新作映画『幸せのひとりぼっち』ネタバレ無しの感想文 〜笑って泣ける!生と死の攻防戦!〜

愛する妻に先立たれた頑固じじぃオーベ。サービス券の効かない花屋にブチギレ、犬を散歩させる隣人に「ションベンさせるな!」とブチギレ、車両通行禁止の道路を車で通行するワガママ顏の役所の人間にもブチギレる。

周囲からも孤立状態のオーベはある日、長年勤めた会社からも解雇を言い渡され、孤独の中で死を選ぼうとする。

「愛する妻 ソーニャ。今からそっちへ行くよ…」

部屋で首を吊ろうとするが、スーパーで買った万能ロープが重さに耐えれず切れてしまう。

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「どこが万能なんだっ!」

オーベは死ねない。怒りも収まらない。

そんな時、隣にパルバネー大一家が引っ越してくる。この家族は賑やかで騒がしいく、厄介ごとをすぐオーベに頼んでくる。オーベは死ぬタイミングを失ってしまう。最初は面倒だった厄介ごともなんだかだんだんと生き甲斐に変わっていき……

「ソーニャ。そっちへ行くのは遅れしまいそうだ」

 

LiLiCo姉さんが2016年のナンバーワンに決めた本作。温かくて、笑えて、泣けるそんな作品ではあったけれど、筆者はまた違ったところに惹かれました。

オーベは作中で何度も死のうとするんですが、その度にソーニャとの記憶が蘇る。回想が走馬灯になってるんですね。その回想シーンがあった後で自殺に失敗するオーベが映される。その失敗の原因は隣に越してきた賑やか大一家なわけです。さらに、死のうとしてるオーベが猫を飼い始めたり、車の運転を教えるハメになったり、子供の笑顔を好きになったりこの大一家がオーベの「生きる理由」をドンドン増やしていく。この対比がとっても面白かったんです。

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回想の中で、ソーニャはめちゃくちゃステキな女性なんです。凛としていて、力強くて、ユーモアも、大胆さも聡明さも兼ね備えてる。オーベとは真逆で、時間にルーズではありますが許せてしまうほどキュート。なんですけど、劇中では死神の存在なんです。オーベが死のうとすると、過去のソーニャとの思い出が蘇る。これは幻想です。それとは逆に賑やか大一家が生きる理由を増やしてくれる。その理由というのは面倒くさいものばかりなんですけど、これって深いですよね。孤独だと楽だけど死にたくなるオーベ。人と関わると面倒くさいことはあるけれど、生きる活力になっていく。

こう考えるとですね、死んだ奥さんソーニャは今のオーベにとってやっぱり死神ですよね。死へと誘う死神。そこから生へと引っ張り出すのが賑やか大一家のパルバネー。

この生と死の攻防が面白い。

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ソーニャの思い出はステキなんですけど、それと同時に怖い。賑やか大一家はめんどくせーけど、それが生きてる人間らしさを醸し出してる。生きるって面倒くさい事なんだと。

そして、子に恵まれなかったソーニャとオーべが用意していたある物がある人の手に渡る。古い世代が新しい世代へと引き継ぐ命のリレー。ここで主人公オーべの役割が1つ終わり、あのエンディングへと繋がっていく。生と死の攻防戦がありながらも、笑って泣けるとっても深く温かい映画です!ぜひ!

 

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