新作映画『ハドソン川の奇跡』感想文 〜愚行だと思われていた偉人の行動 サリー!疑ってごめん!〜

低いところから失礼します。ジャガモンド斉藤正伸です。

 

『ハドソン川の奇跡』(原題『Sully』)

 

 

 現役映画監督の中で最高年齢を誇るクリント・イーストウッド大先生!ちなみに我が国が誇る『男はつらいよ』の山田洋次大先生は85歳。イーストウッド大先生は1つ上の86歳でございます。そんな大先生が2009年にニューヨークで起きた旅客機着水事故を映画化なされました。

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 そんなありがたき映画を筆者は拝むような気持ちで某映画館のレイトショーへ。しかもIMAXシアター。本作はIMAXカメラで撮影したと聞いていたので、そんな迫力も堪能しようと半券片手にスキップしながら劇場へ。

 90分代という見やすい尺で大先生はどんなお仕事をなされたのかワクワクしながら、座席につきました。

 長すぎる予告編にいつもは飽きてしまいますが、大先生の前戯だと思えば何のその。へっちゃらでございます。予告編を観ながら、大先生の今までの作品の回想に耽っていました。

 そして、大きな画面にこんな表記が……

 

「3Dメガネをおかけください」

 

 は!????3D?もらってないよ!てか、そもそも3D作品じゃないよね……?

 

 すると、紫基調のIMAXのロゴが出現し、ジャレットレト版ジョーカーの高笑いが…「ハーッハハッハッハハ…ハッハ…ハ…ハ……」ウィル・スミス、エロいマーゴット・ロビーがどーんどーん!そして、タイトルロゴドーーーーン!!!『スーサイド・スクワッド』

 

 劇場、間違えたーーーーー!!!!

 と思いきや周りの観客も騒然とし始め、画面がプツリと真っ暗に。完全なる劇場側のミスで誤放映が起きたのです。スタッフさんがバタバタ駆け回り20分後にようやく役員の方が現れ謝罪。今から本編を放映し、終了予定は12時30分。もし終電など時間が厳しい方は名乗り出てください。ご返金いたしますとのこと。シーーーンと静まりかえる劇場内。まるで「ここから命の保証はない。帰りたいやつは帰れ」という鬼軍曹を前にした兵士達のようでした。そして筆者は………脱落!!!ごめんなさい!!!大先生!!!だって終電が無いんだもの!!!翌朝、早かったんだもの!!!

 その日以降、なかなか時間の作れなかった筆者はベッドまで共にしたのにやらしてくれない女と終電でバイバイしたような気持ちになりました。どんな気持ちかって?ムラムラが収まらなかったんだよ!!!

 そんなギンギン状態でようやく時間を作りクリント・イーストウッド大先生の『ハドソン川の奇跡』を観てまいりました!

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 結論からいうけど、良いに決まってるんだから行こうよ!!!

※ムラムラしててやっと抱けたからではありません。いたって冷静。

 

 主人公はトム・ハンクス演じるサリー機長。40年の勤務を誇るベテランのパイロット。妻子に恵まれ、酒・タバコ・ギャッブル・ドラッグとは一切無縁。ひたすら真面目に安全運転を成し遂げてきました。ある日、ニューヨークを飛び立ったサリー機長の飛行機エンジンに鳥の大群が激突。両エンジンが機能停止し、グライダー状態。つまり、もう落下していくことしかできない飛行機と化しました。管制塔からは別の空港へ降りろとの指示が。しかし、ベテラン・サリーは自身のカンによりハドソン川へ着水!川へ落ちれば生命の保証はされないと言われていましたが、なんと155名全員が無事故生還!英雄視されているのもつかの間……やらしい大人達が疑いだします。

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 みてよ!このハゲの顔〜!嫌な顔〜!やらしいわ〜!

 ハドソン川着水は成功したから良かったものの、それは大きな賭けでむしろ乗客の命を危険にさらしたんじゃないの??っていう。コピー通り「155人の命を救い、容疑者になった男」の話なんです。ハゲ達には立場と言い分があってですね…着水したってことは旅客機を1機無くしたってことですから。損害も大きいわけだし、保険会社としてもしっかりその辺をハッキリしてほしいと。また、コンピューター上の計算やシュミレーションだと、空港に着陸できたんだと。そう言ってるわけですよ。「そんなわけない!」とサリーと副機長のアーロン・エッカートは反論するんですけど、本編内の着水直前シーンを見てるとこっちは飛行機に関してはもちろん素人ですから、サリーの判断がよくわからないんです。何を見てハドソン川着水を決断したのか?って。むしろ副機長もめっちゃテンパっててマニュアル本とか見だすから頼れるのはサリーだけ。

 さらに、映画を観てるとサリーがすげージジイなんです。事故後には飛行機が墜落する幻覚や夢をよく見てる。そんなのを目にすると「あれ?サリー…大丈夫なの?」って。本当は間違ってたんじゃないかって気になってくる。ハゲたちが正しいんじゃないかって…。

 「結局、真相はわからない」みたいな終り方されて、サリー悪い説も残ったまま終局してしまったらどうしよう…。それこそまたムラムラしてしまうんじゃないか!?って。

 ところがどっこい。

 クライマックスで決定的にサリーの正しさを証明する場面があるんです!そのシーンの緊迫感と気持ちよさたるや……!!それと同時に…サリー!ごめん!疑って、本当にごめん!ってなります。テクノロジーに過信しているぼくらの気持ちをサリー機長がぶち壊してくれるんです。そういう意味でサリーはゴジラですよ。白髪のゴジラです。

 観客含めて愚行だと疑っていた偉人の行動の正しさが証明される。これって最高ですよね。てか、歴史はこんなことの繰り返しです。

 

 個人的には中盤で「ニューヨークでいいニュースっていうのは最近じゃ珍しい。特に飛行機関連ではね…」っていうセリフがあってグッときました。アメリカ国民の生の声感ですよね。

 無事に着水できるっていう結末はわかってるのに、着水直前の飛行機内の緊迫感は凄まじいです。なんでこんなに圧倒されるのか不思議なくらい。その時のトム・ハンクスの顔が良いんです。このシーンなぜかボロボロ涙が出ました。こんなに必死に命を救ったのに後には決して理解してくれない部外者から疑われるんだと。

 90分という短い尺ですが間違いなしの良作。ぜひ。

 

 低いところから失礼しました。

 

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