読んだら必ず観たくなる

低いところから失礼します。ジャガモンド斉藤正伸です。

 

『葛城事件』

解説とあらすじ

「その夜の侍」の赤堀雅秋監督が同名舞台を映画化し、無差別殺人事件を起こした加害者青年とその家族、加害者と獄中結婚した女性が繰り広げる壮絶な人間模様を描いたドラマ。親が始めた金物屋を継いだ葛城清は、美しい妻・伸子と共に2人の息子を育て、念願のマイホームも建てて理想の家庭を築き上げたはずだった。しかし、清の強い思いは知らず知らずのうちに家族を抑圧し、支配するようになっていた。長男の保は従順だが対人関係に悩み、会社をリストラされたことも言い出せない。そして、アルバイトが長続きしないことを清に責められ、理不尽な思いを募らせてきた次男の稔は、ある日突然、8人を殺傷する無差別殺人事件を起こす。死刑判決を受けた稔は、死刑制度反対を訴える女・星野が稔と獄中結婚することになるが……。三浦友和が抑圧的な父・清役で主演を務めるほか、母・伸子役に南果歩、兄・保役に舞台版で稔役を演じた新井浩文、稔役に大衆演劇出身の若葉竜也ら実力派キャストが集結。

 

はじめに

はっきり言うともうこの映画観たくないです!笑 

それくらい重い!辛い!暗い!でも……観て!!!

いったい本作は何なのか…書きなぐっていきます。

maxresdefault

 

家族という名の地獄

 これどういう映画かと言いますと、端的に言えばある引きこもりの青年が通り魔殺人を犯してしまうまでを彼の家族を中心に描いている作品です。この時期には、ちょっと避けたくなるような題材ですが…。で、なんかチラシや予告編を観ると、三浦友和が嫌な悪いやつって思われるかもしれませんが、違う。この家族の全員がおかしい。おかしいゆえに家族がかみ合わず…様々なことが蓄積されてとんでもない方向に向かってしまうんです。

 通り魔殺人の原因は1つではなく、色んなものが複合されたものだ。っていう。本作ではそれが家族だった。この家族「おかしい」んだけど、僕らが観ていて共感したり「いるよな〜こういう人」って思える人物なんです。だから嫌〜な感じがずっと続く。

 例えば、お父さんである三浦友和が長年通った中華料理屋で店員にクレームをしている場面。

「おれはここに20年通ってんだぞ?麻婆豆腐が辛すぎるんだ。それを言ってるのにお取り返しますで済むと思ってるのか!?そういう問題じゃないんだよ」とタラタラ文句言って再び「おれはここに20年通ってんだぞ!20年だ!」ってまた同じことを言い出す。

 いるよね!?こういうクレーマー!?

 もしくは自分がこういう主張したことないですか?

 恐ろしいことに、事件を起こす青年が主張する内容に「うわ、おれもこういうところある…」って思ってしまう場面もありました。

 この映画、自分たちが見過ごしてきてるいや〜な部分をずーっと映してるような作品なんです。犯行の場面は一瞬で、他はほとんど日常的な場面の連続。この日常がとてつもなく辛い…。身近に感じるこの日常が積み重なって、事件が起こるわけだから怖いんです。観終わって「自分の家も1つ間違えればこういうことになってたんじゃないか…」って考えちゃう。余韻が半端ない。

168791_6

 でも、面白いのがこんな映画だけど笑えるんです。これこの手の映画において言える共通した部分ではあるんですけど、切羽詰まった人たちってちょっと面白い。この映画に関しては、救いようのない人間っているけど…でも俯瞰で見れば面白いんだ!笑えるんだ!っていう。監督の人間への愛を感じます。不思議です。

 

三浦友和のギラギラ感

 冒頭の家の落書きをペンキで塗る三浦友和の時点で「っわ。いつもと違う」って気づきます。目が全然違うんです。ちょっと目元をメイクしてるのかな…?

20160323-katsuragijiken02 

 仲代達矢さんを彷彿とさせました。

1345017384-2058133197_n

 

 

明日は我が身

 悲惨な事件が起きた時に「怖いね」って思うじゃないですか。ワイドショーでは机上で専門家がぽく分析してたりしてる。悲惨な事件をメディアを通じて見ることで僕らは1つ線引きをして安心してるんだと思うんです。「この人たちとは違う」って。

 でもぼくはずっと違和感を感じてました。何が違うんでしょう?一歩間違えたら同じような結果になっていてもおかしくないんです。こういう事件が起きると、一時期は興味を引くけど、しばらくすれば忘れてしまう。自分たちとは関係ない話って思ってるんだと思うんです。

 でも、本作見ちゃうとそんなこと思えません!日常の地続きに、その先に事件って起きてるんです。

 じゃあ、いったい何ができたのか…??未然に防ぐことができたのか…??

 …その答えを導いてくれる作品じゃないのが、この映画の意地悪なところ!

 

この前、観た山田洋次監督の『家族はつらいよ』よりも全然つらかったです!!!!ぜひみんな観てトラウマになってください!

200

 

低いところから失礼しました!!

 

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。