映画コラム

低いところから失礼します。ジャガモンド斉藤正伸です。

①、②と続いていましたが…やっと本題です!

 

やっとのこと書きなぐります!サァ行ってみよう!

 

 

『シン・ゴジラ』

解説とあらすじ

「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が総監督・脚本を務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎を准監督に迎え、ハリウッド版「GODZILLA」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出す。内閣官房副長官・矢口蘭堂を演じる長谷川博己、内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインキャストに、キャストには総勢328人が出演。加えて、狂言師の野村萬斎がゴジラのモーションキャプチャーアクターとして参加している。

 

はじめに 〜完全にハードルの下がっていた『シン・ゴジラ』〜

 僕のゴジラに対しての思いは前回の①②をさかのぼって頂くとして(それでも足りてないんですが…)今回、本作の予告編を観たり情報が解禁されるたびに、正直いうと…

全然期待していませんでした!

 いや!というよりも、つまらないと自分に言い聞かせていた。期待して傷つくのはいつも自分だから!!!それは恋愛をしなくなった言い訳と同じ。でも、逃げて……ごめんね!なぜ期待しないと決めてたかは以下の通りです。

 

①日本の誇る着ぐるみじゃなくてフルCGなんかい!

②アメリカから来た諜報部員役?石原さとみがウザそう。

③みんな難しい顔しながら暗い会議してて、めんどくさそう。

④地味そう

 

 しかし、その予想は良い意味でズバズバと裏切られていったのです!詳しく書きなぐっていきます!

※ある程度のネタバレはぶち込みますので、ご了承ください。

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①日本の誇る着ぐるみじゃなくてフルCGなんかい!…しかし、その結果!!!

 そう。今回、ゴジラは完全にフルCGなんです。今までゴジラの一部シーンがCGだったことはありましたが、オールCGなのは今回が初。庵野さんと樋口さん的には着ぐるみでやれることは今まででやり尽くした的な理由らしいのですが、このCG演出がうまいこといってます。

 今回、初めて海から尻尾が出てくるシーンや初上陸した時の成長前ゴジラ(今回、シリーズ史上はじめて段階を踏んで形が進化します)を観た時は「おい、おい大丈夫かよ。」と正直、思いました…が。完全体の無敵ゴジラになってから再び日本に上陸し、都心で一時停止をするまでの一番の見せ場になるシーンでのゴジラは見事。

 何が見事か?

 今回のゴジラは完全に「天災」として描かれます。敵は一切現れないし、ゴジラの正体もはっきりとは示されない。前のコラムで書いた「人間ではどうにもならない」存在として描かれている。しかも、ゴジラは身体から放射能を帯びているという二次被害も発生。街の壊れ果てた様子や人々のパニックは完全に震災と重なります。これ私たちにとってはリアルすぎる。フィクションのはずなのに、そうではない。また、ゴジラは何か目的があるわけでなく、ひたすら歩みを止めない。ただそこに生きているだけなんですゴジラは。前を歩くだけ。その無機質さがCGにとってよく演出されてる。予告編を見ると、ただただ歩いてるゴジラに若干、退屈さも感じますが、それでよかった。これがもし、着ぐるみで今までのような撮り方だと、薄っすら「意識」を我々は感じてしまう。これはこのシン・ゴジラのデザインも相まってるでしょう。格好良さやフォルムではなく「生き物」感が重視されてる。特に怖いの目ですよね。

 つまり、何を考えてるのかわかんないんですよ!このゴジラ!感情も道徳も意思も何も感じ取れない作りになってる。怖いんです!

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 2014年のハリウッド版ゴジラ(以下、レジェゴジ)もフルCGでしたが、CG演出が全く違う。お金のかけ方が違うとは言え、CGも演出だけでこんなに変わってくるのかと。

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 レジェゴジはですね、めっちゃ動くんです。アクションがオーバーなんです。「動」のゴジラ。しかもレジェゴジの監督はゴジラファンで、着ぐるみゴジラの動きをすげー意識してる。ただ、シンゴジは同じCGなのに「静」のゴジラ。必要な時にしかオーバーな動きはしないんです。

 シンゴジもレジェゴジもパフォーマンスキャプチャーと言われる技術を導入しています。(シンゴジは野村萬斎さんが演じてますね)実際の役者さんの動きをコンピューテーで読み取り、上からCGで加工していくというもので、元は着ぐるみ撮影と同じ原理な訳ですが。出来上がりが全く違う。面白いですよね!レジェゴジは着ぐるみゴジラのオマージュを取り入れ、人間的な動きが多くて意思を感じるんですが、シンゴジはそういうの全く排除してる。

 これって大きな挑戦であり、斬新です。まさに温故知新。これが功を奏して、シンゴジは第1作目のゴジラと同じくらいに恐ろしい脅威となることができています。

 

②アメリカから来た諜報部員役?石原さとみがウザそう…だけど???

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 今回、石原さとみはおばあちゃんが日本人という設定のアメリカから来たエージェント。この設定で、もう臭いました。樋口真嗣監督の『進撃の巨人』の件もあったから、っていうのもあります。このアメリカから来たエージェントという設定がもうキツイ。そういう国際的な規模の話になっていくのは必然でもあるので、仕方ないけどそれを石原さとみが……?案の定、石原さとみはルー大柴状態。

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 一部分が不自然な英語で、基本は流暢な日本語という役柄でした。たしかにここだけ抜き取るとひどいもんですが、今回のゴジラはではアリなんです!!!後述しますが、会議のシーンが笑える。行き詰まった緊張感の中で、あれよあれよと「想定外」のことが起きてお偉いさんはテンヤワンヤ。もしも、この会議が全く笑いどころ無く、ただ淡々とやっているなか「トゥギャザーしようぜ!」って石原さとみが入ってきたら、「なんだんだ、お前!!!ふざけんな!!!殺すぞ!!!」ってなるんですけど、そうはならない。想定外のゴジラが現れて、何が起きてもおかしくないし、実際におかしなやりとりをしてるんですよ!その延長戦で石原さとみが入ってくるから「うわぁ。まためんどくさそうな奴きたよ」って笑えちゃうし、許せちゃう!石原さとみもゴジラなんですよ。想定外。つまりですね、ほんとイーオン行っててよかった〜って気持ちになるんですよ。

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③みんな難しい顔しながら暗い会議してて、めんどくさそう。いや、それが面白い!

 さっき書きましたが、会議のシーン。めっちゃおもろいんです!笑える!実際、今の日本に「ゴジラ」という「想定外」の生命体が現れたら、どの部署が担当して、どのように対処していくのか…というのを真面目に描いてる。すんげーまどろっこしーんです。かつて平成ガメラがそういうアプローチをしてましたが、今回はそれ以上!そのめんどくささが面白い。ゴジラによって事態は悪化してるのに、偉い人たちはいろんなルールや手続きにがんじがらめになっていき、何もすることが出来ない。なんか、これ今までのゴジラシリーズのパロディです。昔はゴジラが出てくりゃ自衛隊がポンと出てって、戦車なり戦闘機なりでバンバン撃って…みたいな話でしたが、そうはいかないでしょ。現実はっていう。

 

④地味そう。……いや、それでいい!これは働く日本人へのエールがこもった映画

 ゴジラを倒すために集まった、まるでガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーを彷彿とさせる寄せ集め軍団もいいですよね。

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 せま〜い会議室であーだこーだとマニアックな話し合いをしながら、ゴジラを倒す方法を考えてる。日本人ぽいですよね。日本映画っぽいですよね。ヒーローが出てきてないんです。ゴジラの元に潜入して、命がけで何かを仕掛ける。とかそういう見せ場は一切ないんです!会議、会議、会議!ハンコ押して決済!決済!決済!の繰り返し!これ働く現代日本人への応援映画ですよ!!!エールがこもってる!サラリーマンよ!頑張って!

 みんなかた〜い顔してて、笑顔なんて微塵もないし、感情的に叫んで何かに当たったりとかそういう演出も全くないんです。泣いたりわめいたりもしてない。そういう感傷的なことは一切排除してる。すんげークールなんです。実録物に近い。そう!ゴジラ版『プロジェクトX』なんですよ!これは!たぶん、中島みゆきの曲流して、再編集しても成立しますよ、これ。NHKさん!どうですか!??

 ラストで、ゴジラを倒すことができた瞬間もやったーーーーー!!!みたいな万歳は全くない。『インディペンデンス・デイ』のラストの「アメリカ最高ーーーー!!!」みたいになると思うじゃないですか!?こんだけやったんだし!胴上げとかして。違うんですよ。全くパーティー感がない。みーんな「はぁ」と一仕事終えたため息をつく。これ日本人です。職人です。

 

 第1作『ゴジラ』は戦時中の空襲や疎開を彷彿とさせるものとなり、本作『シン・ゴジラ』は震災と原発でした。そういった根本的テーマからしても今回のゴジラは元々ゴジラが持つ魂に近いものがあります。レジェゴジでは核爆弾が軽率に描かれていました。何本もの核弾頭が登場し、雑に描かれる。とんでもなく軽率な描写です。わかってないんだと思います。『シン・ゴジラ』でもアメリカがゴジラ殲滅のたみに核を落とそうとする場面があるんですが、重みが全く違う。ピリっとするんです。観てる僕らも「やめてくれ」と思う。

 やっぱりゴジラは実際に核爆弾を二度も落とされた日本が描かないとダメなんです。ダメというか日本人じゃないと描けない。

 ゴジラっていう題材は今後、何度でもリメイクし描き直せる普遍的なテーマを内包した題材なんだと改めて感じることが出来ました。

 みなさん!絶対、行ってもらいたい!!!!おすすめ!じゃなくて……観るべき映画です!!!!

 

低いところから失礼しました。

 

柿沼さんと録ったPodcastも熱いよ!聴いてね!

映画Podcast「おまけの夜」 第14回  前編「シン・ゴジラ」〜ネタバレなし〜

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