6/30公開!超新作映画『明日にかける橋 1989年の想い出』レビュー 〜リターナー鈴木杏による過去改変祭り!〜

かつて山崎貴の『リターナー』で未来からやってきて、金城武と共に人類を救った鈴木杏ちゃんがまたしてもタイムトラベル!

今回は宇宙人から人類を救うとまでは言わないけれど、1989年の夏に交通事故で死んでしまった弟を救うんだ!

 

 

父、母、弟と暮らす主人公・みゆきは高校生という思春期真っ只中で、チャラいバンドマンの彼氏を作り「おらこんな村いやだ!」と吉幾三ばりに田舎を出たがる。

東京いくべ!

 

 

そう思っていたのもつかの間、弟がトラックにひかれて死んでしまう。

そこから家族は音を立てて崩れていく。

母は心を病み、父は酒浸り。そんな中、バブル崩壊が訪れ父の会社は倒産。

そんな家族を支えるため故郷でOLとして働くみゆき。バブル崩壊によって、同級生は親が倒産したり、本人が自殺したり…生々しいニュースを交えながら実際に起きた当時の日本の経済不況が永遠と描かれる。

バブルについては知っていたが、直接的に被害にあった家族の苦しすぎる生活をここまで可視化されてしまうと、身にこたえる。

 

そんな重々しい前半だが、地元にある橋を渡り奇跡を起こしたリターナーみゆきは弟が死んだ年にタイムトラベル!

 

 

この手の映画はタイムパラドックスが云々かんぬんと難しい話に陥り、タブーが発生し、話がややこしくなるのが常であるが……

この映画、その辺はすべて無視。

30歳みゆきは弟を救うために奔走し、当時の高校生の自分とも喋るし、母とも父とも対面!

ていうか、当時の問題にガンガン介入しまくり、過去改変祭り。

挙げ句の果てには、自分を騙していたバンドマン男を平手打ちするという大暴れっぷり!

 

 

「こんなに無茶したら…未来変わってしまう…」というこっちの心配を他所に、リターナー鈴木杏の暴走は止まらない。

デッドプール2でもタイムトラベルを乱用する描写があって、頭でっかちな人にとっては「ん?」となったけど、本作はその比じゃないくらいガンガン無視。

 

 

というか、無視していいのだ!これは主人公が【二度と取り戻せない過去】に置いてきた後悔を念を晴らす痛快ファンタジームービーだ!

そして、鈴木杏が弟を救うために起こす行動は、当時のバブル期を改変したいと願う現代人の願望と完全に重なり合う。

もう二度と変えることができない過去を改変するのは、映画をはじめとするフィクション作品の特権だし、今回はその権利をフルに活用した味わい深い作品でした。

予告編や宣伝では感動系ということが押し出されているが、中身はけっこうエンタテイメント性が高いので楽しめるはず。ぜひ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です