトニーに渡すことができない!

 

はい!!!ここだ!!!

 

近頃のアイアンマンはいつどんな状態でも変身できるが『アイアンマン2』の時点ではスーツが無いと変身ができないというアナログ感!(十分ハイテクなんだけど!)仲間の助けがないとスーツを装着できないトニーを助けようとするペッパーとハッピーの奮闘!このチームプレイが最高じゃねーかよ!なかなかアタッシュケースを渡すことができない中、イワンの電子ムチが炸裂するというヒヤヒヤ感!たまんねーよ!このギリギリの接近戦がたまんねーよ!フルCGでドンパチじゃなくて、この肉弾戦!

なんとか、ケースをトニーの元へ投げ出すペッパー!!!

ケースが……

しゅるしゅるしゅるしゅる〜〜!

トニーがガッ!ガチャン!ウィーーーン!

キュいいいいーーーん!

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うっはーーーー!かっけぇぇえええええええ!

 

しかもさ、このアイアンマン マーク5のデザインが……

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え、赤と銀…!?

 

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この金じゃなくて……

 

赤と・・・

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銀・・・

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早く私を撃ち殺して!

ああ、最高にカッコイイ…

 

もうこの時点で好きすぎるから、映画を止めてもいいくらい。むしろ、このシーンを2時間観てたいくらい。いや、もう観よう。そうしよう。それくらいこの映画を愛しすぎて抱けるんです。いやもうなんならMARK5みたいなテンガを作って欲しいくらいなんですけど…(自分でも意味わかんないです)

アクションだけでなくストーリーも好きなんです!

前作パート1でスタークは自分の開発した武器によって瀕死の大怪我をし、その後遺症によって日に日に「死」に近づいてるんです。アイアンマンを続けることで自分の首を絞めている。でね、だいぶ上に書いた通りヒーローものの続編って成長は難しいし、カタルシスが無いというのがよくあることなんです。

 

本作2もそれに陥ってる。

 

ただ…アイアンマンにおける筆者の言う「ヒーローもの続編問題」ってちょっと違くて、それを聞いて欲しい!

スタークは自分の作った武器で死にかけて、自分の作ったアイアンマンスーツのせいでより死に近づいていく。襲ってくる敵もかつてトニーの父が追い出したロシア人の息子 イワン。イワンには、アイアンマンを殺すことが目的で…。これって…すごい狭い世界での話なんですよ。

犠牲になっていく人々はただの巻き添え。この世界の狭さって、アイアンマン3部作には共通していて「世界征服を企む悪人と戦う」っていう物語ではなくて、トニー・スタークという才能に嫉妬した人たちが敵なんです。言ってしまえば、「いや、トニーさん。あんたとあんたのお父さんのせいじゃねーか」というツッコミで片付いてしまう戦いが多い。

言っちゃえば、アイアンマン3部作は、トニーが親父と自分のやってきたことの尻拭いをする話なんですよね。

…これってなんか変ですよね。筆者は上記のような点をこう解釈しています。

 

アイアンマンは親子で殺戮してきた人たちの亡霊、化身と戦っている。

 

トニーの父 ハワードは核兵器を世に生み出し、息子スタークは武器商人として近代の戦争を牽引した。

この親子、すげー重い罪があるんです。

運命と戦う話なんです、アイアンマンって。

テクノロジーによって戦争を進化させた親子がテクノジーで世界を元どおりにしようとするんです。その行動によって生まれる歪みが、アイアンマンの戦わざるおえない状況に繋がっていく。要するに、トニーは自分たちで作り出した大きな流れに逆らい、逆流させようといている。

こういう話だと、筆者は解釈しています。

ちなみに『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』や『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』にもこの手の傾向が見られる。ただ、アベンジャーズはこの後、宇宙規模で戦いを広げるので知り拭いだけじゃないですよ!

 

そういった観点から見ると、トニーの父が息子に残した秘密のビデオレターのシーン…。すこし悲しげな表情とかも踏まえて…泣いちゃいます。

親子で運命に立ち向かうんですよ!『アイアンマン2』は!

 

筆者はこの親子だとか師弟だとか縦のつながりみたいな話にすげーーー弱ぇんす。

スターウォーズだって、ずっと親子、師弟の運命を描いてますもんね。

 

他にもさ、ペッパーとブラック・ウィドーの2ショットが最高!!特にお尻がイイ!

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アイアンマンの不貞腐れてドーナッツ食べるシーンが可愛い!

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とか、たくさんあるんだけど…

 

もうさ。どうよ?十分しょ?抱けるでしょ?この映画。

これを踏まえて『シビル・ウォー』とか観るとやばいのよ!!!

 

こんな記事読んでないで(うそ♡もっと読んで♡)まだこの祭り間に合うんだからさ!TSUTAYAと映画館に今すぐ走りなさいよ!!

 

低いところから失礼しました。

 

 

恋愛映画を観ても「あん?」てなるけど『イット・フォローズ』で「愛っていいな」って思う。

低いところから失礼します。

今日はすごい偏ったことを書きなぐるつもりのジャガモンド斉藤です。

 

「恋愛映画は観ないんですか?」

と聞かれる。結論から言うと

「観ない」

恋愛映画というジャンルだけはどーーーしても進んで観る気が起きない。

誰が失恋したとか誰が付き合ったとかいう過程を見せられても・・・「…それで?で?だからなに?」ってなってしまう。

高校生同士の青春ラブストーリーとか2時間みたところで、高校時代にまともに恋愛が成就せずその負のモチベーションによって他のことに熱中していた筆者にとっては「そんなことに青春の時間を使ってんじゃねーよ!親が学費払ってんだぞ!」(筆者もそんな偉そうなこと言えないくらいな学生時代だったけど…)と憤怒して終わる。

 

…え?モテない組の遠吠えだって…!?

そ、そ、そんなことねぇし…!!ちげーし!

 

恋愛以外のジャンルで「愛」を描く事の方が心の琴線にはビンビン触れるもんねーーーーだ!

 

余命が云々とか、病気が云々とかで涙を誘う下品な恋愛映画より全然純愛描いてる非恋愛映画あるもーーーんだ!

 

とにかく、全く違うジャンルで恋愛描く方が愛をより深く描けるんじゃないか?というのが筆者の考え。

 

ということで、今回書きなぐる映画は

『イット・フォローズ』

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捕まった者に死が訪れる謎の存在=「それ」に付け狙われた女性の恐怖を描いたホラー。低予算ながら斬新なアイデアでクエンティン・タランティーノから称賛され、全米で話題を呼んだ。ある男と一夜を共にした19歳の女子大生ジェイ。しかしその男が豹変し、ジェイは椅子に縛り付けられてしまう。男はジェイに「それ」をうつしたこと、そして「それ」に捕まったら必ず死ぬことを彼女に告げる。「それ」は人にうつすことができるが、うつした相手が死んだら自分に戻ってくるという。ジェイは刻一刻と迫ってくる「それ」から逃げ延びようとするが……。本作が長編2作目となる新鋭デビッド・ロバート・ミッチェルが監督・脚本を手がけ、「ザ・ゲスト」のマイカ・モンローが主演を務めた。

 

本作は最強の「恋愛映画」だ!

 

まず、ホラーとして設定が秀逸。

セックスすると「それ」は移され「それ」に追われ追いつかれると死ぬ。死ぬと、移した人に「それ」は戻る。

「それ」は無くならない。つまり、終わらない。常に誰かを「それ」は追っている。

SEX以外で「それ」を人に移すことはできない。

 

 

「それそれ」うるせーな

 

でも、「それ」としか表現の仕様がない。この映画の怖いところは「それ」が何なのかわからないところでもある。

この設定を聞いてまず思い浮かべるのは、Jホラーの名作『リング』だろう。

そのビデオテープを観た人は貞子に呪い殺される。1週間以内にそのビデオをダビングして他の人に見せれば呪いは移され、その人は助かる。その連鎖が終わらないから『リング』でもある?

『リング』では、この呪いの原因を解明しようとするミステリー要素が物語を牽引していたし、原因は貞子という不運な少女による怨念だったという明確なアンサーがある。

だが、本作『イット・フォローズ』はアンサーがない。なぜ移るのか。誰から始まったのか。何が元凶なのか。全く解明されない。その理不尽さに主人公たちは、ただただ逃げる事しかできないというのがとてつもなく怖い。

 

この設定から想像してみてほしい。

自分が移されたら?好きな人とSEXが出来ない。好きな人を死に至らしめてしまうから。だから、好きでもない相手と体を交えなくてはいけない。もし、それも同意の上で好きな相手とSEXしても移された相手は生きるために「好きな人以外」と体を交えなくてはいけない。

 

・・・え?こんな切ないところある??

ないでしょ!?

 

このエグい呪いの設定によって主人公……じゃなくて!!

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主人公のことを陰でずっと想っている男の子(たぶん童貞)の心境ぐちゃぐちゃ!(下の写真の右の子)

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童貞    「好き!守りたい!」

可愛い主人公「いや。他の人とヤって移すわ!」

童貞    「ええ!?…君を守りたい!だから、ヤラせて!」

可愛い主人公「ダメ!あなたはいい友達なの!」

童貞    「お願い!一瞬だけだから!」

可愛い主人公「ダメ!!!」

 

みたいな攻防戦が続く。

 

主人公は彼の気持ちとは裏腹にいろんな男性と体を重ねていく…

 

これだけ観ると、童貞が主人公のアダルトビデオみたいだけど、そんなんじゃないから!マジ純愛!

 

そして、ラストで主人公はある決断をして……

 

この終わりのカットが最高なんだよ!!あんな画面ある!??

ホラー映画史、いや!恋愛映画史に残る最高のラストカットじゃないだろうか!??

 

観終わったと、怖い気持ちと同時に不思議とポワァ〜っと気持ちがあったかくなる!

「恋愛って色々あるし、傷つけ合うこともあるけれど…でも、でも…いいよね…」って。

 

ホラ!これ完全に恋愛映画じゃないか!

 

 

べろべろば〜的な悪趣味なホラー演出もないし、変にグロテスクでもないから、そういうのNGな人でも大丈夫!

7月6日にレンタル開始らしいから、もう少しだけ待って!ね!ね!

 

低いところから失礼しました!

 

 

『映画 クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』ネタバレ無し感想文 〜コナンよりもクレしんの方が熱い!〜

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤です。

 

映画『クレヨンしんちゃん』というシリーズは国民的TVアニメを『劇場版』という肩書きでシリーズ化することによって、毎回、様々なテーマを描くことに成功している貴重な映画シリーズだ

『クレヨンしんちゃん』をテレビで毎回、視聴しているという人は少ない。だが、しんちゃんはどんな性格でどんな言動か。家族はみさえ、ひろし、ひまわり、シロがいて・・・友達にはネネちゃん、風間くんがいて・・・となんとな〜く設定を浮かべることはできる。

筆者は「国民的」アニメと謳える1つの基準はこういった国民の「馴染み」が重要だと考える。

その基準から言えばしんちゃん以外でも『ドラえもん』『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』は国民的アニメと呼べる。タイトルを聞けば物語の設定や主人公の性格、環境、だいたいの話の流れはわかる。

国民的アニメとは、どれだけの人が実際に「観てるか」ではなく、どれくらいの人に「馴染んでいる」の方が重要だ。(結局、視聴率次第でもあるから、観てる人も重要なんだけど・・・)

こういったアニメシリーズほど、扱いたいテーマを通常よりもより深く描くことができる。なぜなら、世界観や登場人物の説明を省くことができるからだ。映画冒頭で登場人物たちがいつものやりとりを繰り広げれば、普段テレビを観ていない人でも「ああ。そうだった。こんな感じだった」と思い出して作品に入り込むことができる。

こういったベースがあるからこそ、作品の普段の雰囲気にはマッチしていないテーマでも映画化という枠内で語ることで、深く描くことが可能になる。

※国民的かどうかは置いておいて『機動警察パトレイバー』の映画化はまさにそれに当てはまる。

そういった意味で、国民的アニメの映画化で成功しているのは『クレヨンしんちゃん』(以下、クレしん)と『ドラえもん』くらいじゃないだろうか。他にもみんな大好き『名探偵コナン』シリーズや『ルパン3世』シリーズなど、テレビシリーズから派生して映画化している例はあるが、クレしん映画が描くテーマは明らかに突出していて「異常」だ。

みんな大好きオトナ帝国の逆襲や戦国大合戦を思い返せば、筆者の言う「異常」さに気づくはず。

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だが、ここで筆者が紹介したいのは1998年『映画 クレヨンしんちゃん ブタのヒヅメ大作戦』(なかなか本題行かずゴメンね。でも新作のユメミーワールドと共通するところがあったので、許して…!)

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オトナ帝国の4年前の作品だが、

この時点でクレしん映画は異常な映画だった。

まずは、簡単なあらすじ。

 

コンピューター・ウイルスを使って世界征服を企む悪の組織・ブタのヒヅメと、それを阻止する正義の秘密組織 SMLの戦いに、おなじみしんちゃんたちが巻き込まれる長編アニメーション第6弾。

 

ん??コ・・・コ・・・コンピューターウイルス…!?

 

そう。本作はしんちゃん達が世界を混乱に陥れようとしているサイバーテロを阻止しようと戦う話だ。

まず題材がカッチョええ。サイバーテロを阻止するのはシュワちゃんでもなく、ブルース・ウィルスでもなく、スティーブン・セガールでもなく・・・野原しんのすけだ!

そんなイケイケのストーリーであると同時にこれは「親が子を救う話」でもある。

正義の組織 SMLの諜報部員は我が子のことを想いながら奮闘するし、悪の組織 ブタのヒヅメに拉致されたしんのすけを追いかけるのはひろしとみさえ。ここは他作でもよく見る場面だが・・・本作ではしんのすけも子供を救うストーリーになっている。

ブタのヒヅメはコンピューターウイルスの姿をしんちゃんの落書きから生まれたキャラクター 「ぶりぶりざえもん」にしてしまう。クライマックスで、悪の道へ走ろうとするぶりぶりざえもんをしんちゃんがバーチャル世界に飛び込み説得し、ぶりぶりざえもんは改心。ラストでは、役目を果たし消え去ってしまう。

ぶりぶりざえもんはしんちゃんの想像力によって生み出された「子供」であり、最後は「親」であるしんちゃんに心を「救われる」

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※この程度では全然ネタバレになっていないし、絶対に楽しめるので、今からでも鑑賞してほしい。

 

異常でしょ!?

 

 

クレしん映画がこういった異常さを提供す続けれる理由として、テレビシリーズとの「ギャップ」も有利に働いていると思う。基本、クレしんのネタはくだらないし下品という印象が我々にはあるので、ナメて映画を鑑賞しヘラヘラ笑っていると、ととんでもないカウンターパンチを食らって一発でノックアウト。気づけば、とんでもない量の涙が流れ、脱水症状に陥る。ヘタしたら死ぬ。

 

そんなクレしん映画 待望の新作!

『映画 クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』

〜あらすじと解説〜

アニメ「クレヨンしんちゃん」の長編劇場版24作目。小説家、映画監督としても活躍する劇団ひとりがアニメ脚本に初挑戦し、「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」も手がけた高橋渉監督と共同で脚本を執筆。夢の世界を舞台に繰り広げられる、しんのすけとカスカベ防衛隊の活躍を描く。突如現れた巨大な謎の生き物によって夢の世界にやってきたしんのすけたち。そこでは誰もが見たい夢を見ることができ、風間くんは政治家に、ネネちゃんはアイドルになるなど、皆が楽しい夢の時間を過ごす。しかし、その楽しい時間もつかの間、謎めいた転校生サキの出現により、人々は悪夢の世界に閉じ込められていく。

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冒頭。野原家の朝。父・ひろしが新聞に掲載されているある記事を読み上げ「空港で100名がうんこできなかった」としんちゃんが勘違いするというくだりや、転校生サキが登場した途端にみんながサキに惚れたせいでネネちゃんに急に冷たくなったり、風間君のしんちゃんへの的確なツッコミ(勉強させていただいてます)など、小ネタはいつも通り面白くて、映画館で爆笑していた筆者。

 

だが、映画後半にさしかかり…

「しまった!!油断してた!!」

クレしんトラップにハマっていたことを気づいたが、時すでに遅し。

クライマックスでは、ある人物の過去の暴露。みさえの粋すぎるはからいと台詞によって涙腺が崩壊してしまった。しかもそれは「泣ける映画がいい映画でしょ?」と言わんばかりにお涙ちょうだいシーンをぶち込んでくる下品な映画とは違う。登場人物たちが前へ進む決断をした姿に感動して頬がビショビショになるのだ。

また、今まであったようでなかった今回の「夢」という題材。しんちゃんらしくて超ステキ♡♡♡

…なのだが……それに加えて、「夢」の明るい面だけでなく暗い部分も深く描いているのが今回の「異常」なところ。というのも、悪夢の描写がめちゃ怖い。しかも、その悪夢の原因は大人でも耐えきれないヘビーさだ。

クレしんにおいて「死」を扱うという裏技は戦国〜でやった。ロボとーちゃんやブタのヒヅメなどでも死に近い「別れ」については描かれてきた。だが、本作では「過去の死」また、それに対しての「トラウマ」を扱っている。

本作では「死をどう乗り越えるか」がテーマになっているのだ。

もうしんちゃんという土俵じゃ語りきれないんじゃないの‼︎?と思えるほどダークな仕上がりだし重いんだけど、全然楽しく観れるし、ちゃーーーんとクレしん映画として成り立っているからスタッフ陣あっぱれ!

しかも!映画の中で敵となっている「悪夢」をアニメらしくぶっ潰して終わり!という単純なアンサーじゃない。

それは・・・うーーーん・・・話したいけれど

・・・そりゃダメ!!!

まだ絶賛上映中だから、ぜひ劇場に足を運んでいただきたい!!!

 

低いところから失礼しました!

映画『グッドナイト・マミー』ネタバレ無しの感想文 〜母と子の二人三脚で編み出される恐怖〜

低いところから失礼します。

 

「これどこに置くんだよ!」ていうくらいデカくてジャマくさい映画ソフトを買い集めるのが趣味のジャガモンド斉藤正伸です。

最近あんまりないけど、無駄なゴージャス感いいですよね。

 

小学校のとき同級生が野生のヤモリを木の枝で串刺しにしてはしゃいでいた光景が未だにトラウマとして、脳裏に焼きついている。

この「ヤモリ串刺し事件」で本当に恐ろしいのは、生き物を無残に殺めている残酷性とは別にある。それは、その同級生に「悪意」が無いということ。彼らにとってヤモリを串刺しにするという行為は遊びの延長線上にあるのだ。

 

『グッドナイト・マミー』

美容整形により人格まで豹変した母親の正体を疑う双子の少年が引き起こす惨劇を描いたオーストリア製サイコスリラー。2014年のシッチェス・カタロニア国際映画祭ほか、世界各地の映画祭で話題となり、米アカデミー外国語映画賞にエントリーするオーストリア代表作品にも選出された。森と畑に囲まれた田舎の一軒家で母親の帰りを待つ9歳の双子の兄弟。ところが、帰ってきた母親は顔の整形手術を受けており、頭部が包帯でぐるぐる巻きになっていた。さらに性格まで別人のように冷たくなってしまい、兄弟は本当に自分たちの母親なのか疑いを抱くように。そして正体を暴くべく彼女を試しはじめるが、その行為は次第にエスカレートしていく。「パラダイス」3部作などで知られる鬼才ウルリッヒ・ザイドル監督の妻で同シリーズの脚本にも参加したベロニカ・フランツと、彼女と2度目のタッグとなるセベリン・フィアラが共同監督を務めた。母親役に「ザ・ファイト 拳に込めたプライド」のスザンネ・ベスト。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。

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まず、目を塞ぎたくなる予告編が最高じゃんか!

もうこの時点で興味湧いてくれたら、読むのやめてTSUTAYAに走って!

 

この映画、たぶん予告編観てからでないとすんなり状況を飲み込めないかも…というのも劇中でほとんど状況説明が無い。

お母さんがどこで何のために手術をしたのか。お父さんはどうしたのか。双子とはどんな関係だったのか…。

色々と想像して補わなくちゃいけない。それがまたイイ。

映像は文章とは違うからと言ってナレーション、テロップ、説明的なセリフですべてを説明しようとする映画は強引だしつまらない。あくまでも、登場人物の人生体験の一部を覗き見することが映画の醍醐味の1つだと筆者は考える。

私たち観客は「説明」が入ると、作り手やカメラを無意識に感じてしまう。それを感じてしまうと作品に入り込めず、受け身になる。

※その説明を逆手にとってしっかり意味がある作品は別!

ということで、筆者も「ネタバレ」という名のクソ説明は極力せずに本作について書き殴りたいと思う!

 

この記事をぜんぶしてから鑑賞しても鑑賞後に読んでも、どちらでも楽しめることを願う。

予告編を観てもらえればわかる通り、この母ちゃんマジで怖ぇよ!

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郊外にある家という設定も活かされていて、静寂な空間の中での「わっ!」みたいなベロベロバー恐怖演出はお見事。予告編通り虫を使ったり、痛い!痛い!という視覚的恐怖ももちろんあるので十分キャーキャー楽しめる。

 

ただ、筆者がここで特筆したいのは 

「心理的な恐怖」だ。

「母」という存在はこの世で一番愛すると同時に、一番傷つけてしまう存在。一人に一人しかいない唯一無二の母親が自分の知らない「何か」に変貌していってしまう事はとてつもなく恐ろしく、観てるこっちも双子と同様、焦燥に駆られる。

双子が本当に母親かどうかを確かめるために様々な罠を仕掛ける。そのトラップに母親がひっかかる度に「うわ…こいついったい誰なんだよ!」という観客の不安は増すばかり。母親ではないと確信を持ち始める双子は子供なりの知恵で自分らなりの「武器」を作り出し、母親を拷問にかけようとする・・・

映画の前半は上記のような「愛する母親が別人に入れ替わってしまったら?」という誰でも感情移入できる恐怖で頭がいっぱいになる。

だが・・・映画の後半から恐怖とは別に一種の「危うさ」を感じ始める。

それは双子が生み出す「武器」や拷問方法がチープなんだけど幼い知恵ゆえに「危うさ」を伴っているからだ。子供は限度がわからない。ここまでやったらどうなってしまうかという危機を予測する力が乏しい。それが危ういし、怖い!

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前半で、一生懸命武器を作り罠を仕掛ける双子を観て

「わぁ~。ホーム・アローンみたいで楽しい~」と浮かれ気味になっていた自分をビンタしたい。

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最初は行け行け~!やれやれ~!と双子を応援してるんだけど、エスカレートしていく拷問を見て「あれ?これ本当のお母さんだったらどうすんだ!?」と急に不安になってくるのだ。

この手の映画はたいてい絶対的に恐ろしい対象が物語の中枢に1つだけ存在してその一方的な恐ろしさで物語を引っ張る。(『13日の金曜日』だったらジェイソンだし『リング』なら貞子)しかし、本作『グッドナイト・マミー』の恐怖は決して1つに絞られるのではなく「母親」と「子供」の恐怖という二層で構成されている。劇中ずーっと怖いんだけど、途中からその怖さの対象がずれ始めてくるのがたまらない!

相手を痛めつける目的で殺すとか呪うとかも怖いが、本当に恐ろしいのは想像力に乏しくヤモリを串刺しにしてしまう少年の心そのものなのだ。

脳みそがてんやわんやしている内に、映画はクライマックスを迎え、エンドロールでは開いた口が塞がらずに脳内では双子が駆け回り、最終的には「ママーーー!」と叫びたくなる(自分で何言ってるのかわからないけど、とにかくトランス状態)

友達や恋人と鑑賞し「あれはああだったんじゃない??」と後からキャッキャできる映画って夏にはピッタリじゃないか!

もうDVD出てるので、是非!

 

低いところから失礼しました。