新作映画『スプリット』感想文 〜誰も観たがってない【ハゲ対ハゲ】の超人対決〜

「おい!シックス・センスのオチ言うなよ!」

M・ナイト・シャマラン監督の代表作『シックス・センス』のオチをバラされてキレる人、もしくはその光景にツッコミを入れる人間を何度も見てきました。

個人的な感覚だけど、作品の【オチ】に重点を置く映画はこの1999年『シックス・センス』のどんでん返し以降のように思えます。また「衝撃のラスト○○分を見逃すな!」「あなたはこの結末を予測できるか」といった宣伝文句も本作以降、急激に増加。

観客はどんでん返し映画を見るたびに「自分だけがこの結末を目撃した!」という優越感に浸ることができる。鑑賞後は未鑑賞の相手に「あそこがあれでさ〜」とニヤけながら自慢ができるし、同じ作品を観た相手になら一緒に「秘密」を共感できる。そんな現象を生み出したのも良くも悪くもM・ナイト・シャラマンの大きな功績と言えますよね。

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筆者も当時『シックス・センス』に衝撃を受けた1人。

もちろん当時は「オチがやばい」なんて宣伝はなく、ただのホラー映画だと思ったので衝撃のラストにひっくり返った。

ただし、世が思う【どんでん返し】とシャマラン作品はちょっと違います。では、どんな裏切りなのか…?

 

※以下、シャマラン作品の結末に軽く触れるので未見の方は逃げて!

 

 

 

 

簡単に言えば、どの作品もファンタジー自体を覆す事は絶対にしないんです。幽霊や宇宙人などの存在自体をどんでん返しのオチにはしない。

なぜ幽霊が見えるのか。なぜ無敵なにか。に対するアンサーはない。超越的な現象自体は存在し、そこじゃないところで裏切ってくるんですね。

1つ前の作品である『ヴィジット』だって不気味な老夫婦が最高だったんですけど、彼らの行動に秘密はない。なぜこういう行動を取るのか?というところに注目していると、うかつにも違うところからカウンターパンチを食らって「オチ読めなかった〜」となる訳です。

だから、見方によっては非常にチープで子供っぽく見えてしまうところではあるんですが、筆者がシャマランを憎めないのはそういう子供っぽいところがあるから!爆裂ロマンチストなんですよね!

 

 

で、今回の『スプリット』

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ジェームズ・マカヴォイは23の人格(実際に登場する人格は数名なので肩透かしではあるけど!)を持つ解離性同一性障害の男。ある日、3名の女子高生を誘拐し監禁。

【23の人格】vs【女子高生】というあがる宣伝なんですが、シャマランの悪いところが発揮されなんともキレもテンポも悪い展開が続くきます。

ここで対峙する主人公の女子高生。

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VSの構図だったはずが、彼女はマカヴォイと同じ過去に虐待のトラウマを抱えている事実が徐々にわかっていき…

この【トラウマ】を常にシャラマンは重要視します。心的外傷を抱え、それによって世間からはみ出す人物。さらに、そういった人間は本当は強いというメッセージを常に込める監督です。

 

 

※以下、完全なるネタバレになります。

 

先述した通り、もちろんマカヴォイの多重人格の症状は本物で、24人目となるビーストと呼ばれる人格も登場。(人格というよりも、本人の見た目やポテンシャルさえ変態させるモンスターな訳ですが…)

で、その上で何を言いたかったかというと

 

 

「この世に超人は存在する」

 

 

という事なのです。笑

 

それを証明する決定的なラストカット。

 

解離性同一性障害が高校生を監禁したというニュースが流れるとある店内。

客が噂します。

「そういえば、前にも車イスに乗ったこういうクレイジーな犯罪者いたわよね…。誰だったかしら?」

 

「ミスター・グラスだよ」

 

そう答えたのは

 

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2000年にシャマランが世にはなった作品『アンブレイカブル』の無敵男!

この映画では、自分の病気とアメコミの読みすぎで超人を信じるようになった男・イライジャ(ミスター・グラス)と列車事故で無傷のまま生還した無敵男の物語です。

 

彼の胸元には名札が。

ダン。

 

 

誰だよ!!!

このネタ、誰がわかるんだよ!!!笑

 

 

実際、劇場のあかりがついた時、観客はポカーンでした。

あまりにも不親切なオチでニヤニヤしてたら、後ろのおっさんもニヤニヤ。

3秒間目が合って「あいつ出たな。アンブレイカブルのあいつだよな」というキモいコミュニケーションを交わしてしまいました。

 

映画が終わった後にもテロップが…

 

「急告!」

 

「『スプリット』と『アンブレイカブル』の世界がぶつかり合う。」

 

 

いやいや!ちょっと、おいおい!

たしかに、アベンジャーズとかユニバーサルモンスターとか「同一の世界観」で成立させる映画シリーズ流行っているけどさ!誰も知らない自分の過去作とコラボさせるなよ!笑笑

 

続編公開は2019年1月を狙っているらしいです。

 

これは面白い!笑笑

 

誰も観たがってない【ハゲ対ハゲ】の超人対決が観れるわけですよ!

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ていうかもうこれ現役プロフェッサーXとの対決じゃん。笑

 

しかも、ミスター・グラスもカムバックする予定だとか……

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みなさん!

「オチのための映画作りやがって」とディスられてきたシャマランがとんでもない領域に足を踏み入れてますよ!

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