新作映画『ドント・ブリーズ』ネタバレ無し感想文 〜年末年始に寿命を縮めよう!〜

「息を止めておけ」

オードリー・ヘップバーンが可愛いだけじゃなく演技もすごいって事を世に示したサスペンス映画の傑作『暗くなるまで待って』にてヘップバーン演じる盲目婦人の家に侵入した悪党が放つ一言がこれ。「盲目」という相手のハンデに余裕をぶっこいていた悪党共をヘップバーンは知恵で立ち向かい蹴散らす!こんなにステキなヘップバーンに翻弄される悪党も本望でしょ!

でも……もし、このヘップバーンが退役軍人で性格をこじらせたクソジジイだったら……?

そんなもしもを実現させた映画『ドント・ブリーズ』が絶賛公開中。この年末年始に刺激を欲してる人に1番オススメしたい大傑作です!!!

 

製作指揮を務めるのは『死霊のはらわた』『スパイダーマン』のサム・ライミ。彼が引っ張ってきた若手フェデ・アルバレスがメガホンをとります。フェデ監督は前作のリメイク版『死霊のはらわた』で大コケしたものの今回しっかりカムバック!失敗しても若手をしっかり引き上げしかも、こんなに面白い映画を作ってくれるサム・ライミのに拍手喝さい!

本作『ドント・ブリーズ』は若者なら誰もが抱く「この土地から抜け出したい!」という願望を実現させるため、主人公たちはイラク戦争で盲目となったおじいちゃんの家へと夜中に侵入するが…というシンプルなストーリー。前半は予告編を観てれば予想のできる展開だが、後半からとんでもないことになる。

ネタバレはもちろんせずにどんな映画なのかを書きなぐってまいります。

 

 

じじいの呪い恐るべし!

もちろんホラーではないんだけど、サム・ライミ十八番である呪いとそのしつこさの面白さがむちゃくちゃ詰まってる作品。

一度その古い屋敷に入ると、もう簡単に出れない。家から出ちゃえば安全圏な訳ですよ。おじいちゃん目が見えないからね。ホームである家の中では最強なんです。けど、全然出れない。笑っちゃうくらい出れない。なぜかといえばじじいの能力と片っ端からの施錠。そして、何よりしつこい犬。犬が『ダイ・ハード』のブルース・ウィルスみたいになった時は「マジかよ…」って開いた口が塞がらなかった。

もうとにかくその家に足を踏み入れるともう出れない。これってもう呪いじゃん!!呪怨みたいなもんだよね。

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ちなみにこれアメリカ版のポスター。

完全に呪いの家系ホラー映画ですよね。そういったジャンルの映画と区別するために日本ではもう1個のバージョン使ったんだと思います。

接近してしまうスリルとこじらせたジジイの恐怖

こういったスリラー映画にはよくある音や音楽を使ってワッ!!!みたいなビックリ演出がほとんど無いが、すんごい怖い。

じゃあ、何が怖いってこれはもう設定で圧勝してるんだけど、ギンギンのじじいと接近してしまうスリル。この接近してしまうってのがポイントで、じじいは目が見えないから意図せず主人公たちと超接近しちゃうわけなんです。

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予告編にもある地下の真っ暗シーンが象徴的。このシーンすごい映画的。なぜかって、ジジイも主人公も見えてない。状況把握してるのこっちのお客さんのみな訳ですよ。「いやいや、そっちにそのまま進むとジジイいるよ!!!!!危ないよ!!!!」って。その瞬間見てるこっちまでドント・ブリーズ。もう息止まっちゃう。

そして、何よりこのジジイのこじらせ方がえげつない。イラク戦争のせいなのか、価値観がちょっとぶっ飛んでる。相手への制裁の仕方が……こりゃもうヤバイんですよ。

結末もすんげー後味悪い。この手の映画にありがちなバッドエンドとは一味違う。なんだ、この気持ち…この罪悪感はなんだよ…っていう希望とも絶望とも取れないラストは最高でした。

 

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恐怖を一周して笑えるサム・ライミ節!

そんなことを書きつつ、言い方難しいんですけど笑える映画でもある。この笑えるっていうのはコメディ的な意味ではなくて、悪い笑いです。「悪意あるな〜」っという笑い。恐怖がいきすぎて一周して笑える構図になっている。それがサム・ライミ節!

あの道具を冷蔵庫から出してきて、垂れてて、それはガン!ガフ!ってとことか。犬との対決シーン。なんだ、この構図!っていうところ。どんなに逃げたくても屋敷に戻されてしまうループなところももう明らかに狙ってる。

たぶん、サム・ライミの事を知らないで観ると、変な映画だなってビックリしちゃうと思います。なので、余裕のある方はぜひサム・ライミの作家性がわかりやすい『スペル』を観た上で映画館に行ってみてください!

 

なんかネタバレ防止したら、全然内容書けなかったけど、ほんとに傑作なので年末年始に寿命縮めたい方!刺激を求めて映画館行ってください!!!

新作映画『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』感想文 〜最高傑作誕生!おい!こいつらがいたからお前らは表彰されたんだぞ!!〜

病気なんです。

「STAR WARS」と書かれていれば何でもかんでも手に取り、おなじみの単語やキャラクターが出てくると我を忘れ無我夢中で食いつき、新しい予告編を観れば涙腺やられてしまう。そんな病気です。この病気を持った人は世の中にたくさんいて、人生を棒に振ってる被害者が多発しています。

1977年にこの病気の原因となる『スター・ウォーズ』(以下、SW)が公開されてから幾星霜…。シリーズは旧三部作、新三部作の6つ。SWの創始者であるジョージ・ルーカスが「SWはダース・ヴェイダーの物語。もうこれ以降に続編は無い」と明言し、もう終わりかとおもいきや、ディズニーがルーカス・フィルムを買い取ったことにより、まさかの新シリーズ始動!天下のディズニー様はSWをフランチャイズ化しようとしており、客が入る限りSWシリーズは続くと…。

もしかして、死ぬまでにSWは完結しないんじゃないか!?という危惧もされる中で、昨年末に公開されはじめたエピソード7にあたる『フォースの覚醒』を皮切りに新たな三部作が製作スタート!

そして、今年!SWのスピンオフとなる『ローグ・ワン/ スターウォーズ・ストーリー』が公開!

こんなことされてしまったら、もう病気で死んでしまいます。だから、期待してないわけでなくあくまで冷静にいようと。もういったん心と頭をまっさらにして冷静にSWを観よう!と。そう心に決めていましたが、公開が近ずくにつれ我慢ができなくなり…公開初日である12/16に日付が変わった瞬間の深夜3時に本作を鑑賞して参りました!!!

もうダメですね!脳がやられてます!止まりません!

周りからの「え?SWって去年やってたよね?」とか「スピンオフでしょ?観なくていいかな〜」という冷ややかな視線をかいくぐりTOHOシネマズ新宿へ!

 

先に結論から申し上げると……

 

最高傑作!!!

 

まだ一度しか見てないのであれですけど、SWシリーズの中で1位2位を争う上位に入りに入ります!!!

 

……この温度も病気のせいなんだろうか…SWっていうだけで冷静な判断ができてないんじゃないか…?!わかんないけど、とにかく書きなぐっていきます!なるべく冷静に!!!

今回は前半をネタバレ無し、後半をネタバレありで綴ってまいります。

 

 

解説とあらすじ(映画.comより引用)

「スター・ウォーズ」シリーズの「エピソード3 シスの復讐」と「エピソード4 新たなる希望」をつなぐ、これまで語られることのなかった物語を映画化。「エピソード4 新たなる希望」でレイア姫がR2-D2に託した帝国軍の最終兵器「デス・スター」の設計図は、いかにして反乱軍の手にもたらされたのかを明らかにする物語となり、一匹狼のヒロイン、ジン・アーソが、反乱軍の仲間とともに、帝国軍からデス・スターの設計図を奪う決死のミッションに挑む姿が描かれる。主人公ジン・アーソ役は「博士と彼女のセオリー」でアカデミー主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ。監督は2014年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズ。

 

○ネタバレ無し編○

前作『フォースの覚醒』をおさらい!

ディズニーが再始動したSWシリーズの1作目『フォースの覚醒』は今、思うとどうだったのかと言いますと…良くも悪くも「旧ファンへの過剰なサービスによって埋め尽くされた作品」だと総括してます。

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1977年から公開された旧三部作によって人生を狂わされたファンは1999年から公開された新三部作を異常に嫌っています。なぜなのか書き出すとキリがないので詳細ははしょりますが、過剰なCGや新たに加わった設定、ストーリーがファンが求めていたものとは違った。ルーカスはそのクレームを受け止めつつも自分のやりたいことを貫き2005年『エピソード3 シスの復讐』で新三部作を完結させます。

『フォースの覚醒』はそういったファンのクレームを思いっきり反省し、旧ファンが喜ぶような仕掛けを入れまくった。

一番大きいのはCGでの再現を極力避け、実写にこだわったこと。旧シリーズの4と5を踏襲したストーリーを組んだこと。

もちろん新しい試みもあり、それには興奮しましたが、全体的な印象としてファンが大好きなシリーズを最新技術でリブートした映画に見えてしまったということは否めません。

こんな偉そうなこと言いながらも劇場で二回くらい泣いてるけど!

 

嫌な予感は外れた!おめでとう!おれ!

今回の『ローグ・ワン』はエピソード4の直前までを描くいわばエピソード3.9!

その時点でまた前日譚か…と嫌な予感がしていました。なぜかってSW病を自覚している筆者からしてみれば元々あるシリーズの「ファンはこれを出せば喜ぶんでしょ〜?」的なモノのツギハギをしてくるんじゃないかと。予告編にある通りで、ダース・ヴェイダー出してデス・スター出せば面白くなるっしょ!?みたいな。作り手のナメたアプローチをされるんじゃないかと。病気の僕からしたらそんな作りでもバカみたいに喜んじゃうんですけど、SWを知らないお客さんから「SW」つまんねーって言われちゃうから!それだと!しかしですね…

その予想は嬉しくも外れました!!!

己のちっぽけな憶測よ!くたばれ!!!

もちろん時系列的にはファンが大好きな旧三部作の直前なので、知ってるメカやキャラは出てきます。けど、ちゃんと新しい!

じゃあ、具体的に何が新しく。そして、良かったのかを4点にまとめます。

 

①そもそも主要キャスト………誰だ!お前ら!

本作の主人公となる人物たち

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ファンへの過剰なサービスをちょっとディすっておいてあれですけど、本作の最初の情報として上記の写真が出た時にいや、誰だ!テメェら!!!とキレましたね。

十数年もSWファンをやってるとですね、新キャラが出る度に、朝起きたらリビングで全く知らない人が当たり前のように飯食ってるくらいの違和感と嫌悪感を抱くんです!勝手に入ってくんじゃねー!っていう。

ただこの「知らない」連中が反乱軍の勝利の鍵を握っているわけです。特にお気に入りなのが、ドニー・イェン演じる題目唱える座頭市!

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この人は盲目なんですけど、今は無きジェダイが駆使していたフォースを信じてる。

危機を迎える度に「フォースは我と共にある」と繰り返し祈ってるこの座頭市が最高なんです。SWってフォースという宗教的なパワーを通じて「目には見えないけどたしかにそこに存在するもの」また「それ」を信じる勇気をずっと描いてきた。ジェダイが滅んだこの時代に座頭市の役柄はかなり神秘性を帯びており、本作をSWと呼べる核となっている気がします。

 

②既存のキャラ、メカの新しい見せ方がちゃんとある

ファンが喜ぶキャラやメカや単語もまぁまぁ飛び交ってます。その扱い方が秀逸。

例えば、本作の要となる最強兵器デス・スター

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惑星をまるまる吹っ飛ばす威力を兼ね備えてるんですが、この兵器でやられる惑星側をしっかり描いてる。これがすんげー怖いんです。完全に核爆弾を連想させる描写で、「こりゃ…ぶっ壊さないとヤバい」という危機感を煽ってる。

そして、何よりダース・ヴェイダーが…これはネタバレあり編で綴ります。

 

③これがほんとのスター「ウォーズ」

戦争映画でした。

市内でいきなり銃撃戦が勃発し、一般人が巻き添えくらったり。戦車を連想させるメカが登場したり。旧三部作においての戦争ってちょっと生ぬるいところがあったんですけど、本作は反乱軍の武装の姿や進行する様が本格的な戦争になっている。タイトル通りまさに「ウォーズ」でした。

また、今までは正義の軍団として描かれがちだった反乱軍の闇も随所に見られる。極端に言えば、反乱軍が単なる正義ではなく、後ろめたいこともやってきたんだとそれをほのめかす描写がキチンとされていました。

 

④怒涛のクライマックスにより脳内パニック

こんな畳み掛けはSW史上今までなかったと思います。

正直、前半ダレるんですけど、後半の展開の良さが半端じゃない。設計図を盗み出す事は成功するとわかっているのに、幾つもの壁が立ちふさがりもう圧巻。1つのハードル超えたら次が用意されてるの連続で一気に引き込まれる。しかも、そのハードルの超え方が笑っちゃうくらいに強引なんです。

 

なにそれ!!UFOキャッチャー!??

っわ!ケーブル引っかかってるって!!!間に合わないよ!!!

やめとけって!!!!そんな無防備じゃ、そこ通れないって!!!

え!!???それをあれにそのまま体当たりさせるの!??うそでしょ!!???

まだ終わりじゃないの!??お前が出てくるの??!!!怖いよ!!!

いや、最後……!!!!笑っちゃうよ!!!!

 

とこっちが圧倒されて最後は大爆笑している間に一気にフィニッシュ!!!

こんな駆け抜ける映画は久々でした。

 

もうこの時点でページを閉じて映画館へ行ってくれ!興奮を味わってきてくれ!

 

 

 

○ネタバレあり編○

 

正直、あんまりしたくないんですがどうしても触れておきたいところだけ!

 

史上一番、恐ろしいヴェイダー卿の名場面

もともと煽られていた通りみんな大好きダース・ヴェイダーが登場いたしました。

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でもね、最初の登場シーン。

仕事に失敗した部下を口うるさく叱るムカつく上司のよう。なんだかよく喋るんですよ。うるせーんですよ、ここの説教が!

こんなパワハラ上司みたいなヴェイダー嫌だよ!!こんなんじゃないよ!思ってたのは!

 

でね、そのあと叱られた部下がね

「私はこのまま仕事させてもらえるんでしょうか?」って不安そうに聞くとヴェイダー卿のいつものあれですよ。十八番の技。フォースで首絞め!

部下が「くは…くは…」って息ができなくなって苦しそうに膝をつく。そこでヴェイダー卿が一言「途中で息がきれないようにしないとね……」

 

いや、うまいこと言ってんじゃないよ!!

絶対マスクの下でニヤっとドヤ顔しただろ!!そんな漫談のオチみたいなの聞きに映画館に来たんじゃないよ!!!!

 

心底、落胆しました。こんなんじゃないと。

しかし、そんなツッコミが出来なくなるくらいラストにとんでもなく残忍なヴェイダーが登場します。

正直、ダース・ヴェイダーを見てこんなに恐怖を感じて事はないです。

やっとのこと設計図を手に入れ反乱軍の母船へ転送!主人公たちは星に取り残される中で、役名さえないであろう反乱軍の下っ端が設計図を受け取ります。よし!これを持って逃げるぞ!と思いきや、ハッチが開かない!数名取り残された兵士たち…そこでバッと照明が落ち真っ暗に。すると扉から、不気味な呼吸音が。

しゅこー…しゅこー…しゅこー…。

兵士たちの間で緊張が走ります。次の瞬間!ブーーーーン!!暗闇の中で真っ赤なライトセーバーが輝きヴェイダー卿が姿を表し、密閉された空間で皆殺し!!!ぎゃーーーーーーー!!!ここめちゃくちゃ怖いんです!セーバーで斬るわ、斬るわ!フォースで吹っ飛ばすわ!設計図をもった名もなき兵士が「助けて!助けて!」とドアの隙間から叫びまくり。これもうジェイソンですよ。ホラー映画。これだけでも観る価値あります。

 

設計図は転送できる……

本作の主人公たち…既存のキャラがいないことから推測できるんですが、おそらく全員死ぬだろうと。でも映画を見はじめて完全に愛してしまっているキャラ達なので死なないでほしいのが本音。少なくとも数名は生き残ってほしいという希望は途中のある台詞で完全に死滅してしまいました。

「設計図を早く味方に転送しなくては…!」

て、転送???

で、できるの???

つまり、これは死亡フラグな訳です。設計図自体を送り届ける必要がない訳ですからね。

そうです。死にます。全員。

SWシリーズでこんなに主要キャラが死ぬ作品は他に無い。次々と切なく死んでいくみんなを涙なしでは直視できない。しかも、こいつらは味方の反乱軍からも疑われていた奴らなんです。こいつらの自己犠牲がなければあの1977年『スター・ウォーズ」での勝利はなかった…それを考えたら胸が押しつぶされそうで…デス・スターを破壊したと表彰されていたルークやハン・ソロに憎しみまで生まれてしまいます!

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おい!!!お前らなに表彰されてんだよ!!!

誰の犠牲でお前らの栄光が輝いてるのかわかってるのか!?ヘラヘラしてメダルを首から下げてもらってんじゃね−よ!!!

 

当時はあんなに良いシーンだったのに、ローグ・ワンを知ってしまったらもう冷静には観れませんよ!!

 

最後のあいつの登場で笑ってしまう

最後、レイヤ姫が完全CGで登場します。

正直、笑います。よろしく。

 

○言いたいことはあるけども!○

よく無いところが0な訳じゃありません。

まず、前半がキツイです。ちょっと話の展開がよくわかんない。知らん名前、知らん土地、知らん惑星がポンポン出てくるっていうのもあるんですけど、あれ?こいつらは今、なにをしようとしてるんだ??っていう。話がどこに向かってるのかがわかりずらい。たぶんもっかい観てもよくわかんないです。後半で一気に畳み掛けてくるので、そこは最高なんですけど、前半をもっと整理して欲しかったです。

主人公のジンをみんなが無条件に信じ始めてしまうのもよくわかんないですね。なんか雰囲気で団結しちゃってる。こういうならず者を集めましたっていう活劇ってそこが難しくもあり、大事。ジンが説得力を持つロジックを丁寧にやってほしかった。

あと、データを転送できるって無しにしたほうが良かったんじゃないでしょうか。それ可能にしちゃうとEP4の反乱軍が必死に設計図を持って逃げるのがよくわかんないんです。どっかで転送しちゃえばいいんじゃないか?って。77年のアナログ的な考えがあるのに、本作でWi-Fi的な概念が出てきちゃってるからちょっと噛み合ってないんですよね。設計図は現物しか存在しないっていう設定の方が価値がでます。

 

 

こんな感じでどうですか!?

割と冷静でしょ!??ねぇ!!!

いろいろ書きましたけど、今までにないSWを見せてくれてるし、旧ファンへのサービスも程よい。新たな傑作と言って過言ではないんじゃないでしょうか!?

もっかい観てきます!

 

久々に長々と失礼しました。

 

新作ホラー映画『ブレア・ウィッチ』ネタバレありの感想文 〜17年経っての正統続編!〜

公開から17年経って続編が出るホラー映画なんて珍しい。

 

1999年に公開された『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』

魔女伝説を追い求めある森に侵入した若者集団全員が行方不明に。後日その森から彼らのものと思われるビデオカメラが発見され中には驚愕と恐怖の映像が残されていた。そのビデオの映像を編集した映画……という偽装ドキュメント。いわゆるモキュメンタリー映画として大ヒットを記録したのが本作です。

はい?何だっけそれ?

というそこのあなた。このフライヤーでピンとくるはず。

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これだ!!

『最凶絶叫計画』というパロディー映画でやってたでしょ!なんか鼻水がすごい出ちゃうみたいなの!

僕はその印象が強いんですけど、とにかくまずこのビジュアルが強烈にインパクトありますよね〜。このビジュアルについても後で触れていきます。

この作品は低予算ながらに制作されたモキュメンタリーっていうのも特徴なんですけど、当時は主流じゃなかったPOV形式で制作された画期的な映画でした。POVと言いますのは、主観ショットとも呼ばれていまして、本作以降のわかりやすい作品で例えると『グローバー・フィールド HAKAISHA』『パラノーマル・アクティビティー』『クロニクル』『ヴィジット』などがあります。

実際に我々が使っているようなビデオカメラやスマホの映像視点で構築されている。まるで現実かのように映せて自分があたかもその場にいるような擬似体験の要素を強める働きがPOVにはあります。ピントはボケるし、手元はぶれてるし、音は割れるしという臨場感溢れまくる。その効果って、低予算で可能という理由も相まってホラーと相性バッチリなんですよね。

99年の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』はこのPOVを確立させた作品でもあります。

 

そんな前作から17年経ち…その森で行方不明になった姉貴を探し出すために弟が立ち上がり、再びあの森へ足を踏み込む……というのが、続編にあたる『ブレア・ウィッチ』でございます。

 

ということで、書き殴ってまいります。まずはむちゃくそ怖い予告編からどうぞ。

 

オイ、弟よ!17年も経って姉貴が生きてるわけなかろう!!!

てか、そもそも君は今まで何をしてたんだよ!!!

 

主人公にこう言ってやりたい気持ちはいったん押さえましょう。

 

①POV効果について 〜「怖いもの見たさ」の具現化〜

こんな怖い思いしてまで何で最後までビデオカメラ持ってんだよ!ってPOV観てると毎回、思っちゃうんです。POV形式のホラー映画ではたいていそうなんですけど、死ぬほど怖い思いして泣き叫びながら主人公は逃げてるのにカメラは捨てない。ちゃ〜んと撮ってる。「そのプロ根性は一体どこから出てくるんだ!?」と毎回、プロの戦場カメラマンでもない主人公に対して筆者は気になってしまうんですけど、そんなこと言うのはね、野暮であります!!!笑

でも、ちゃんと理由があって、そもそもPOVって、怖いものを見たがるという人間が持つ本能、習性の具現化だと思うんです。

街中での喧嘩や火事とかが起きるとなんだか見たくなっちゃいますよね?野次馬根性です。これはどんな人間でも一緒です。そもそもホラー映画を観ること自体が「怖いもの見たさ」によるものじゃないですか。怖いとわかってるのに、観たくなる。人は非現実的なことを追い求めていて、自分に刺激を与えて精神のバランスを保ってると思うんです。変な生き物ですよね。

POV映画ってこういった人間の本能の具現化であり、メタファーなんだと思うんです。だから、危機的状況になってもカメラ回してる主人公たちを我々は鼻で笑いながらも「映しててくれ」って思ってしまう。

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②アダム監督による「隣人の恐怖」演出炸裂!

本作の監督は筆者の大好きなアダム・ヴィンガード!どんな監督なのかは過去の記事を観ていただけると嬉しいです。

ハリウッド版『デスノート』監督⁉︎ アダム・ヴィンガード

このアダムちゃんはですね、執拗に「隣人の恐怖」をずーーーーっと描いてる。過去に絶っ対、裏切られたトラウマあっただろ!っていうくらい。それが作家性になってるわけなんですが。

隣に住む人、恋人や家族の本当の姿をあなたは知っていますか!?というとんでもなく恐ろしい問いかけをしてくる監督です。

どの作品を観ても「隣人の恐怖」が主題にあって、それをあらゆる角度から描いています。

そんな作家性が本作で炸裂していました。主人公を中心とする若者軍団に介入してくる男女2名。もともとこのカップルが森の近くで発見したテープが元で姉を捜索することになるわけなんですが…彼らとのキャンプ中での疑心暗鬼!これまた、カップルが余計なことするんですよ〜。森にいる「それ」の恐怖に拍車をかけてきます。

これはネタバレになってしまうんですが、本作の「それ」は自分の大切な人に化けて襲ってきます。どんなに逃げようとも愛する人の声で話しかけてくる。これが彼らの命取りになるんです。このカラクリは「愛する人への信頼」を逆手に取ったものになっていますよね。これもまたアダム監督の作家性と重なります。

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③映像技術の進歩による恐怖のバリエーション増加!

1999年の1作目は家庭用のビデオカメラ1本での勝負でした。DVテープを使用したアナログ。今ではデジタル化と同時にカメラの小型化、多様化が爆進しそれが本作を盛り上げてくれている。

ドローン。暗視カメラ。それと連動しリモコンの役割を果たしているタブレット。これらのガジェットがPOVの領域を広げてくれています。

何より耳元につけている小型カメラ!これによって人の目線とほぼ同じのアングルが可能になり、ホントに主観映像になってくれています。①で述べた「なんでこんな時にカメラ持ってんだよ!」というツッコミは入れられなくなる。常に耳のカメラついてるから。これは画期的でした。

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④真相はわからない。

モキュメンタリーなので、従来の映画のようなわかりやすい物語ではないんです。謎はあるけど、謎は解かない。というより、解けない状況に追い込まれている。結論が提示されないんです。誰の呪いだとか生贄だとか結局わからずじまい。「それ」の謎は前作同様で謎のまま。これが不服と思う人もいると思いますが、主人公たちは最悪の状況に陥り、原因究明ができるほど冷静じゃいられなくなってるから謎解くのは無理!まぁ、それくらいパニクってもらわないと、POVによる臨場感の意味がなくなってしまうので、真相不明は仕方ありません!

 

じゃあ、この映画。何が怖いのか?

 

音やビジュアル的な恐怖の煽りでびびるんですけど、ブレアシリーズで怖いのは人間の「顔」なんです。

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「それ」を目の当たりにし恐怖におののく「顔」が強烈に恐ろしい。僕らは直接的でなく間接的に恐怖を感じてる。

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そういう作品だからこそ、一作目のフライヤーはその「顔」なんだと思うんです。どんなに怖い幽霊がドーンとチラシになるよりも怖いんですよね。ここまで恐怖を感じる表情って…いったい何を観てしまったんだろうこの人達は…と。無駄に想像だけが先走ってより恐ろしくなる。

ああ、もう書いてるだけで、鳥肌モノです。

 

筆者が観たとき、映画館の暗闇と本作の森の闇が完全に溶け込んで一体化してました。とてつもなくデカイ森の中にいると錯覚してしまう。それに加えてPOVだから…もうパニック!パニック!よそ見ができません!何かいるんじゃないかと思ってしまう。ぜひぜひ映画館へ!

 

低いところから失礼しました。

新作映画『湯を沸かすほどの熱い愛』ネタバレ無し感想文 〜圧倒的な宮沢りえパワー!ベタな設定だけどしっかり歪〜

映画を観てるお客さんの泣く様子を入れ込んでるTVスポットは嫌いです。

「余命がわずかとわかった主人公の物語」と謳ってる映画はたいていそんな感じの予告なことが多いですよね。実際その映画を観てたいして感動しなかった時の苛立ちといったらない。別に泣ける映画自体を否定してるわけじゃないんですが、「人が死ぬ」ということを悪用して客の涙を誘うなんていう商売はゲスだと思います。泣かせるために人物を殺す。いけすかないっすよね。死を道具にしてる。

だから、本作に関しても事前の宣伝を観る限り全く観る気はございませんでした。宣伝を見てて嫌な予感しかしない。

とは言いつつも、本作『湯を沸かすほどの熱い愛』が公開されるやいなや評判がとんでもなく良い!!!特にお笑い芸人からの絶賛がえげつない。芸人ってズレてたり、斜めから物事を観る変な人が多いから芸人の絶賛は当たりやすい気が勝手にしてます。てことで、本作を観に行きましたので、書き殴って参ります。

解説と概要

宮沢りえの「紙の月」以来となる映画主演作で、自主映画「チチを撮りに」で注目された中野量太監督の商業映画デビュー作。持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。会う人すべてを包みこむ優しさと強さを持つ双葉役を宮沢が、娘の安澄役を杉咲花が演じる。失踪した夫役のオダギリジョーのほか、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎らが脇を固める。(映画.com)

 

①泣ける!そして、笑える映画!

本作の冒頭で宮沢りえが演じる母・双葉が経営する銭湯 幸の湯に張り紙が…

「湯気のように主人が蒸発したので、しばらく休業いたします」

なんとユーモラスなオープニング!この時点でぷぷっと笑ってしまうし、主人公がどんな人間か一発でわかります。そして、この映画がどんな映画か宣言してる象徴的なカットだと思います。泣ける泣けると聞いていましたが、笑えるん!中でも犬の置物事件やラストのお経は1人で爆笑してしまいました。

このユーモアが実は重要な鍵になっています。

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②冷める演出を成立させる監督のセンス

使いまわされまくって手垢がついてしまっている余命モノ。本作が他作との違いに役立っているのが上記の「ユーモア」と「ストレートな熱さ」のバランスだと思います。特に感じたのがピラミッドの場面。これ一歩間違えたら観てるこっちが恥ずかしくなるくらいクサくなる場面なんです。僕も観ててちょっとヒヤヒヤしましたが、ここでオダギリジョーさん演じるダメ夫がいいタイミングで情けない台詞をぽろっと吐く。おーーー!!あぶねーーー!!もうちょっと行きすぎてたら恥ずかしくなってたと思うギリのところなんです。で、この直後に主人公が切実な願いを1人で打ち明ける。ここで、ドバーーーッと涙が出てしまう。ここめっちゃうまいんです!主人公が本音を打ち明けたのはこの映画で後にも先にもココだけ。しかも、たった1人で誰にも伝えてない。

やり過ぎるとキツイ場面に程よいユーモアを加えて、観客を油断させたところでストレートな熱さをズドーン!!と。このカウンターパンチが秀逸でした。そういう箇所が多い。ベッタベタの設定なのに、観たことない場面が多いんです。

③歪な形をした映画

そうは言いつつも、思い切った演出も多い!特にラストはエーーーーって。ここで!?って思っちゃう。あそこで賛否が分かれるのもすごいわかります。法律的には完全にアウトでしょうし。ただ、そこの逸脱がアリに見えるから素晴らしい。中盤の水色下着の抗議や急なビンタ、人物の関係性の伏線など…観客が予想しない裏切りをしっかり入れてくる。そんなことしたら色々ひっくり返るよ⁉︎っていう突飛な裏切り。賭けに出てしっかり勝ってる。良い意味で勢いで何とかしちゃってるところがあって、結果的には歪なところがちゃんとある映画になってます。だから、記憶に残る強烈な仕上がりになっています。

まとめてしまうと、余命モノというベタな設定でありつつ観客を飽きさせないスリリングな作りになってるという工夫がナイスでした。

 

④主人公のパワーが映画を動かす 

圧倒的な宮沢りえパワーによって本作はかなりパワフルです。余命を宣告された人間がそんな行動に出るか?って疑問も出るんですけど、宮沢りえでアリに見えてるというこのパワー。彼女自身が人生で経験した離婚や子育てや母の死など…そういったバックボーンが活きてる気がします。言葉じゃ説明できない宮沢りえの母力が主人公・双葉に説得力をもたせてくれています。また、この映し方が秀逸。余命宣告を受けて、休業してる銭湯の浴槽でうずくまる場面。転がってるタマネギと引きのカット。本人が泣いてるところをクローズアップで映したりしない。過剰に映したりしてないんですね。だからこそ、そのあとに訪れる例のピラミッドのシーンで初めて吐露する願望が効いてくる!

本作は「死ぬ」というのはあくまで主人公のカセ。死で泣けるわけじゃない。病気でヨレヨレで死にそうで、そんなんで外歩くなよ!って突っ込みたくなるような母が何かを成し遂げようとしてたり、ベットに横たわる母に「死なないでよ!お母さん!お母さん!」と娘がすがるとかっていうシーンは全くない。

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⑤愛とその強さに涙

じゃあ何に感動するかって言えばタイトルにある通り「愛」と「その強さ」に感動する訳ですよね。娘の妹を迎える中で強まる愛。妹のか弱いけど芽生えた母への愛。ダメ夫の不器用ながらの愛。探偵の娘への愛。実母の愛。もちろん圧倒的なのが母の愛。この愛とその強さに涙する。ぐわーっと涙腺やられる。ちょっとネタバレになっちゃいますけど、双葉が死ぬ場面ないんです。

みんなの愛の様子をずっと描いてるんですけど、物語の中で双葉に成長や変化はしない。変化するのは双葉の周りの人間たち。双葉と関わることでみんなが影響を受けて、変化し成長し前を向いて生きていく。

双葉のキャラクターが映画の大きな牽引力になっています。この双葉のすごいところって簡単に抱きしめないところだと思います。辛くて崩れそうな娘たちを抱擁でなんとかしようとしない。ちゃんと向き合え!!!立ち向かえ!!!と立ち上がらせる。っていう星一徹みたいな母なんです!

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抱きしめるが簡単なはずなんです。ギュって。愛を「愛してるわよ」とかいう安易な言葉で伝えない。双葉の中にある確固たるやり方があるんでしょうね。

これ文句じゃなくて、リクエストでもあるんですけど、宮沢りえ主演で双葉を連ドラ化してほしい。いろんな人物が現れて、トラブルが舞い込む。双葉はそれをどう解決するかっていうのだけで……超観たい。こんなにも思っちゃうのは、双葉がちゃんと人間らしいからなんです。欠点がある。感情的になるとパッと手が出るしすぐ熱くなっちゃう。だからこそ愛おしい。

他の役者さんも良かったですね〜。杉咲花ちゃんは学校でいじめられてる役柄なんですけど、口元が上手。グッと我慢するところとか、言いたくないことだけど言わなきゃって時の言葉の出し方。先が恐ろしや。オダジョーもダメ夫っぷりが最高。双葉はなんでこんなやつと結婚したんだよ!って思っちゃうんですけど、この夫もまた憎めないんだなー。

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この映画、女性の映画なんですよね。ああ、もう男の時代じゃないんだな〜って感じます。

 

書いた通り歪で変なところあるんで、特にラストとかで拒否反応を示す人もいるかと思いますが、ストレートで熱い愛に溢れた映画なんでぜひごらんください。

 

低いところから失礼しました。