新作映画『ノクターナル・アニマルズ』感想文 〜異性からフラれた人間の底力!愛も憎しみもぜ〜んぶくらえぇ!!〜

異性にフラれた人間のパワーっていうのは凄まじいものがありますね。

そのパワーが長続きするかどうかは置いてといて「見返してやる!」と意気込んだ時の爆発力っていうのはとてつもなくて、それが暴力ではなく何かを創造したり、訓練したりする方にベクトルが向いた時はすごいものができます。こんちくしょう精神。

この映画は、エイミー・アダムス演じるイケイケ芸術家の元にある日、作家である元夫から書き下ろした新作の小説『ノクターナル・アニマルズ』が届く。「君との出会いから着想を得た」というその本を読みながら、その内容の力強さに現夫に浮気されているイケイケ芸術家は心惹かれてしまう。ムラムラしちゃうわけですね。小説の内容と現実の生活、当時の彼との淡い思い出の3つが交互に描かれていくその末に……というのが本作の内容。

チラシには「それは、愛なのか。復習なのか。」と問いありますけども、これはどっちも!でしょ!

元夫はですね、失恋が着火剤になって元妻が夢中になるくらいの本を書き上げてるわけですわ。元妻は自分と重なり合う内容ってこともあって瞳孔開きっぱなしギンギン状態で本を読み進めるんです。うわ、ページめくるの止まんねぇ!寝れねぇよ!!っていう。

これ結果プラスなんですから。いい小説家になることが一番平和的復讐

ちきしょぉ!あの時別れなければ今頃あたしは…って思わせるのは気持ちイイっす。

ざまぁ!ざまぁ!

それでも、愛なんです。つまりは「憎たらしいお前がいたから俺が強くなれたんだ」的なことなんですね。

どんなに憎んでいても、好きは好きだもの!愛であり憎しみ!どっちも!

だから、世間の男は女にフラれたからってだだこねたり、しつこく付け回したりせず寅さんみたく「引き際が肝心よ」とリングから降りて自分の職業に精を出さなければいけませんね。

それにしても、ジェイク・グレンホールの映画にハズレなし。

新作映画『 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』感想文 〜単なるホラーじゃない!童貞少年大活躍映画の傑作!〜

【フォーレスト隊】という名の団体を友達と勝手に設立し「環境破壊を防止する」という活動理念を掲げるも、実際は通学路途中の雑木林に枝やロープを使った秘密基地を作ったり、そばを流れる玉川上水で無意味なダムを作ったりザリガニやアオダイショウを捕まえたりして遊んでいたのが小学校の思い出。

西東京にある学校に通っていた自分は部活も未所属、勉強も読書も嫌いだったから学校にいても居場所がなく、下校時に有り余ったパワーを最大限に発揮(パワーと呼べるのか?)し、毎日泥だらけになって帰宅。よく親にこっぴどく叱られたいたもんでございあす。

そんなんだったから、もちろん先輩に目をつけられ下校時の最大の楽しみをよく妨害されてました。ランドセルを川に落とすと脅されて奪い返すために奔走し川辺で大乱闘になったのが一番印象深いなぁ。とにかく周りからバカにされて浮いてた存在だった自分は本作『 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』に登場する主人公ルーザーズ・クラブ(負け犬軍団)7名が愛おしくて仕方ない!

お世辞にも青春を謳歌しているなんて言えない彼らに胸キュンキュン。

陽の当たらない彼らの小さな人生シーンでは、涙を抑えることに必死です。

ぐううううううう!!!

「怖いの苦手〜」「ピエロきも〜い」という理由で観てないアナタ。モッタイナイ!勘違いしないで!

この作品はホラー作品というジャンルではありますが、それよりも【屈折した青春道を歩む少年たちが味わった特別な夏の物語】つまりは、青春映画!というか、童貞少年大活躍映画なのであります!

こんな寒い季節に公開されていますが毎夏に観直したい。『学校の怪談』と二本立てで堪能したい。

みなさん、ぜひ。

 

 

 

 

新作映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』感想文 〜トニー・スタークになりたいボーイと出会ったヤツすべて殺しちゃうガール〜

神妙な顔して正義を語り戦ってもモテないんだってソーこと雷神さまは気づいたんだと思う。

なんせこの世界じゃ、アイアンマンことトニー・スタークやスター・ロードことピーター(ソーはまだ会ってないけど)みたいなポジティブで面白いやつのほうが女にモテて人生が楽しそう。おそらく弟のロキだってあの顔つきは女をたぶらかしてるに違いないのだ。

一方、キャプテン・アメリカは頭堅いのと中身がジジイすぎて未だに童貞だし、学者で根が真面目でピュアすぎるハルクはスカヨハが好きだけど上手く想いが届かず最終的にはスネてジェット機で逃亡し行方知れずという奇行におよんだ。根暗なブルース・ウェインだって大事な女に手紙でフられている。

 

最初の頃は腕を組みながらアベンジャーズのやりとりを偉そうに眺め

「…は?別に?おれ冷静だけど」ってとんがってた雷神さまだったが、地球人とやりとりしているうちに1つの結論にたどり着いた。

 

「この世で一番モテるのは面白い男だ」

 

それまでは故郷で女の子たちが「面白い男の人が一番好き〜」とコンパで口にしてるのを見て「いやいや。大事なのは顔と髪の長さだろ」と思っていたの雷神さまはここ最近の戦いでようやく自分の考えが間違っていることに気がついたのである。

徐々にユーモアを取り入れていた雷神さまだったが、みんなの前でいきなりピエロになるのは恥ずかしい。だって憧れのやり○ン先輩・トニーがいるし「え?今までそんなんじゃなかったのに。どうしたん?」って半笑いでみんなから言われたら心はポッキリ折れてしまう。元の性格を知られている旧友が集う高校の同窓会で、大学デビューし垢抜けた自分の姿は見せずらい。

だから、久々の【マイティー・ソー単体映画】をやれると聞いて張り切りまくりなのだ!

 

ここだ!!!本当のおれさまデビュー!!!

 

過去2作とは比べ物にならないくらい、カラフルなチラシをひっさげて『マイティ・ソー バトルロイヤル』ここに降臨!

共演するアベンジャーズメンバーはハルクことバナー博士だけだから、イメチェンしてたっていじられることはない。

ということで、もうオープニングから今までの重苦しいソー映画は何処へ…?と思ってしまうくらいにハッチャケてボケまくりの雷神さまを拝むことができる。

チラシだけでなく作品内世界観も「あれ…?これガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと合流するのか?」って勘ぐってしまうくらいにスーパーカラフル!

今まで無理に地球の危機と結びつけていたが、今回は雷神まさの姉貴が故郷滅亡を企み、その危機を弟のロキとその他一味と共にどう乗り越えるか?という銀河最大の兄弟喧嘩!

また、この姉貴ヘラが、出会ったヤツら一人残らず全員ぶち殺す最強悪女っぷり。かっこええ!

早めの段階で湿っぽいやりとりはとっとと済ませ、残りはひっちゃかめっちゃかで楽しいアクション。

雷神さまも重めの髪もさっぱり散髪、今まで醸し出していたむさ苦しさも吹き飛びジョークをたくさん飛ばします。

1つのシリーズがこんなにもイメチェンするとは…。

しかしねぇ……前まで雷神さまのヒロイン役であったナタリー・ポートマンが出てこないってのはどういうことなんだ!!

おい!雷野郎!!お前はなんのためにモテようとしてるんだ!!

今まで真面目すぎる生き方をしてきたソーはこの年でようやく箍が外れて人生を楽しもうとしているが、身近な大事な存在【ナタリー・ポートマン】の事をおろそかにしている…。それどころか他の女と戦いを通じて気持ちが合っちゃったりして…。そもそも自分のことをたくさん愛してくれる人なんてなかなか出会えない上にそれがナタポーだぞ…!?

青春が遅れてきたマイティー・ソー。今後の動向が心配である。

 

 

新作映画『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』感想文 〜ペニワイ助成金を設けないとピエロは絶滅してしまう〜

名前を知っただけで呪い殺される『バイバイマン』っていう映画がありましたけど、今回はそれに匹敵する「それが見えたら終わり」でございます。

実在の事件にインスパイアされた【子供達を襲う神出鬼没のピエロに立ち向かういじめられっ子軍団】を映画いたスティーブン・キングの長編小説『IT』2度目の実写化!

前作のティム・カリーが演じるピエロ ペニー・ワイズは「子供を楽しませますよ〜」感があってけど、今回は最初から嫌なことしかしてこなさそうなこの顔面力。

嫌な顔。

もはやピエロではないよ!あんた楽しいことしてくれないだろ!

顔の好き嫌いは別としても、テレビ映画だった1990年の前作と違ってPG-12というレイティングを設けての今回の『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』ではしっかりショッキングな描写があって、子供たちにとってまじでトラウマ映画間違いなし。

今回、大変な働き者です。ペニー・ワイズさん。

主人公となるいじめられっ子集団7名それぞれが一番怖がることをちゃん〜とリサーチしてわざわざその子のところへ行って脅かしてくれるんですね。

ペニーさんによる幻想恐怖と人種差別、学校でのいじめ、持病、親からの性的虐待などの実際の生活面での恐怖と板ばみにされる彼らの反転攻勢は誰もが勇気づけられる素晴らしいプロット。

それにしたって、ピエロ業界の人たちは大変ですよ。

27年前にピエロ自体がトラウマになってしまうようなテレビでやられて、そのあとしばらくないから「ピエロ業界は安泰だ〜」と思ってたら、今年本作が異例の大ヒット。おまけに第2章もやるってなもんだから失業者が溢れかえっちゃいますよ。これ。誰もピエロを呼ばなくなっちゃう。【ペニワイ助成金】ていう制度を作ってピエロを生業としている人たちに経済的な援助をしないとピエロは廃業しちゃうんじゃないかな?それくらいパワフルでインパクトのある映画です!これは。

それにしてもペニー・ワイズってなんか卑猥に聞こえますね。

 

新作映画『女神の見えざる手』感想文 〜大門未知子ならぬエリザベス・スローン降臨!「私、失敗しないので」〜

シャーリーズ・セロン姉さんが銃をぶっ放すスパイ映画『アトミック・ブロンド』と同日にアメリカの銃規制に関する本作『女神の見えざる手』が公開。

銃規制がなかなか進まないアメリカを舞台に政治家を選挙で勝たせる戦略家【ロビイスト】が主人公のシリアスなヒューマンドラマ……かと思いきや!ノンノンノン!

 

【女性版 ミッションインポッシブル】だった!

 

 

主人公の本心が台詞では一切語られない点やまるでファッションショーのように各シーンで変わる主人公の衣装、自立した強き女性が男社会の中で騙し騙されるプロット、尋問から回想していく物語の構成などなど…実は『アトミック・ブロンド』と共通点が多い本作。

本編では主人公の天才ロビイストに対して「007」という比喩が使われていたが、チームでミッションに挑むプロセスやラストの痛快さは、まさにMIシリーズ!

そのチームを牽引するジェシカ・チャステイン演じる主人公はトム・クルーズであり、日本で言うところの「私、失敗しないので」でおなじみ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』の米倉涼子だ!

もし勝手に邦題をつけていいなら『ロビイストX 〜戦略家 ミス・スローン〜』にする!

どんな事態に陥っても姿勢を一切崩さず勝つことだけを考えてひたすら進む彼女の生き様がかっちょええ反面その代償をちゃっかり描いてる渋さもたまりません。

大丈夫?眠れないの?!!寝なくていいの!??そんなに無理して大丈夫なの!?という観客の心配をよそにして、男どもを言葉攻めで蹴散らすジェシカ姉さん!

姉御!一生ついていきます!!

 

新作映画『アトミック・ブロンド』感想文 〜セロン姉さん!一生ついていきます!〜

世界でもっとも有名なスパイ 007ことジェームズ・ボンドは血を流さない。(ダニエル・クレイグの『カジノ・ロワイヤル』は別)

「女007が誕生」とフライヤーに書いてはあるけど、今回のシャーリーズ・セロン姉さんは怪我しまくり流血しまくりで007のようなスタイリッシュな戦闘はなく泥臭いアクションのオンパレード!

一発の打撃じゃ効かないから何発も殴るし、『イコライザー』のデンゼル・ワシントン並にその辺に転がってるものはホースだろうと冷蔵庫の蓋だろうと何でもかんでも武器にして男どもを蹴散らし、金玉を蹴り上げる!

映画観てると、人物の関係図が複雑すぎて誰がどっちの味方で誰が敵なのか訳わかんなくなって、しまいにはどうでもいいや!知ったこっちゃねーし!と思ってしまうんだけど、セロン姉さん!あんたのことは見捨てられないよ!

 

だって、痛そうだよ!!!辛そうだよ!!!過去になにがあったんだい!!?

 

そんな投げかけにさえも「黙りんさい!あたいが男どもをブチのめすところを黙って見ときな!」と啖呵を切って暴れまくるセロン姉様。

マッドマックスの時もそうだったけど、台詞なんかなくったってセロン姉さんの叫びから痛み、苦しみ、怒りを感じることができちゃって、その叫びを目にして男泣きしてしまいました。

すごいよ、姉さん。

姉御!!!一生ついていきます!