映画『家族はつらいよ』感想文 〜天才・渥美清を失った山田洋次監督による20年ぶりの喜劇〜

 

低いところから失礼します。ジャガモンド斎藤です。

『家族はつらいよ』

あらすじと解説

名匠・山田洋次監督が「男はつらいよ」シリーズ終了から約20年ぶりに手がけた喜劇。山田監督の「東京家族」で一家を演じた橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優ら8人のキャストが再結集して現代に生きる新たな一家に扮し、熟年夫婦の離婚騒動をめぐって織り成される人間模様を描く。結婚50年を目前に控えた平田夫妻。夫はもうすぐ誕生日を迎える妻にプレゼントを贈ろうと欲しいものを尋ねるが、その答えはなんと「離婚届」だった。突如として持ち上がった離婚話に、彼らの子どもたちは大慌て。すぐに家族会議が開かれることになるが、それぞれが抱えてきた不満が噴出してしまう。

はじめに 〜結婚相手に寅さんを観せたくない〜

 筆者は『男はつらいよ』 つまりは寅さんが死ぬほど好きだ。出会いは中学2年生の時。邦画をバカにしていた筆者が何気なく、おばあちゃんと観た寅さんがきっかけだった。そこから一気に48作観た。うん、どんぐらい好きかと言えば…上記の予告編に出てくる富士山をバックにした松竹マーク。もちろん寅さんの本編前には毎回このクレジットが入る。富士山と同時にあの寅さんの名曲が流れる。←ココ!ココ!ココ!で筆者はまず泣きそうになる。平常心で映画を観ることはできない。

 もし、筆者に結婚したいくらいの好きな人がいてもその子に寅さんを薦めはしない。なぜならもし、寅さんをつまらないとかほざき始めた途端にその子を嫌いになってしまう。嫌いというか、もはや生理的に受けつけなくなりそう。それくらい大好き。なぜ好きかとか語ると長くなるので、また今度。

 そんな寅さん映画を世に送り続けた生きる伝説 山田洋次監督。監督が20年ぶり『男はつらいよ』以来初となる喜劇を撮るというのだから……こりゃもう観るっきゃない。

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渥美清という天才を失った監督のもがき

 「寅さん」とは山田監督にとっても、そして日本人にとっても最強のポップアイコンである。寅さんを演じた渥美清さんは日本で一番の喜劇役者。渥美さんは背中や横顔、ちょっとしたセリフやしぐさすべてが愛おしく、哀愁を漂わせてる。喜劇とは悲劇と表裏一体というが、それを体現しているのが名優・渥美清だ。お芝居が面白い人はたくさんいる。けれど、喜劇とはコントではない。喜劇には物語生やテーマ、メッセージが内包されている。つまり、笑わせるだけではいけない。物語として成立させてなければただ2時間のコントになってしまうのだ。

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 「山田洋次監督が20年ぶりに描く喜劇」には補助説明がいる。渥美清がもうこの世にいないということだ。

 その上で、山田監督は本作を世に送り出した。結果、どうであったか。筆者からしたら……これは仕方ないことなんだけど……どうしても寅さんの影を感じてしまう!「渥美さんだったらどうしたんだろう」「渥美清さんだったらもっと笑えたのかな」っていちいち脳裏によぎってしまう。本来、『男はつらいよ』においての寅さんは物語の仕組みという観点からすれば『ドラえもん』で言うドラえもんの立ち位置だ。誰もが共感できる日常という設定の中に非日常的なキャラクターをポンと放り込むことで物語はよりドラマチックに演出され面白くなっていく。本作『家族はつらいよ』では奥さんに熟年離婚を迫られる橋爪功さんが寅さんの立ち位置なんだけど…どうしても最初から愛せるキャラクターではない。寅さんは一見、乱暴に見えてもどこか憎め無い他人を愛おしくさせる雰囲気を持っていた。それが魅力だったのだが……。これは橋爪さん自身の問題では決してありません。そもそもこういったキャラクター自体が今の時代では成立しづらくなっているのかもしれない。

 「いやいや、比べるなよ!」という意見。ごもっともです。お門違い。ただね、映画本編内に『男はつらいよ』がちりばめられてるんです。家のテレビ前には寅さんDVDが置いてあるし、名画座のポスターには寅さんの第1作目が……「だめだめ、比べたら!」とこっちでは思うんですけど、その度に寅さんがちらつく……クーーーーー。これは辛い。きっと監督はそのあたりの葛藤をしながら、メガホンを取ってると思います。

 でも、決してスベってるわけではありません。全然笑えます。たまにある「役者が無理をしてるから面白い」ではなくて、やっぱり本が面白いからちゃんと喜劇になっています。

日本人の「理想」を描き続ける山田監督

 山田監督の最近の現代劇を観ていると寅さんでは気にならなかった部分が気になります。それはセリフの言い回しです。きっと若い世代の人はとくに「ん?こんな言葉づかいする?」と違和感を感じることになると思います。山田監督って、もう90歳に近い方なので時代遅れだと思われる方もいるかもしれませんが、脚本を執筆する際に若いアシスタントが付いています。それがどれくらいのパワーバランスなのかはわかりませんが…この一見、古臭い言い回しも監督らしさです。どれくらい古臭いかと言えば、上記の予告編で夏川結衣さんが「お母さん(義母)が離婚したいとおっしゃってるんですって!」このおっしゃってるという言い回しが本編では連発されます。他にも多々ある。これって何なのかと。筆者は古臭いというより厳密に言えば「丁寧」だと解釈しています。要は山田監督って、時代ごとに少しずつ変化する常識に合わせて本を書くのではなく、日本人としての「理想」を書き続けてるんだと思うんです。「今の世間ではこうは言わないかもしれない。けど、こうあるべきだ」という強い理想。それってセリフだけでなくもっと視野を広げていくと山田洋次監督の作家性です。

 セリフからも垣間見えるように「日本の家族とはこうあるべきだ」という美学が山田監督にはある。これが作家性にも通じています。ここですごいのがそれが全く押し付けがましくないんです。一方的じゃない。必ず家族内の多様性を強調してる。つまり、理想はあるけれど、現実にはこういうやっかいな人もいて、それ込みで人生って楽しいんじゃないかって。決してキレごとじゃないんです。都合の良い人だけを集めた映画じゃない。寅さんなんてまさにそうだと思うんです。だから、本作で言えば「敬うべき人に対しては正確で丁寧な言葉づかいをする」という。そうあるべきなんだと。

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生きる伝説・山田洋次

 本作、続編が作られるそうです!日本映画界の巨匠たちが去る中で山田洋次監督は本当に生きる伝説です。インタビューを読むと現84歳でこの『家族はつらいよ』をシリーズ化しようとしてますからね!どんだけ元気なんだと!過去作の寅さんだって全48作ありますから。夏とお正月に合わせて年に1か2本撮ってるんです。もともととてつもないパワーなんです!!!現役バリバリの巨匠の新作を見逃すのはもったいない。ぜひこの機会に!

低いところから失礼いたしました。

新作映画『葛城事件』 感想文 〜これが本当の「家族はつらいよ」〜

低いところから失礼します。ジャガモンド斉藤正伸です。

 

『葛城事件』

解説とあらすじ

「その夜の侍」の赤堀雅秋監督が同名舞台を映画化し、無差別殺人事件を起こした加害者青年とその家族、加害者と獄中結婚した女性が繰り広げる壮絶な人間模様を描いたドラマ。親が始めた金物屋を継いだ葛城清は、美しい妻・伸子と共に2人の息子を育て、念願のマイホームも建てて理想の家庭を築き上げたはずだった。しかし、清の強い思いは知らず知らずのうちに家族を抑圧し、支配するようになっていた。長男の保は従順だが対人関係に悩み、会社をリストラされたことも言い出せない。そして、アルバイトが長続きしないことを清に責められ、理不尽な思いを募らせてきた次男の稔は、ある日突然、8人を殺傷する無差別殺人事件を起こす。死刑判決を受けた稔は、死刑制度反対を訴える女・星野が稔と獄中結婚することになるが……。三浦友和が抑圧的な父・清役で主演を務めるほか、母・伸子役に南果歩、兄・保役に舞台版で稔役を演じた新井浩文、稔役に大衆演劇出身の若葉竜也ら実力派キャストが集結。

 

はじめに

はっきり言うともうこの映画観たくないです!笑 

それくらい重い!辛い!暗い!でも……観て!!!

いったい本作は何なのか…書きなぐっていきます。

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家族という名の地獄

 これどういう映画かと言いますと、端的に言えばある引きこもりの青年が通り魔殺人を犯してしまうまでを彼の家族を中心に描いている作品です。この時期には、ちょっと避けたくなるような題材ですが…。で、なんかチラシや予告編を観ると、三浦友和が嫌な悪いやつって思われるかもしれませんが、違う。この家族の全員がおかしい。おかしいゆえに家族がかみ合わず…様々なことが蓄積されてとんでもない方向に向かってしまうんです。

 通り魔殺人の原因は1つではなく、色んなものが複合されたものだ。っていう。本作ではそれが家族だった。この家族「おかしい」んだけど、僕らが観ていて共感したり「いるよな〜こういう人」って思える人物なんです。だから嫌〜な感じがずっと続く。

 例えば、お父さんである三浦友和が長年通った中華料理屋で店員にクレームをしている場面。

「おれはここに20年通ってんだぞ?麻婆豆腐が辛すぎるんだ。それを言ってるのにお取り返しますで済むと思ってるのか!?そういう問題じゃないんだよ」とタラタラ文句言って再び「おれはここに20年通ってんだぞ!20年だ!」ってまた同じことを言い出す。

 いるよね!?こういうクレーマー!?

 もしくは自分がこういう主張したことないですか?

 恐ろしいことに、事件を起こす青年が主張する内容に「うわ、おれもこういうところある…」って思ってしまう場面もありました。

 この映画、自分たちが見過ごしてきてるいや〜な部分をずーっと映してるような作品なんです。犯行の場面は一瞬で、他はほとんど日常的な場面の連続。この日常がとてつもなく辛い…。身近に感じるこの日常が積み重なって、事件が起こるわけだから怖いんです。観終わって「自分の家も1つ間違えればこういうことになってたんじゃないか…」って考えちゃう。余韻が半端ない。

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 でも、面白いのがこんな映画だけど笑えるんです。これこの手の映画において言える共通した部分ではあるんですけど、切羽詰まった人たちってちょっと面白い。この映画に関しては、救いようのない人間っているけど…でも俯瞰で見れば面白いんだ!笑えるんだ!っていう。監督の人間への愛を感じます。不思議です。

 

三浦友和のギラギラ感

 冒頭の家の落書きをペンキで塗る三浦友和の時点で「っわ。いつもと違う」って気づきます。目が全然違うんです。ちょっと目元をメイクしてるのかな…?

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 仲代達矢さんを彷彿とさせました。

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明日は我が身

 悲惨な事件が起きた時に「怖いね」って思うじゃないですか。ワイドショーでは机上で専門家がぽく分析してたりしてる。悲惨な事件をメディアを通じて見ることで僕らは1つ線引きをして安心してるんだと思うんです。「この人たちとは違う」って。

 でもぼくはずっと違和感を感じてました。何が違うんでしょう?一歩間違えたら同じような結果になっていてもおかしくないんです。こういう事件が起きると、一時期は興味を引くけど、しばらくすれば忘れてしまう。自分たちとは関係ない話って思ってるんだと思うんです。

 でも、本作見ちゃうとそんなこと思えません!日常の地続きに、その先に事件って起きてるんです。

 じゃあ、いったい何ができたのか…??未然に防ぐことができたのか…??

 …その答えを導いてくれる作品じゃないのが、この映画の意地悪なところ!

 

この前、観た山田洋次監督の『家族はつらいよ』よりも全然つらかったです!!!!ぜひみんな観てトラウマになってください!

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低いところから失礼しました!!

 

超新作映画『怒り』 ネタバレ無しの感想文 「今年度1位の大傑作 〜なんでこんなに泣かせるんだよ!(怒)〜」

低いとことから失礼します。

ジャガモンド斉藤正伸です。

 

お笑い芸人 ジャガモンドとして所属している事務所のご厚意で、9月17日公開の李相日監督『怒り』の試写会にお邪魔してきました!

東宝の本社に初めて入ったので、テンションあがってしまい記念にパシャり。

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100名ほど入る試写室のど真ん中1番前を陣取って鑑賞して参りましたが……

 

 

 

結論から言います。

 

 

 

涙腺決壊いたしました!

 

もう心がガッと鷲掴みされて、揺らされました!もう心がぐわんぐわん!

ど真ん中1番前で観ているということをすっかり忘れて、軽く嗚咽してました。呼吸困難に陥りました。

こうして書いている今も余韻が凄まじいい。坂本龍一先生のあの曲と渡辺謙さんの顔を観るだけで、涙がでそうになります。これマジだからね!さっき、チラシを見たら目がぼやけたんだから!!

 

紛れもなく2016年度公開映画で僕の中ではぶっちぎりの1位です!

 

「泣ける映画だからっていい映画とは限らない」と以前に偉そうに書いていた筆者ですから、何が良かったのかを書きなぐっていきたいんですけど……これ本当にネタバレしないでまず観ていただきたいわけなんですよ!!

だから、今日は「ネタバレ無し」版を書きなぐり、9/17の公開初日を終えてから「ネタバレ有り」版を書きます!

なので、安心してください。今日はネタバレ無しでお送りします。観ると決めている方もそうでない方にも是非読んでいただきたいです。

 

それではいってみよう!

 

 

『怒り』

解説とあらすじ

吉田修一の原作を映画化した「悪人」で国内外で高い評価を得た李相日監督が、再び吉田原作の小説を映画化した群像ミステリードラマ。名実ともに日本を代表する名優・渡辺謙を主演に、森山未來、松山ケンイチ、広瀬すず、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡と日本映画界トップクラスの俳優たちが共演。犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所に、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こるドラマを描いた。東京・八王子で起こった残忍な殺人事件。犯人は現場に「怒」という血文字を残し、顔を整形してどこかへ逃亡した。それから1年後、千葉の漁港で暮らす洋平と娘の愛子の前に田代という青年が現れ、東京で大手企業に勤める優馬は街で直人という青年と知り合い、親の事情で沖縄に転校してきた女子高生・泉は、無人島で田中という男と遭遇するが……。

 

①話は難しくない!ミステリーなのだから!

タイトル「怒り」だし、なんだか難解なんじゃないか…とか。重いんじゃないか…とか。そういう不安にかられる人もいると思います。

 

そんなことございません!シンプルに言えば……

 

さて!3人の中で誰が犯人でしょ〜!?

 

っていう話です。

基本はミステリー。

結末が出ないとか、意味深な終わり方するとかはないです。しっかり犯人がいて、すっきり解決します。そういう娯楽性もしっかりと織り交ぜられているし、真犯人はマジでギリギリまでわからずで物語の推進力になっています。筆者も感動で涙腺崩壊している中で、ミステリーとしての進度も気になってドキドキハラハラするから、もう心がぐちゃぐちゃでした。

「重そう」と思う方もいると思います。はい!軽くはないです!

ただ…これが不思議なもんで、これも役者の力量なのでしょうか。演出の妙なのでしょうか。東京・千葉・沖縄のそれぞれの人物に感情移入ガッチリしちゃうので、重く感じない。感じないというより必死に生きる主人公たちを見守りたくなる。登場人物全員が愛おしく見えるんです!だから、暗い気持ちにならない。

 

でもね、でもね…上記のあらすじにもこんなんが書いてあります。

「犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄という3つの場所に、それぞれ前歴不詳の男が現れたことから巻き起こるドラマを描いた。」

わ。なんか話がややこしそう。って思いません???行ったり来たりしそうって。

これもそんなことないんですよね〜…

 

②3つの話をつなげる演出の妙

これ群像劇なんです。

群像劇っていうと、最初バラバラだった話が1つに収束していくみたいなイメージがあると思うんですが、それはしません。3つの場所に住む人々はすれ違うことさえしない。バラバラでそれぞれの場所で話が終わる。「怒り」というテーマだけが根底で共通しているんです。

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こういう設定でよく李監督はまとめたな…と感動してしまうんですが。

話の整理の仕方が爆裂に上手いし、観てて気持ちいい。

こういうのって話が行き交いするから「あれ?今どこの話?」とか混乱しそうじゃないですか。全くしない。見やすい。話のつなげ方をものすごく計算高くやってるんです!

たとえば千葉編の終わりでウォークマンで音楽を再生すると、後半になってそれが東京編のクラブミュージックにつながる。クラブのシーンにバトンを渡すわけです。その東京編で「旅行でもしたいな〜」という台詞があると、次に入るカットは沖縄のきれ〜いな海の上を走るボートにつながる。

食の話になれば、別編でも食が話の主軸になっている。千葉編。宮崎あおいちゃんが松山ケンイチくんに作る「お弁当」→沖縄編。広瀬ずずちゃんが森山未來くんに飯を持ってくる→東京編。綾野剛がお弁当を買って、妻夫木くんを待つ。

みたいな感じで、一貫性を持ってるんです。幕ごとに。

だから、スッとすべてが飲み込める!

クライマックスの3編のクロスは圧巻で、全く別のところで進んでいる話には見えないんです!

繋がって見える!これってとんでもない演出力ですよね。普通は話を無理矢理にでも合流させたりするのにしない。もしくは、はっきりとオムニバズ形式にしちゃえば楽だったと思うんです。東京編・千葉編・沖縄編としっかり分ける。で、ラストの真相解明のところだけ畳み掛ける。でもしないんです。それを。安易な方法をとらない。李監督のやり方が功を奏して、ミステリーとしてのドキドキ感も増しますし、全く飽きない。要は3つのところで、「出会い、仲良くなる、疑う」という全く同じことが起きるわけです。一歩整理の仕方を間違えたら大事故です。同じような話×3ってことですから。これは辛い。でもそうは見えない。これをやってのけたのって…すごいですよ、本当に!こりゃ志が高すぎて、バケモンですわ。

 

③キャスティングがエグすぎる  〜全員よかったに決まってるだろ!(怒)〜

映画観るとき「出てる役者が豪華だから観る」的な判断は好きじゃないんですが、さすがにこのキャスティングは豪華すぎて引きます。

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試写会後に「どの役者が一番よかった?」とか聞かれるんですけど、そんなん全員よかったに決まってるだろ!!!(怒)

いや、もう冒頭からぼく泣きそうになったんすよ!渡辺謙様が家出した娘役の宮崎あおいをとある事情で迎えに行って、東京から千葉まで二人で電車で帰ってくるんですけど。その車内の会話で…

 

渡辺謙  「帰ったら寿司でもとろうか?」

宮崎あおい「お父ちゃんの握ったおにぎりでいい」

渡辺謙  「…そんなんでいいのか」

 

ぼくまずここで泣きましたからね!!???

 

なんだよ!!この役者の破壊力は!!(怒)これってなんともないシーンですよね??ただ、このやりとりだけでどんな親子関係なのか。どういう人間なのかがしっかり伝わってくるんですよ!「嗚呼、きっとこの素朴なお父ちゃんはこの娘が大事で大事で仕方ない。けど、どうしたらいいかまだ答えが見つかっていない」……その切なさともどかしさを感じることができるんです。心の琴線にがんがん触れてくるんです!

お芝居のことはうまく言えませんが、いわゆる「上手い役者さん」「力のある役者さん」って、1つの台詞でお客さんに自然とその人物のバックボーンを伝えることができてる人だと思います。1つ台詞を吐いただけで、こっちの想像力が掻き立てられる。劇中では説明されないパートを観客に理解させてくれる。それができないと物語は説明だらけになってしまう。

そういう意味で言えば、今回の役者陣は全員がそれをしっかりやってくれてるから1シーン1シーンが濃い!濃いんだよ!!!(怒)

もちろん李監督は準備段階からガッチリと世界を作り込む方なので、演技指導の妙でもあると思うんですが、その指導を受けれる役者さん側の力量がないと成立しません。

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④まとめ 〜信じる。疑う。伝える。人間はこれを止められない〜

「怒りっていうタイトルだけ原作と変えれないの?」みたいな意見をネット上で見たんですが、筆者は大反対。『怒り』がベストです。この物語に登場する人間の憤り、悔しさ、悲しみ、もどかしさ…そういった気持ちをぜんぶひっくるめると「怒り」だと思うんです。一番しっくりくるんです。劇中の台詞を借りるとするなら「本気は伝わらない」んです。何をやっても。見えないですから、本気って。

本気で信じてみる。本気で疑ってみる。

どんなに本気でも相手が汲み取ろうとしない限り伝わらない。

この「伝わらない」ってことへの「怒り」をこの映画は描いてるだと筆者は思うんです。もっと平たく言えば、人と人とのコミュニケーションの映画。なんかグローバルな映画だと思われちゃうかもしれませんが…。また、人が人に何かを「伝える」という行為において重要なのが「信頼」です。信頼した上で大切なことを伝えるわけです。この映画は綺麗事じゃなく、「信頼」というものの危うさもしっかり描いてくれている。それは「信じることで失う何か」と「疑うことで失う何か」どっちもあるということなんです。

だけど…人間には信じるか疑うかの二択しかない。そして、その上で人は人に常に何かを伝え続けていかなければならない。人間はそれを止めれないんです。

これって、めっちゃ普遍的なテーマなんです!!誰もが重ね合わせることのできる事なんです。

筆者はそれで涙が止まらなかった。

「あの時、もっと信じていれば…」「あの時、なんで疑ってしまったんだろう」って重ね合わせちゃうんです。絶対だれもが迎える「信頼面でのトラウマ」ってあると思うんです。小さいものでも。

生きてる上で避けては通れないんですよね、きっと。「信じることで失う何か」と「疑うことで失う何か」その連続なんです。

 

だけどね!だけど…!!

 

生きていかなきゃいけない!!!

だから……!だから、あの人のカットで終わるんだと思うんです!あの人のカットで!

クソ辛いけど、それでも生きていくんだって!

「あの人」が息を吸い込んだところで映画が終わるのもそういう意味があるんだと思います。これからなんだって……!そういうメッセージが伝わってきますよ!

 

そういうことなんだよ!!!!(怒)

 

書きなぐってたら、目頭熱くなってきちゃいました!

公開日の9/17まで、まだまだある……。どうにかみんなで公開が前倒しにしましょう!待ちきれないよ!もっかい観たいよ!

 

 

低いところから失礼しました。

 

 

新作映画『シン・ゴジラ』ネタバレ無しの感想文③ 〜これは現代の働く日本人版『プロジェクトX』だ!〜

低いところから失礼します。ジャガモンド斉藤正伸です。

①、②と続いていましたが…やっと本題です!

 

やっとのこと書きなぐります!サァ行ってみよう!

 

 

『シン・ゴジラ』

解説とあらすじ

「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が総監督・脚本を務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎を准監督に迎え、ハリウッド版「GODZILLA」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出す。内閣官房副長官・矢口蘭堂を演じる長谷川博己、内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインキャストに、キャストには総勢328人が出演。加えて、狂言師の野村萬斎がゴジラのモーションキャプチャーアクターとして参加している。

 

はじめに 〜完全にハードルの下がっていた『シン・ゴジラ』〜

 僕のゴジラに対しての思いは前回の①②をさかのぼって頂くとして(それでも足りてないんですが…)今回、本作の予告編を観たり情報が解禁されるたびに、正直いうと…

全然期待していませんでした!

 いや!というよりも、つまらないと自分に言い聞かせていた。期待して傷つくのはいつも自分だから!!!それは恋愛をしなくなった言い訳と同じ。でも、逃げて……ごめんね!なぜ期待しないと決めてたかは以下の通りです。

 

①日本の誇る着ぐるみじゃなくてフルCGなんかい!

②アメリカから来た諜報部員役?石原さとみがウザそう。

③みんな難しい顔しながら暗い会議してて、めんどくさそう。

④地味そう

 

 しかし、その予想は良い意味でズバズバと裏切られていったのです!詳しく書きなぐっていきます!

※ある程度のネタバレはぶち込みますので、ご了承ください。

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①日本の誇る着ぐるみじゃなくてフルCGなんかい!…しかし、その結果!!!

 そう。今回、ゴジラは完全にフルCGなんです。今までゴジラの一部シーンがCGだったことはありましたが、オールCGなのは今回が初。庵野さんと樋口さん的には着ぐるみでやれることは今まででやり尽くした的な理由らしいのですが、このCG演出がうまいこといってます。

 今回、初めて海から尻尾が出てくるシーンや初上陸した時の成長前ゴジラ(今回、シリーズ史上はじめて段階を踏んで形が進化します)を観た時は「おい、おい大丈夫かよ。」と正直、思いました…が。完全体の無敵ゴジラになってから再び日本に上陸し、都心で一時停止をするまでの一番の見せ場になるシーンでのゴジラは見事。

 何が見事か?

 今回のゴジラは完全に「天災」として描かれます。敵は一切現れないし、ゴジラの正体もはっきりとは示されない。前のコラムで書いた「人間ではどうにもならない」存在として描かれている。しかも、ゴジラは身体から放射能を帯びているという二次被害も発生。街の壊れ果てた様子や人々のパニックは完全に震災と重なります。これ私たちにとってはリアルすぎる。フィクションのはずなのに、そうではない。また、ゴジラは何か目的があるわけでなく、ひたすら歩みを止めない。ただそこに生きているだけなんですゴジラは。前を歩くだけ。その無機質さがCGにとってよく演出されてる。予告編を見ると、ただただ歩いてるゴジラに若干、退屈さも感じますが、それでよかった。これがもし、着ぐるみで今までのような撮り方だと、薄っすら「意識」を我々は感じてしまう。これはこのシン・ゴジラのデザインも相まってるでしょう。格好良さやフォルムではなく「生き物」感が重視されてる。特に怖いの目ですよね。

 つまり、何を考えてるのかわかんないんですよ!このゴジラ!感情も道徳も意思も何も感じ取れない作りになってる。怖いんです!

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 2014年のハリウッド版ゴジラ(以下、レジェゴジ)もフルCGでしたが、CG演出が全く違う。お金のかけ方が違うとは言え、CGも演出だけでこんなに変わってくるのかと。

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 レジェゴジはですね、めっちゃ動くんです。アクションがオーバーなんです。「動」のゴジラ。しかもレジェゴジの監督はゴジラファンで、着ぐるみゴジラの動きをすげー意識してる。ただ、シンゴジは同じCGなのに「静」のゴジラ。必要な時にしかオーバーな動きはしないんです。

 シンゴジもレジェゴジもパフォーマンスキャプチャーと言われる技術を導入しています。(シンゴジは野村萬斎さんが演じてますね)実際の役者さんの動きをコンピューテーで読み取り、上からCGで加工していくというもので、元は着ぐるみ撮影と同じ原理な訳ですが。出来上がりが全く違う。面白いですよね!レジェゴジは着ぐるみゴジラのオマージュを取り入れ、人間的な動きが多くて意思を感じるんですが、シンゴジはそういうの全く排除してる。

 これって大きな挑戦であり、斬新です。まさに温故知新。これが功を奏して、シンゴジは第1作目のゴジラと同じくらいに恐ろしい脅威となることができています。

 

②アメリカから来た諜報部員役?石原さとみがウザそう…だけど???

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 今回、石原さとみはおばあちゃんが日本人という設定のアメリカから来たエージェント。この設定で、もう臭いました。樋口真嗣監督の『進撃の巨人』の件もあったから、っていうのもあります。このアメリカから来たエージェントという設定がもうキツイ。そういう国際的な規模の話になっていくのは必然でもあるので、仕方ないけどそれを石原さとみが……?案の定、石原さとみはルー大柴状態。

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 一部分が不自然な英語で、基本は流暢な日本語という役柄でした。たしかにここだけ抜き取るとひどいもんですが、今回のゴジラはではアリなんです!!!後述しますが、会議のシーンが笑える。行き詰まった緊張感の中で、あれよあれよと「想定外」のことが起きてお偉いさんはテンヤワンヤ。もしも、この会議が全く笑いどころ無く、ただ淡々とやっているなか「トゥギャザーしようぜ!」って石原さとみが入ってきたら、「なんだんだ、お前!!!ふざけんな!!!殺すぞ!!!」ってなるんですけど、そうはならない。想定外のゴジラが現れて、何が起きてもおかしくないし、実際におかしなやりとりをしてるんですよ!その延長戦で石原さとみが入ってくるから「うわぁ。まためんどくさそうな奴きたよ」って笑えちゃうし、許せちゃう!石原さとみもゴジラなんですよ。想定外。つまりですね、ほんとイーオン行っててよかった〜って気持ちになるんですよ。

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③みんな難しい顔しながら暗い会議してて、めんどくさそう。いや、それが面白い!

 さっき書きましたが、会議のシーン。めっちゃおもろいんです!笑える!実際、今の日本に「ゴジラ」という「想定外」の生命体が現れたら、どの部署が担当して、どのように対処していくのか…というのを真面目に描いてる。すんげーまどろっこしーんです。かつて平成ガメラがそういうアプローチをしてましたが、今回はそれ以上!そのめんどくささが面白い。ゴジラによって事態は悪化してるのに、偉い人たちはいろんなルールや手続きにがんじがらめになっていき、何もすることが出来ない。なんか、これ今までのゴジラシリーズのパロディです。昔はゴジラが出てくりゃ自衛隊がポンと出てって、戦車なり戦闘機なりでバンバン撃って…みたいな話でしたが、そうはいかないでしょ。現実はっていう。

 

④地味そう。……いや、それでいい!これは働く日本人へのエールがこもった映画

 ゴジラを倒すために集まった、まるでガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーを彷彿とさせる寄せ集め軍団もいいですよね。

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 せま〜い会議室であーだこーだとマニアックな話し合いをしながら、ゴジラを倒す方法を考えてる。日本人ぽいですよね。日本映画っぽいですよね。ヒーローが出てきてないんです。ゴジラの元に潜入して、命がけで何かを仕掛ける。とかそういう見せ場は一切ないんです!会議、会議、会議!ハンコ押して決済!決済!決済!の繰り返し!これ働く現代日本人への応援映画ですよ!!!エールがこもってる!サラリーマンよ!頑張って!

 みんなかた〜い顔してて、笑顔なんて微塵もないし、感情的に叫んで何かに当たったりとかそういう演出も全くないんです。泣いたりわめいたりもしてない。そういう感傷的なことは一切排除してる。すんげークールなんです。実録物に近い。そう!ゴジラ版『プロジェクトX』なんですよ!これは!たぶん、中島みゆきの曲流して、再編集しても成立しますよ、これ。NHKさん!どうですか!??

 ラストで、ゴジラを倒すことができた瞬間もやったーーーーー!!!みたいな万歳は全くない。『インディペンデンス・デイ』のラストの「アメリカ最高ーーーー!!!」みたいになると思うじゃないですか!?こんだけやったんだし!胴上げとかして。違うんですよ。全くパーティー感がない。みーんな「はぁ」と一仕事終えたため息をつく。これ日本人です。職人です。

 

 第1作『ゴジラ』は戦時中の空襲や疎開を彷彿とさせるものとなり、本作『シン・ゴジラ』は震災と原発でした。そういった根本的テーマからしても今回のゴジラは元々ゴジラが持つ魂に近いものがあります。レジェゴジでは核爆弾が軽率に描かれていました。何本もの核弾頭が登場し、雑に描かれる。とんでもなく軽率な描写です。わかってないんだと思います。『シン・ゴジラ』でもアメリカがゴジラ殲滅のたみに核を落とそうとする場面があるんですが、重みが全く違う。ピリっとするんです。観てる僕らも「やめてくれ」と思う。

 やっぱりゴジラは実際に核爆弾を二度も落とされた日本が描かないとダメなんです。ダメというか日本人じゃないと描けない。

 ゴジラっていう題材は今後、何度でもリメイクし描き直せる普遍的なテーマを内包した題材なんだと改めて感じることが出来ました。

 みなさん!絶対、行ってもらいたい!!!!おすすめ!じゃなくて……観るべき映画です!!!!

 

低いところから失礼しました。

 

柿沼さんと録ったPodcastも熱いよ!聴いてね!

映画Podcast「おまけの夜」 第14回  前編「シン・ゴジラ」〜ネタバレなし〜

新作映画『シン・ゴジラ』感想文② 〜怪獣映画とは変態が愛する映画〜

低いところから失礼します。

ジャガモンドの斉藤正伸です。

 

さて、今回は『シン・ゴジラ』感想文の②なんですが、前回の①で全く本編に触れることができていません!

急ぎますよ!まずは、①の続きから…筆者が幼いころに夢中になった怪獣映画の魅力とは一体なんなのか…考えてみたので、書きなぐっていきます。

 

①映画的トリック 〜大胆な騙し方〜

 怪獣映画に用いられる特撮って、最も映画的なトリックだと思うんです。

 日本が生み出した特撮映画の巨匠・円谷英二が生み出したのは、ハリウッドが使っていたストップモーションではなく、実際に人が怪獣の着ぐるみを着て撮影するという方法でした。だから、当たり前だけど人間と怪獣は一緒に撮れない。街で暴れる怪獣を撮影し、あたかもそこにいるかのように役者さんが想像力で叫んだり、逃げたりするお芝居を別で撮影する。編集して初めて、あたかも目の前に怪獣がいるかのような見せ方をするわけです。(そういう観点から言えば、新宿TOHOビルで虚構のゴジラと現実の私たちが同じ空間にいるのはとても感動的です)

こんな大胆な騙し方、他にないでしょ!

 これって映像ならではのトリックですよね。一歩間違えたらとんでもなくチープになってます。

 とんでもなく、失礼な言い方をすればこの撮影方法は…とんでもなくバカバカしい。人間が何から逃げてるかと言えば、人が入った着ぐるみなんです。それを知って、観てしまえば冷めてしまう人もいるでしょう。

 実際に、怪獣映画の現場で逃げ惑うシーンを撮るとエキストラの人には笑いが抑えきれない人がいるようです。あんな大人数で走ることなんて滅多にないから楽しくなっちゃうらしい……なんだよ、楽しくなっちゃうって。笑

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 つまり、一歩間違えればそれくらいバカバカしいことを作り手が承知でやっている。

ただ、この「着ぐるみ」によって重量感が演出されるし、人が入ることで怪獣から「意識」を感じとることができるというのも日本が産んだ特撮演出の妙です。

 

②バカにされてた円谷英二

 先述した通り、これをバカバカしいと思ってしまった人にとって怪獣映画は楽しめません。いくら、そこに人間ドラマが描かれていようが、テーマが濃厚だろうが、メインの怪獣を作り物として見てしまえば台無しです。

 ゴジラ第一作の1954年。東宝が世に放ったのが『ゴジラ』と別に黒澤明監督の『七人の侍』でした。

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 撮影時期は同じで、スタジオも裏だったと言います。その時から円谷英二率いる『ゴジラ』制作チームはバカにされていた。しかし、公開と同時に大ヒットし、今に至るまで多くの人々に愛されてきました。

 人間の水爆実験によって目を覚ましたゴジラ。戦時中の空襲を思わせるようなゴジラの上陸。そこから逃げる日本人のリアリティ。そのゴジラを倒すために葛藤する人間の描写……いつの時代に観ても心を打つ名作でした。

 ゴジラシリーズは2作目から敵怪獣との戦いがメインとなり、子供のアイドルとなっていきます。円谷英二は当時、流行っていたプロレスやギャグを取り込んでいきます。それによってゴジラは人間の味方(劇中では名言しないが)のような存在になり、1作目にあったようなメッセージ性は失われていきます。(一部の作品では社会風刺が描かれているが)ただ、このアレンジした作風が長く愛される理由にもなっていると思います。

 

③破壊の神・ゴジラ

 「人間じゃどうにもならない存在」それがゴジラです。ゴジラの前では人間が生み出した文明はいとも簡単に崩れ去っていく。怖いのは街を破壊するゴジラを見て「いいぞ!いいぞ!やれやれー!」と心の中で気持ち良く叫んでいる自分がいることです。ゴジラは全てを破壊してくれます。僕らの中には破壊衝動があり、それをゴジラが代わりに発散してくれる。これもゴジラシリーズ、怪獣映画の醍醐味です。

 

つまり、上記のようなことをまとめるとですね…

 

一部の人が熱狂するロマンが詰まっている。ある意味、カルト的な映画がゴジラであり怪獣映画なんです!

 

 怪獣映画の好きなところを詳しく言ってって言われたら、ゴジラのどこどこの表情がイイとか、ここの放射ビームがカッコイイとか、ここでスライディングしながら炎を打つのが最高!とか…そういうマニアックな話になっちゃう……

 それを語った上で「いや、だって人入ってるからそうとしか見えない!」って言われたら…だよね……ってなっちゃうんですよ!!!(何でちょっとキレてるのかはわかりません)

 すげーオーバーに言うとですね…つまりですね。

変態向けの映画なんっすよ。

『シン・ゴジラ』初日に来てる人たちはみんなそんな感じでしたもん。…これは『ゴジラvsビオランテ』の限定Tシャツを着て走って劇場に向かった筆者も含めてですよ。まぁ、男はたいてい変態なんですが!とにかく萌えるやつは萌えるんです。

それが今までのゴジラ映画なんです!

今までの…です!!!

 

じゃあ、『シン・ゴジラ』はどうだったの??

 

っていうのが、本題なんですが!

……うん。長い!ごめんなさい!

③へ続きます!

 

低いところから失礼しました。

新作映画『シン・ゴジラ』感想文① 〜その前に、そもそも怪獣映画との出会いについて〜

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤正伸です。

とんでもなく長くなりそうなので、今日はまず筆者が思う『ゴジラ』について書きなぐってまいりたい!

 

はじめに 〜新作のゴジラ?やめてくれ!〜

やってますね〜。きてますね〜。7月29日より上映している『シン・ゴジラ』

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みなさんご存知の通り絶賛の嵐!!!

なにから話したらいいのかわかりません!うん!そもそも『ゴジラ』というものに思い入れがありすぎるのです。

もちろん、筆者も公開初日に行ってまいりましたが、この大ヒットにはとんでもなく不思議な気持ちになっております…。

なぜそう感じてるのか…声を大にして言いますと…

 

そもそも『ゴジラ』ってこんなに皆から受け入れられるものじゃないから!!!

 

なんだよ!てめぇ好きじゃねーのかよ!って思われますよね?

いや、これバカにしてるわけではございません。好きです、ゴジラ。けど、他人から「おすすめの映画ってある?」って聞かれた時に「ゴジラ!」って即答はできない。つまり映画として見事だ!とか傑作だ!とかそういった類の映画じゃないんです。

もちろん1954年 記念すべき第1作目『ゴジラ』はメッセージ性も人間ドラマも特撮もイイんです。今見ても怖い。ただ、それ以降の27作品は「俺は好きだけどね!」とフォローしながらのオススメになってしまうんです。部分的にいいんだけど、総合すると絶妙な映画がゴジラ。

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今までは「俺らが愛してるからそれでいいんだよ!」映画だった。

だから、庵野秀明さんと樋口真嗣さんが監督する『シン・ゴジラ』の話を聞いて、ニュースや予告編が出て皆んなが「早く観たいな〜」って言う度に「やめてよ!変に期待しないでよ!」(何様だよ。すみません)って作り手でもないのに思うし…「つまんなそ〜。どうせコケるでしょ」って言われる度に「やめてよ!いじめないでよ!」って……

だって、そもそも観客が入らないから東宝が終わらせたシリーズですよ!?日本のゴジラ シリーズが終わったのが2004年。そこから12年経って、なにが変わったって言うんだよ!!!って。2014年のハリウッド版『ゴジラ』が大ヒットして続編が進んでるし、東宝がゴジラ撮影用の巨大プールを壊したりしてて撮りずらくなっていったり。震災の影響も考えると「災害」を連想させる怪獣映画の成立は日本じゃ無理なんじゃないか…とまで考えてました。

もうここ1年心の中がグチャグチャだったんです!勝手にヒヤヒヤしてた!!!

そんな中でいよいよ『シン・ゴジラ』が封切られたわけですが…

そもそも筆者にとってゴジラ、怪獣映画って何なのか?そのへんを書きなぐっていきます。

 

筆者と『怪獣映画』

筆者は1991年生まれ。もちろん昭和ゴジラはリアルタイムで知らない世代です。

ただ、この頃にファンの間では傑作シリーズと呼ばれる『平成ゴジラ シリーズ』またの名は『VSシリーズ』が映画館でかかってた。このシリーズを親父が映画館に連れてってくれて観せてくれてました。そこで熱狂してた思い出があります。当時、映画館に行くと入場者プレゼントで黒いビニールに入った小さいフィギアがもらえたんです。熱を加えると色が変わる。これを集めてました。おばあちゃんちのコタツであっためて遊んでたのをよく覚えてる。

家にパンフレットが残っているんですが、1993年の『ゴジラvsメカゴジラ』1995年の平成シリーズの完結編『ゴジラvsデストロイア』

イタズラ書きをしたりしててボロボロなんですが、コレクションの中に入ってる。

ただ、今思えば…この頃まだ2歳とか4歳なんですよね、僕。でも鮮明に覚えてる。それで言ったら、同じく覚えてるのは1995年の平成版『ガメラ』

同じく親父に連れて行ってもらって、途中で映写のトラブルで映画が止まったていうことまで覚えてる。吊り橋のシーンでした。

僕がすごいのか映画がすごいのか…他のことはほとんど覚えてないのに、映画館で観たシーンを覚えてるんです。それくらいインパクトがあった。これを考えると映画を好きになったきっかけって日本の怪獣映画だったのかもしれません。

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周りは戦隊モノや仮面ライダー、ポケモンに夢中になってましたが、僕にとってのヒーローは完全に怪獣でしたし、カッコ良いのも怪獣でした。そんな幼少時代でしたから、成長するにつれて過去の作品も観るようになっていくんですが、怪獣映画の一体何に惹かれてるんでしょう。

 

あ。もう長い。ごめんなさい。

続きはまた次に書き殴ります!

 

低いところから失礼しました。