読んだら必ず観たくなる

荒波をバックに東映の三角マークが出てきて(ヤクザ映画全盛期の当時のフィルムをそのまま転用してるからなおいい)「うわっ!ヤバ…!ラ・ラ・ランドが同じ手法でミュージカル映画の復興を謳った開幕のようにこれは東映ヤクザ映画のふ…」とか考えている間に豚のお尻からウンチが出てきて「うわっ!ヤバ…!これは普通の映画じゃないじゃん!え、竹野内豊さんあんなに暴力演技を嫌がってたのにハマりま…」とか考えている間に「うわっ!ヤバ…!MEGIMIさんエロすぎ!いいなぁ、おれも密室で…」と冒頭から矢継ぎ早にストレートパンチを連続3発食らってしまい脳がグワングワン揺れるが本作『孤狼の血』

東映が【ヤクザ映画の復興】を『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』の白石和彌監督に持ちかけるというロマンしかないキッカケから始まった本作は監督に「君たちの観ている邦画は生ぬるいんだよ!」と口の中に豚のウンチを詰め込まれている気分にさせられる大傑作となりました。

本作の公開は北野武監督『アウトレイジ』シリーズのヒットも一因であるだろうし、それを彷彿とさせる観客が多いのではなかろうか?

小さな因縁からどんどん暴力が肥大化していく振り子的なプロットや殺し方大喜利、怒鳴り合戦が楽しかったアウトレイジシリーズに対し『孤狼の血』は、原作者も意識したという東映ヤクザ映画の名作『県警対組織暴力』(深作欣二監督・笠原和夫脚本)を彷彿とさせる【警察・ヤクザ・ヤクザの三つ巴と癒着。そこから生まれる法を守る警察にとっての正義と悪の境界線】が主軸になっている。さらに、そこにミステリー要素が加わったことで、単なるオマージュだらけの焼き直しではなく、現代版にアップデートされた東映新ヤクザ映画が誕生したのだ!

その上で侮ってはならないのが、役者陣の迫力の【顔問題】である。

仁義なき〜の撮影前夜、深作監督はキャストと朝まで飲み明かし全員目がバキバキ状態で撮影をしたという逸話は有名だが、この手の映画はそれくらい顔が重要!俳優がテレビに多く出演しタレント化している昨今において血と暴力の世界に生きる男のギラギラした顔を際立たせるのは一苦労いる。

「なんじゃい、こらぁあああ!!!」と吠えていた役者さんの演技を観ても脳裏にはバラエティ番組で愛想を振る舞いている画が浮かんでしまうだけで台無し。

しかし、本作はそんな余計な考えは浮かばないくらいみなさんの顔力と演技の迫力が凄まじい!

 

主要キャストはもちろんバイプレーヤー達のどう見ても極道の世界で生きているであろう顔の生々しさ。この顔面力によって作品のリアリティ、説得力がグーーーンとあがるあがる!

 

役者陣で言うならば、もちろん役所広司さん演じる大上の暴れっぷりも最高なのだが、この映画で最もアガり、男泣きさせらるのは大上の違法捜査に翻弄されまくる松坂桃李くん演じる日岡刑事!

捜査方法は問わずホシをあげるためなら何でもする大上の下につく日岡は広島大学出身で警察としての倫理観は大上とは真逆。

この真逆の価値観を持った2人の対比は県対組でいう菅原文太・梅宮辰夫になるわけだが、この映画では後半でまったく違う展開を見せてくれる。

日岡がある決断を下すとき、それまでの伏線や感情が一気に回収され男泣きさせられる。さらにラストカットはこの展開があるからこそできた何ともヒロイックな終わり方にしびれまくる。

そんな日岡と超羨ましい関係に展開する阿部純子さんもすんげぇイイ…男の想うきゃわいい女性像が全部つまっててたまりませんでした。

 

まぁ……こんなこと言いつつも復興失敗!ってオチもあるわけですよね…志はよかったけど…みたいなさ……

 

結局、今の日本ではウケ悪かったみたいな……

 

時代間違えたかな…みたいな…

 

だけどぉ!!!

ヘッヘーーーン!!!

早くも続編制作決定だって〜〜〜!

ウェーーーーーーイ!ざまぁ!!!(もはや製作側の気分です)

 

脚本・池上純哉さんによる原作の再構築、容赦ない痛い暴力描写を連発する白石監督の攻めの姿勢が完全に功を奏しました!

勝ちました!!!最高のニュースです!!!

また彼らに会えると思うと胸が高鳴ります。

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