新作映画『レディ・ガイ』感想文 〜玉取られた元男殺し屋が仇のタマ取り行くタマ取り合戦〜

金玉取られ強制的に女性になってしまった元男の凄腕殺し屋が、相手のタマ獲るために自分の銃(下の銃はもうない)にタマを込め復讐の道へと進むタマ取り物語。

『君の名は』のようなあまい入れ替わりではなく、本作はマジで性別変わり、しかも元には戻れないという苦しみ。いくらこの映画の粗を探そうとも誰も手を出さなかったこの大胆設定には文句無し。つまり、設定で圧勝しているのが本作。

キンタマとられる殺し屋を演じるはワイスピシリーズ、アバターでお馴染みミシェル・ロドリゲス

なんと男時代も女時代もミシェル・ロドリゲス!!!

「ハマり役」なんていう褒め言葉じゃ収まらない!彼女にしかできない見事なキャスティング。いや、もはや使命を果たした映画。

特殊メイクにより胸筋とちんこを装着し、女性とのベッドシーンもある。

概要を聞くと思わず笑ってしまうが、映画が始まってから、強制的に異性転換手術を受けた主人公を見ていると実はとんでもないヘビーな設定なんだと悟らされる。

「人を殺すこと」こそ漢!「女を抱くこと」こそ漢!であり、腕っ節で世を渡ってきた裏社会の人間が性別を強制的に捻じ曲げられてしまった時の絶望たるや……。命を奪われるよりも屈辱的であり精神的打撃を受ける制裁だ。

この手術を施したシガニー・ウィーヴァー演じるマッド・ドクターの狂いっぷり!これまた素晴らしい。

シガニーは頭はキレるが喧嘩は弱いという設定がどうも入ってこなくて、いつ火炎放射器をぶっ放して皆殺しするか?と最後の最後までヒヤヒヤしましが、うぜぇババアを見事に演じてくれています。

肉体派の主人公とは真逆の彼女が現代社会の男の象徴であるネクタイを常につけて、主人公と対峙することにより、見た目で両者の極端な対立構造を際立たせてくれている。

尋問による回想系式で真相が語られていくミステリアスな構成の効果もあり最後まで目が離せなくなる怪作。

 

新作『ジオストーム』感想文 〜「午後のロードショー」感満載のノンストレス パニックムービーの傑作!〜

世界の異常気象を操作し人類を救った巨大な【気象コントロール衛星】が突如、暴走をし始めた!

イラク、香港、日本……各国が大寒波、津波、高熱気象に襲われ人類滅亡の危機!

このピンチを救えるのは衛生の生みの親であるアウトローのヤツしかいない……!

まるで午後のロードショー「パニック映画特集」の予告を観ているのでは?と錯覚してしまう本作『ジオストーム』は古き良きTVの洋画劇場を楽しんでいた私のような世代の者からすると涙が出るほど楽しく痛快な作品である。

だだっ広い田舎にぽつんと住む父娘の関係性は『インターステラー』 宇宙ステーションの無重力の恐怖感は『ゼロ・グラビティ』を起草させるという近年の立派なSF映画の系列か?思わせておいて中身はとんでもなく別物。

頭イイ人は徹底的に排除され、みんな直感を頼りに行動していく人間の本能に従った最高バカ映画である。

つまりストレスがないのだ!これぞ痛快!

そもそも、先述した「気象コントロール衛生の生みの親」 彼が主人公なのですが、キャストはジェラルド・バトラー

ジェ、ジェラルド・バトラー…???

どう見ても技術者には見えない。腕っ節だけでモノ言わすオラオラ系タイプじゃないか。

と思っていたら案の定、彼は異常をきたした宇宙ステーションに乗り込んだものの頭のイイ解決方法、ポテンシャルは一切発揮しない。

暴走した衛生の彼の対処法は「別の衛生をぶつけてぶっ壊す!」です。

がっはっは!

お見事!それでいいのです!

システム、ウイルスの小難しい説明など不要なのだ!

 

そして、アメリカの大統領役はアンディ・ガルシア

ア?アンディ…ガルシア……?

いや、絶対なんかあるだろ!!

そういう顔してるんだよ!!

犯人だ!絶対!

 

……と思いきや、大統領補佐官役がエド・ハリス

え?……エド・ハリス???

いや、絶対なんかあるだろ!!

そういう顔してるんだよ!!

犯人だ!絶対!

役者がキャラクターに収まりきらず溢れ出ちゃってるこの感じがたまりません。

話が単純で難しい要素が全くなさすぎて、後半は笑いが止まりませんでした。

作りがシンプルすぎて、もはや逆にこんな映画作るの難しいんじゃないか?と思ってしまうほど。

 

監督はディーン・デブリン

『インディペンデンス・デイ』と『インディペンデンス・デイ リサージェンス』の原案、脚本の人です。

はは〜ん。笑

はい、そういう映画です。

ディーンさん!これからもこういう仕事を続けてください!

 

新作映画『キングスマン ゴールデン・サークル』感想文 〜細かいことは気にするな型 古き良きスパイ映画の第二弾〜

ビニール傘の取っ手で牛乳瓶ひっかけて、ぶん投げ「マナーが人間を作るんだ!」とか言いながら暴れまわる児童。

小学校の時にこの『キングスマン』シリーズがあったらそんな問題児になっていたに違いないわたし。

本作は、近年すっかりシリアス路線へ移行してしまった007シリーズとは真逆に振りきり、ワクワクするガジェット飛び出しまくりの細かいことは気にするな型【古き良きスパイ映画】の新シリーズだ

そんな大味な娯楽の面もありつつ、階級社会の差が激しいイギリスを舞台にすることで、地べたを這いつくばる名もなき主人公の青年が「英国紳士」という上の階級に努力とマナーで這い上がる成長譚にもなっている点が素晴らしい。本作のラストは「え?結局、大丈夫なの?」と思ってしまう突飛な着地だが、前作の「生まれた環境はなく本人の努力で人生は決まる」というテーマのその先を見せてくれていてる。つまり、本作は主人公エグジーのシンデレラストーリーなのだ。その証拠に、副題でもある「ゴールデンサークル」はラストにロマンチックな形で登場し、はぁ〜。そういう意味もあるのか。と頷いてしまう。

前作と比べると、各キャラ描写や敵役の思想、アクションの切れ味など…若干の消化不良はあるものの、現アメリカの某大統領への風刺や調理過程を見せすぎて思わず笑ってしまう人肉バーガーや男共のロマンが詰まった某カメラアングルなど子供には見せられない不謹慎シークエンスはレベルが上がっているから十二分に楽しめることは間違いない。ただし、前作で説明は済ませてるから一切ない。なので予習していないで観ると、これ何?あれ誰?と?マークで頭がいっぱいになっているので前作は必見です。

 

それにしてもカルト監督ジェームズ・ガンがマイケル・ルーカーというおじさんを愛し、映画に多用しまくるようにマシュー・ヴォーン監督もマーク・ストロング大好きかよ!

彼への愛が溢れまくりのシーンがあって、ぐっとくるんだけど…

007に対抗するなら、素敵なおっさんばっかり出してないで、エッチなお姉さん出してよ!