新作映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』感想文② 〜本当の主人公は一体だれなのか?〜

絶対に失敗するという揶揄を覆したアメコミヒーロー映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

3年経ち、続編となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が公開された。

具体的な感想は下記の記事を観ていただきたい。

新作映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』感想文 〜優秀な遺伝子?エリート?そんなもんクソ喰らえ‼︎〜

 

↑ 前回のコラムで詳しく書けなかったことをここで記そうと思い、追記をさせていただく。

ネタバレ無しでの表現は難しいので、結末に触れてしまうことをご了承願いたい。

未鑑賞の方はそっとこのページを閉じて、今すぐ劇場へ…。

 

さて、前作vol.1ではバラバラだった5名が【仲間に成る】過程を描いていたが、本作vol.2では【家族に成る】物語だった。

厳密に言えば、すでに家族だったが主人公ピーター・クイル(クリス・プラット)が本当の家族とは何なのかを自覚する物語だ。

ベビー・グルートがその名の通りこの家族の【赤子】であることをOPでさっそく示唆し、ガモーラもドラッグスにも「私たちは家族」的はセリフを放ち、ピーターは実の父エゴと今の家族の間で葛藤しラストには育ての親・ヨンドゥが本物の父であると自覚する。ガモーラは目の敵にされていた義理の妹ネビュラの「お姉ちゃんが欲しかった」という本音を耳にし、ドラッグスは娘や妻を想いながらも、マンティスという新たなパートナー?と出会う。

そんなアットホームであったかい主人公たちに対して、今回登場するの2つの敵は「優秀な遺伝子だけを大切にするエリート主義の塊」という共通点がるのも興味深い。

つまり、この映画はどこを取っても【家族】というテーマが顔を出す。

しかし、ジェームズ・ガン監督という作家は幸せというものをありきたりな表面的なあたかさだけで描いたりはしない。1つの幸せを手に入れる時に伴う痛みや苦しみ切なさまでも映し出す。また、誰かが成長したり悟ったりする中で【取り残された人間】を必ず描いてくれる。

ジェームズ・ガン映画にホロっとさせられるのはこういった作家性ゆえというのも1つの理由になると思う。

では、本作でそれが当てはまるのは一体誰なんだろうか?

 

 

 

それは改造されたアライグマ・ロケットだ。

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科学者に改造されたという彼の生い立ちは悲しく謎めいていて、出生の秘密はハッキリとはわからない。

皆、普段から冗談を言い合い、喧嘩をしながらも大事な時には本音を言える中で悪態ばかりつく彼は一歩遅れているかまってちゃんと言っていい。

ピーターが実の父エゴと対面し、惑星に帰るとなった時にロケットは急変して「いいオヤジだといいな」と皮肉を言いすねている。しかし、いつもの余裕たっぷりの皮肉ではないことは表情を見ればわかる。

 

ヨンドゥからは

「おまえはイキがってるが、一番の臆病者だ。だから、わざと電池を盗んだ。優してくれる仲間を突き放すのはお前の心に空いた穴を隠したいからだ」

と図星を突かれ同様しまくる。さらにヨンドゥから

「他のやつを騙せてもおれにはわかる。なぜなら、お前は俺だからだ!

 

 

ドキーーーー!!!

 

 

2人は共鳴する。

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クライマックスのエゴの星では、ヨンドゥが自分の命と引き換えに息子ピーターを救う決心をした時にも最後に言葉を交わしたのはロケットだ。

息子を救う決意をした父をその場に残し、ロケットはみんながいる船に戻る。

 

ガモーラ「ピーターは?」

ロケット「……」

ガモーラ「ダメよ。置いていけない」

 

そんなガモーラを後ろからショック銃で眠らせるロケット。

「仲間を失うのは1人で十分だ」

 

ドラッグス「ピーターはどうしたんだ!?」

 

皆がピーターが取り残されて死んでしまうと心配する。

ここで観客、ロケットが知っている真実と、ガモーラ、ドラッグスたちが心配している事でズレが発生する。

事実、死ぬのはヨンドゥだ。しかし、仲間たちはピーターを心配する。ヨンドゥのこれからやろうとしていることを知らないから。ヨンドゥの決意を受け止めたのはロケットだけ。

 

自分の本質を見抜き、理解してくれる仲間をいきなり失ってしまった悲しきアライグマのロケット。

ヨンドゥの意志を継いだのはロケットだった。その一方で、周りのみんなは過去、現在の家族とのケジメをつけた。

ピーターは本当の家族を手に入れ、ガモーラは妹のネビュラを愛し、ドラッグスは新しい出会いがあり、グルートは赤子として皆に迎え入れられた。そんな中で、ロケットは……?

そう。この映画のラストはロケットのクローズアップで終わる。

君はこれからどうするのか?

と問いかけられたように。

それは、決して冷たいショットではない。皆が一歩前へと進む中、取り残されてしまったロケットを心から労わる監督の愛を感じるあたたかいショットだった。

本作の陰の主人公はロケットだ。いや、厳密には次の作品へとつなぐ架け橋だ。取り残されたロケットを監督は救ってくれるはず。

新生ロケットに期待したい。けど、空気を読まない毒舌だけは残して欲しいな。

“新作映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』感想文② 〜本当の主人公は一体だれなのか?〜” への 2 件のフィードバック

  1. すごい考察、めちゃめちゃ納得しました。
    次のロケットがどうなるか楽しみ

    1. ありがとうございます。熱がありすぎて、とんでもない考察してしまってます…。外れたらお恥ずかしい。

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