読んだら必ず観たくなる

『デッドプール』シリーズはヒーローのルールや常識が溢れかえったこのご時世だからこそ生まれることができたカウンターパンチ的作品である!

今、私たちが楽しく神輿を担いでお祭り騒ぎのできるアメコミヒーロー映画は先人たちの失敗作の積み重ねがあるから。そして、このご時世ではそのパイオニアたちの黒歴史は永遠に歴史に刻まれてしまうし、結果主義のハリウッドではそれ以降の仕事に多大な影響を及ぼす……。

 

その失敗群から生まれた地縛霊がデッドプールであり、演じるライアン・レイノルズです!

 

「パイオニアである俺たちを忘れるな!!!…いや、忘れて!消したい!!…消す!消す!」と言わんばかりにライアン・デップーは暴れ、ルールを壊し、常識を裏切ってくる。それらはアメコミ映画飽和状態に苛まれた観客に向けたサービスでもあり、そこに加わる開き直った自虐ネタ、パロディの数々に私たちは腹を抱えて笑う。(個人的にはXフォースのくだりに爆笑しならも、あいつがああなった意味を後から考えるとなんだか深い)

あ〜あ。おもしろ〜イ。

ここまでは前作でもやってたことだしおなじみのデップーが観れてキャッキャしてる私たちだが、気づけばハッとする……あれ?何かが違う…

もともとデッドプールの元であるX-MENのコミックシリーズは人種差別が根本テーマにある作品だが、今回はそういった社会問題のネタを本家以上にどんでもない量でぶち込んできている。

なんとまぁ、デップーなのに体型、性別、人種、同性愛に対する大きいくくりでの【差別と偏見】が根本的なテーマになっていて随所にネタが散りばめられている。しかし、説教くさくないのはあまりにもバカらしい振る舞いを貫くデブノルズのおかげであり、もはやこれは社会風刺作品と言ってもいい。

また、前回は「こんなキン○マみたいな姿で彼女に嫌われたらどうしよう」が悩みだったデップーだけど今回はある岐路に立たされ(不死身というある意味で弱点設定を逆手にとったある悩み)以前とは違うマジな葛藤に苛まれる。悩んでももちろん行動を起こすのだがそのモチベーションが胸にググッと刺さり…しかもこれは他のメンバーは知らない彼とあの子だけがわかるモチベであり…デップー映画でこんなことになるとは思わなかったけど……うん、泣きそうになりました!!!冗談じゃないよ?普通にいい話なんだよ!!

監督も『ジョン・ウィック』『アトミック・ブロンド』のデヴィット・リーチに交代したことで相手の銃を利用したガンアクション(特にジョシュ・ブローリン演じるケーブル)や人を殺すための格闘になっていて現実味と外連味が増し増し!作品が内包するテーマ性だけでなく、映画としての外側もグレードアップしており抜け目なし。

なんだよ!ただハチャメチャなのではなく、普通に立派なエンタテイメントじゃないか!

このアメコミヒーロー映画が乱発される中で隙間産業を見つけ観客のツボをおさえたライアン・レイノルズに拍手喝采!

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