新作『コップ・カー』感想文 〜「弱そう」が怖いという逆転の発想〜

低いところから失礼します。

 

先日、初の4DXで水を浴びすぎて、完全に風邪をひいたジャガモンド斉藤です。

次回からはちゃんと水停止ボタン押します。

 

さて、この映画コラム『低いところから失礼します』の記念すべき第1回目。

映画館やDVDなどで鑑賞した「映画」をお笑い芸人のわたくしが低いところから……とか言いつつ偉そうに!そして、時には激しく!さらには愛と尊敬を込めて映画のことを書きまくる…そんなブログにしていこうと思います。

皆さん、是非お付き合いください。

宜しくお願いします。

 

本日、紹介する映画は、テアトルシネマ渋谷で鑑賞してきた……

ジョン・ワッツ監督『コップ・カー』

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コップのカー。つまりパトカー!

それがどうしたんだと!

まずは、簡単にあらすじを紹介します。

 

家出をした少年二人組が主人公。

あても無く広い荒野を2人で歩いていると誰も乗っていないパトカー(コップ・カー)を発見!

もちろん免許もは持ってない2人だけど「マリオカートならやったっことある」というしっかり根拠のある自信でそのパトカーを盗み出し、走り出す!

フッーーーー!

楽しい!!!無免許運転は少年時代の夢!ロマン!

 

『グーニーズ』や『スタンドバイミ』を彷彿とさせる少年冒険モノのテンションで映画はスタートするが

そのパトカーの持ち主は悪徳警官ケヴィン・ベーコン様だった!

その車に悪いことたくさんした証拠品とある人物をトランクにを乗せていたもんだから、激オコ!

ベーコンはそのコップカーを取り返そうと少年2人を追い始めるのだった……

  

 

もう面白そうでしょ?

 

まず少年達!かわいそすぎるよ!

 

初めての社会経験が全力のケヴィン・ベーコンに追われるって。

「運がない」じゃ片付けられない!

「ガキども 遊びは終わりだ」って、そんなにムキになられたらもうたまんないよね。

たぶん過去世で悪いことしたんだろーね!

 

まず、この悪徳警官のキャスティングがケヴィン・ベーコンってのがすんげー良い!

ベーコンが具体的にどんな悪役なのかは、本編内で全く語られない。

冒頭で、人気のない林にパトカーを駐車するベーコン。運転席からヌッと出てくるもうその時点で、怪しい。

「あ、この人悪役だな」と直感でわかるのが、ケヴィン・ベーコンの顔力!

そう。ベーコンに説明はいらないのだ!!

毎回、ベーコンが悪い!!(それは言い過ぎ)

もちろん、その後の彼の行動を見れば、裏で悪いことをコソコソやってるんだってことが明らかになっていく。

 

もしもこの役がシュワちゃんみたいなムキムキ野郎だったら、何があっても地獄の果てまで追いかけてきそうなターミネーター感が強すぎる。

もしもこの役が『トランスポーター』のジェイソン・ステイサムなら無駄に早そうなスポーツカーで追いかけてきて、速攻で追いつかれイスを使った謎の格闘技で即死しそうだ。

 

ベーコンは弱そう。

てか弱い!

 

冒頭で、死体を荒野に空いた穴まで引きずって落とすシーンがあるんだけど、もうヘトヘトで汗だく息切れ状態だし、そもそも車でその穴まで行けよ!という頭の弱さも備えている。

(とは、言ったものの後半はズル賢いので、生き抜く知恵はあるらしい。それも弱さゆえ?)

 

だか、そこがキャスティングの妙というやつで、「弱いからこそ、何をするかわからない」感が怖い。

麻薬がらみの証拠品が消えたことで、焦りまくるベーコンは『フォレストガンプ』のトム・ハンクス並みに荒野をダッシュして車を盗み、家にあった証拠品である麻薬をトイレの便器に捨て流しながらも吸いまくってハイになるという慌てっぷり!

 

ねぇ!落ち着いてよ!ベーコン!

思わず、スクリーンにそう叫んでしまいたくなる。

 

そんな様子を観る観客は「あ。このおじさん、子供でも殺すなといや~な予感がしながら映画を観る事になるから、そんなことも知らずにキャッキャはしゃいでる主人公2人を見ると「もう!いいから静かにしてよ!」とヒヤヒヤものなのだ。

 

 

ケヴィン・ベーコン本人が脚本を読んで惚れ込み製作総指揮も担当しているので、ナイス ケヴィン!!!

 

だが、本作の本当に恐ろしいところはその子供2人の無邪気さだ。車を盗み出すところからラストにかけてずーっとキャッキャしてる子供2人が1番危ういし、笑える。

ラストの仕掛けはその「若すぎる若気の至り」が招いた最悪の事態へと発展していくし、それが主人公少年の成長にも繋がるキーにもなっていく。

 

本作が認められ、監督のジョン・ワッツは新『スパイダーマン』シリーズの監督を任されることになったそうだ。

もしかして、スパイダーマンの敵役がケヴィン・ベーコン…なんてことも!?

これから大物になっていくであろう監督の傑作を是非、その目に焼き付けてもらいたい!

 

低いところから失礼しました。