時代劇のススメ 〜若い世代の時代劇の楽しみ方〜

低いところから失礼します。ジャガモンド斉藤正伸です。

 

今日は一本の映画ではなく、1つのジャンルをパワープッシュさせてください。本日、書き殴るのは……

 

時代劇

時代劇(じだいげき)とは、日本の演劇や映画、テレビドラマ等で現代劇と大別されるジャンルとして主に明治維新以前の時代の日本を舞台とした作品の総称である。(by Wikipedia)

 

はじめに

 かつて洋画好きだった筆者は中学2年の時に寅さん映画に出会うことで邦画の間口が広がりました。寅さんに三船敏郎が出ていると、今まで観たことがなかった三船敏郎作品『用心棒』を鑑賞し「うわ!世界のミフネもすごいけど、黒澤明ってすげーんだ!」と物事わからないガキなりに面白さを痛感。

 寅さんに志村喬が出ているから、『生きる』と『七人の侍』を観てみると「このタラコ唇のおじちゃんすげぇ…」と圧倒され、笠智衆を知って小津安二郎の『東京物語』を鑑賞し困惑。「大人になってからもっかい観よう・・・」と。

 こんな風に数珠繋ぎ的に広がっていったんです。寅さんって国民的映画だから日本を代表する一流の役者さんしか出てない。女優という視点で言えば、寅さんに出れば国民的女優に認定!みたいな雰囲気があった。吉永小百合、樋口可南子、八千草薫、木の実ナナ、竹下景子、泉ピン子、岸本加世子、田中裕子、後藤久美子………現役で活躍なさってるするそうそうたるメンバーが出演してるんです。

 そんな邦画を見始めて魅了された1つのジャンルが時代劇です。

 なんで時代劇?そんなに面白い?

 面白い理由をブワーっと書きなぐります!

 

「存在するけど不確か」な世界観の充実

 さて、そもそも時代劇という設定について。映像の世界において時代劇は「存在するけど不確か」な最高の設定なのです!明治維新以降の時代って割と写真とか教科書で見るじゃないっすか?だから、想定ができるんです。けど、時代劇の背景って徳川が云々とか関ヶ原が…とか幕府がとかわかってるっちゃわかってるけど、実際にどういうことが起きていたのかはあんまりよくわかんない。不確かなんです。文章以外での記録がないから。この「不確か」がなにを意味するかっていうと…要はなんでも自由に出来るんです!!!

 時代劇なんだから、専門家の意見を取り入れて時代考証を厳密に…とか言うやつは首をはねましょう!うるせぇ!

 忠実に描くことも時には大切なんですけど、時代劇は「半分ノンフィクション。半分フィクション」という特殊なジャンルなんだから、遊んでいいんです。

 例えば、1961年黒澤明監督『用心棒』

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 こんなに娯楽の傑作を他に知らないんですけど、主人公・桑畑三十郎のライバルである仲代達矢!ヤクザ者の役なんですけど、ポスターの左下を見てください。首にマフラー巻いてます!右手にはピストル!!!

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 西洋の物をなんで持ってるんだよって話になりますけど、演出として成立してる。マフラーによって傲慢でキザな感じが出まくり、タチが悪そう…。ピストルによって侍ではなくヤクザ者の敵だから、ピストルだろうが何だろうが駆使して人を殺める危なっかしい感じが出てるんです。この時代にこんなこと有り得ない!とか言われていやいや!アリエル!なんていうのは、水掛け論な訳ですよ。証拠が無いんだから。てか、そんな争いは野暮なんです。

 魅力的な時代劇ってこういうミスマッチ is ワンダフル!な演出のオンパレードなんです。しかも未来を舞台とするSFのフィクションとは違う。未来は完全に想像ですけど、時代劇は実際この時代が存在したという事実と人間の想像力のブレンドになっている。だから、ワクワクできるんです。

 

時代劇の登場人物は週刊少年ジャンプ!

 大河ドラマを冷静に観ているとクサイ台詞多くないですか?でも、時代劇だと自然に見れる。

 信念、忠誠心、正義、友情、情、努力とか人間が本来重視すべきテーマを現代劇で台詞にすると安っちくなる。「普通そんなこと言わねーよ!なにかっこつけてんだよ!」と白けてしまう。現実味が無いんですよね。これを成立させてるのって日本のマンガ文化だと思うんです。特に週刊少年ジャンプ。『ドラゴンボール』『スラムダンク』『ハンター×ハンター』『ワンピース』…どの主人公も性格も真っ直ぐでわかりやすい。普段、口に出すと恥ずかしい台詞でも彼らが放てば、受け止めれるんです。わかってのとおりこの台詞の感じをそのまま実写化するとヒドイことになる。これが時代劇だと合うんですよ!!!

 当時の日本って構図がシンプルでわかりやすい。幕府という王があって、各地に大名がいて、それぞれに忠誠を誓う侍がいる。そして、商人、農民、流浪人。民を苦しめる野武士や大名は悪。身分は低くてもそこに立ち向かう侍がいれば正義。善と悪のボーダーライン。貧富、身分の格差がはっきりしてるから抽象的な概念を描きやすいんです。

 ちなみに『ワンピース』の作者・尾田栄一郎は時代劇(ヤクザものですが)が大好きで、『次郎長三国志』シリーズのDVDパケを描いてます。

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 ジブリの鈴木敏夫のラジオで尾田栄一郎が出演した時に、『ワンピース』は『七人の侍』がベースだということを認めています。

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 『ワンピース』の政府と海賊どちらが正義なのかわからないという世界観や情や信念を重視する展開、描写は時代劇や任侠モノのテイストにそっくり。あの感じって日本独自の価値観がすごい反映されてると思います。海外じゃ描けない世界です。

 

知らない役者が出ている。それが大事!

 もちろん近年、制作された時代劇も傑作多いです。

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 時代劇を作る撮影所がそもそも無くロケ地が限定されたり、乗る馬がないなど。そもそも対象年齢が高齢化していて時代劇が作りづらい時代にはなっていますが、面白いものいっぱいあります。

 ただ…今の役者さんって観客との距離が近すぎる。上記のような近年の時代劇に出演している役者さんをテレビやネットですぐ観れちゃうんです。インタビューを受けて演技について語ってたり、雑誌におしゃれな格好して載ってたり、バラエティのクイズ番組とか出ておバカを発揮したたらもう最悪なんです。そういう顔を見た瞬間に時代劇が「カツラを被った役者が演じてる」ようにしか見えない。でも、50、60年代の時代劇を今のお客さんが観ると「お前誰やねん!」の連続なんです。もちろんクソ有名な人ばかりですよ!??当時「銀幕のスター」と呼ばれていたような一流の俳優さんですから。けど、その人たちはテレビに出てヘラヘラしたりしてない。実態をあんまり知らない役者さんばっかりなんです。だから、その世界に没頭できる。本当にこういう人がいたんじゃないか…というリアリティがあってメチャくそ楽しめる。上記の「存在するけど不確か」な設定を最高に活かすことができるんです!

 ある意味、そういった状況で時代劇を観れるのは僕らの世代にしかできない楽しみ方ですよ!??

 どうっすか!?ここらで時代劇に触れてみるといのは…!??

 

 低いところから失礼しました。

“時代劇のススメ 〜若い世代の時代劇の楽しみ方〜” への 2 件のフィードバック

  1. ひょんなことから記事を読ませていただきました。
    私は普通に大人になりました、38男です。私も洋楽を聴きました。久保田利伸のラジオで次々にアーティストを知って、縁を広げました。あ、時代劇の話ですが、「最高の設定」「俳優女優の俗化」はうなずけます。時代劇、あそこはある意味聖地ですね。また聖地は、そこにある権威や序列が聖地たる源泉かもしれません。

    1. ひょんなことからの記事閲覧ありがとうございます。嬉しいです。
      そうですね!源泉ですね。テレビでまた水戸黄門が始まるそうなのですが、若者の時代劇離れは止めたいですね。

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