新作映画『センセイ君主』ネタバレなしの感想文 〜女優怪獣ボンばばボンこと浜辺美波現る〜

浜辺美波は怪物である。

そう確信せざるおえない本作『センセイ君主』

失礼ながらも、またこの手の映画か…と思いつつも時間が合う作品がこれしかなく、心中する気持ちで映画館に飛び込みました。

全く彼氏ができない主人公の女子高生が新担任の数学の先生に恋をしてしまう…。

いやいや、浜辺美波でしょ?かわいいじゃん!モテないわけないじゃん!もうこのキャスティングの時点で感情移入できないだろ……

はい、映画始まった。出てきたよ。ほら、かわいいじゃん……ん?うん、かわいいじゃん。…あれ……?はまべみなみ…だよね?ん……?かわ…ん?オエ……え、かわ…か、か、か……いや、ブスじゃねーかよ!!!いや、ブスだよ!!こりゃモテないよ!!

 

そ、そ、そんな馬鹿な。

 

写真では可愛く見えるんですよ!しかしですね、実際動かれるとですね、一体何が起きてるのか?ってくらい強烈なブスさなんですよ!

誤解しないでください!これは最高の褒め言葉です!!

顔立ちはいいのに、彼女の表現力が顔を上回るほどブサイクで表面の美人を消しとばし、我々を爆笑に導いてくれる!

とか、思いつつ終盤で見せるふとした演技に「愛おしい…」と思わせ、キモかった髪型をバッサリ切るんですがそのお披露目場面もお見事でうっとりさせられます。

一挙手一投足すべてうざくてうるさい相手が、ふとした時に見せる涙にグッときてしまって好きになっちゃいそうになるみたいな…。こういうのありましたよね!?高校時代に!同じクラスの女の子に!

「あれ?こいつこんなに可愛かったっけ…?だめ!だめ!そういうんじゃないのに…」っていう葛藤!

僕はありました。うるさくてずっと喋ってて、なんだよ!うるせぇな!とか普段は言ってた同じクラスの女子なんですけど、合唱コンクールで賞とれなかった時の泣いてる姿を見て「あっ…」ってドキッとしたんす。いやいやいや違う違う違う。そういう相手じゃないもん…て自分の気持ち抑えたのスゲー覚えてます。

それを浜辺美波ちゃんが完全に体現しているんですよ!!

「美人が性を微塵も感じさせないほど自分を崩すことで生み出される新たな魅力」を大放出していました!

これ『はちはやふる』の広瀬すずちゃんもそうでしたけど、浜辺さんはとてつもなく器用な演技力を兼ね備えており、その豪腕さにこっちが笑っちゃうんすよ。あのー、贔屓目にとか映画的な笑いじゃなくて普通に笑ってしまう。この普通に笑っちゃうこの感じ最近どこかでも似た感覚があったな?と思ったら、あれです。『カメラを止めるな!』ですよ。あの笑っちゃうのと同じ。浜辺美波は1人カメ止め女なんですよ!!

こりゃスゴイですよ。周囲がカップルや高校生だったんで遠慮してしまいましたが、カメラを止めるな!の観客がそのままセンセイ君主!を観に来てたら手叩いて笑いますよ!

だからね、そうなってくると竹内涼真くんのカッコよさとかは頭に入ってこない。もう浜辺さんを際立たせる脇役と化してます。

 

 

モンスター級の若手女優が日本映画に舞い降りましたんですよ!ただ可愛いだけが良い時代は終焉を迎えました。

浜辺さんは、しばらくアイドル映画的な作品に出でしばらくしたら、ヘビーな役やりますよ!これは!たぶん将来、樹木希林さんみたいなポジションになっていきますよ!

楽しみがまた1つ増えましたね!みんなで見守りましょう!

新作映画『ウインド・リバー』ネタバレなし感想文 〜今年の猛暑続け!と思ってしまうほど寒さが怖くなる今年の大傑作〜

ポスターをチラ見して「あ〜!ファーゴみたいだ!たのしそ〜!」ってノリで映画館に足を運び、映画が始まって真っ白の雪景色を目にして「わぁ…涼しい〜」なんていうホンワカした気持ちで鑑賞していましたが、そんな生易しいものではない映画でした!

主人公はど田舎に住むハンター!演じるのはアベンジャーズのホークアイでおなじみジェレミー・レナー!

それはもうホークアイそのものじゃん!と思えてくるほどの狙った獲物は絶対に逃がさない男。実は過去に闇を抱えている孤独な狩人です。

彼がある日、雪山で女性の遺体を発見。駆けつけたFBIは田舎をナメてる新人女性捜査官。演じるのは同じくアベンジャーズでフェロモンとパワーが溢れまくっているスカーレット・ウィッチでおなじみエイリザベス・オルセン!

しかし、本作の監督はあの『ボーダーライン』の脚本家なのでアベンジャーズのノリでは済まされず、オルセンちゃんは最悪の環境と一線を超えた男に翻弄されていきます。

夜中に表で呼吸すれば肺が凍って吐血し死んでしまうという絶望的な環境下で2人の犯人探しが始まる…

オルセンは土地の人間に聞き込みをしながら犯人探し。共に行動するハンターは土地勘と足跡を追って犯人探し。

対局な2人の捜査がたどり着く真実とは…??

もうこの設定でアガリますね!!絶対面白いもん!!

なんだか、ミステリー的な雰囲気が漂っていますが、この映画の面白さは意外な犯人が?とか、どんでん返しが?とかではありません。

これは圧倒的に渋くてカッチョイイ西部劇!

ラストの銃撃戦は声出ちゃうほどゲキ渋だし、「法の内側にいる人間とその線を越えた人間」その両者が一瞬、交わる場面はよし!やったれ!と思える名場面。

これが悲惨な現実ベースだからこそ、こういった場面は映画内だから許されるカタルシスであり最高の薬です。

そして、何より寒さって怖い!

「わぁ、涼しい〜」って思いながら観た自分を叱ってやりたくなるくらい寒さの恐怖が半端ないです。

夏、続け!って思っちゃう。

 

 

情報0で鑑賞していた僕は娯楽作として楽しんでいましたが、ラストのあるテロップを見て「そういう話だったのか…!」と胸がえぐられる想いでした。

娯楽作でありつつも全く説教くさくない社会性とメッセージ性が作品の随所に散りばめられており、ラストでそれらが蘇るというとんでもないバランスの大傑作です。

 

そして、正直ジェレミー・レナーがこんなに魅力的に見えたのは初めてでマジ最高!アベンジャーズへの復帰がここまで待ち遠しくなるとは思わなかった!

ジェレミー!君が帰ってきてくれればサノスに勝てるぜ!!!

 

新作映画『ミッション:インポッシブル フォールアウト』マジ感想文 〜アベンジャーズとイーサン・ハント〜

ヘイロージャンプを100回やった。ヘリの操縦免許を取得した。ビルとビルの間をジャンプし骨折した。

「トムが」という固定文句が頭についたこれらの伝説エピソードは映画の宣伝に大きく使われ、映画を観た人観てない人関係なく広まり『ミッション:インポッシブル フォールアウト』はスタント無しのマジやばいアクションという面が全面に押し出されることになりました。

これは、巷で話題の通り脚本が未完成のまま撮影に入りトムの思いついたアクションを取り入れながらそこに合わせて本を完成させていった本作ならではの特徴。

が!!!

本作の魅力はアクションだけでにはとどまらず、トム・クルーズ=イーサン・ハントの精神性が直接「アクション」に反映されているがゆえに私たちの胸を打ちます!この点については後ほど記します。

撮影先行とは思えない、クリストファー・マッカリーの演出力が冴え渡っているのも本作の魅力であることを忘れてはいけない1つです。

同監督、同キャスト(ジェレミー・レナーを除く)だった前作のローグ・ネーションでは「飛行機にしがみつくイーサン」という見せ場をオープニングに持ってきてあえて後半は限定された空間内でのアクションと緻密に構成された脚本が白眉となっておりサスペンス要素が強い仕上がりだったのに対し、本作はそれを真逆にしたことで全く違った作風になっています。

パーティー会場では鏡面世界が多く出口の見えない迷宮にイーサンが迷い込んだような不穏な雰囲気が漂います。トイレ場面ではヘンリー・カヴィル演じるCIAのウォーカーとイーサンを鏡を活用して映し、同じ境遇で違う選択をした2人の対比を強調しています。他のカットでもシンメトリーな画面構図が多用されていて、閉鎖的な空間が目立ちオシャレでクラシカルな雰囲気がビンビン。それに対して後半は崖や雪山など開けた空間内でのアクションが続き、観客の開放感を煽ります。

そんな整頓された美しい世界にいたウォーカーがある展開によって、醜くアンバランスな状態へと「変化」するといった演出もお見事。

 

また、冒頭で登場した夢の中の核爆発がもたらす「光」 これがクライマックスでも登場し我々観客がミスリードする重要なキーになっており、ヒヤッとさせられます。

え?爆発しちゃった…?と思いきや…の場面。

冒頭で「絶望」の意味合いで使用されていた光がラストでは「希望」の意味合いで描かれるというあっぱれ演出です!

 

アメコミ専門家集団しゃべんじゃーずの主催者である柳生玄十郎さんは『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』レビュー時に「本作のテーマは取捨選択である」とおっしゃっていましたが、今回のフォールアウトも同じく「選択」がテーマです。

アベンジャーズは強敵サノスに圧倒されます。この両者の決定的な違いは選択を迫られた時の「判断力」でした。

仲間を選ぶか?世界を選ぶか?

という瀬戸際に立たされたアベンジャーズ一同に対してサノスは目的のために愛する者でさえ手にかける手段を選ばない強敵。もしアベンジャーズが感情に流されず仲間を見捨て世界を選んでいたらあの結末にはなりません。

フォールアウトの冒頭でも主人公イーサン・ハントは仲間か?世界か?と選択を迫られ、仲間を選んだことで事態は悪化してしまうことが話の発端。その後もあらゆる場面で何度もイーサンは「選択」をしなくてはいけない分岐点に立たされるわけです。

「多くの命」だけでなく目の前の「1人の命」を見捨てない。これがイーサン・ハントの信条だけど、それは綺麗事では…?しかし、両者を救えてしまうのがイーサンでありそこにこっちが納得してしまう説得力がちゃんとあるんです!!

映画でどっちも救ってしまうイーサンを見ても違和感がないし、この男ならやってくれると思ってた…という気持ちになります。

アベンジャーズにイーサン・ハントがいたならもしかしたら、サノスは倒せていたかもしれないと思えるほど!

そこまでの説得力を持つ理由のは2つ!

1つはトムがスターだから!!!

そして、もう1つはトムが文字通り「命を張って戦っている」からです。

すべての場面で本物のトムがイーサン・ハントとして全力で戦いに挑む姿を見て、彼ならできるかもしれない!両方を救うという無茶なことができるのかもしれない!!とこっちが本気で思える。

 

 

だから、あれだけいろんな危ないスタントをやってるけど、一番感動するのはシンプルにトムが全力で走っているところじゃないですか!?

「がんばれ!がんばれ!もう少しだ!」と応援するベンジーことサイモン・ペックに感情移入して涙がちょちょぎれてしまいます!

これが先述したトム・クルーズ=イーサン・ハントの精神性がアクションに直結しているということなのです!

 

でも、お願いだからいったん落ち着いた映画に出て欲しいよ、トム。

次やったら本当に死んじゃうよ!