新作映画『10 クローバーフィールド・レーン』ちょっとネタバレしてる感想文 〜不快なデブが牛耳るテラスハウス〜

CMやチラシで内容を判断して映画を観ると、良い意味でも悪い意味でも、とんでもない裏切りに合うことが多いよね!

低いところから失礼します。ジャガモンドの斉藤正伸です。

 

『10 クローバーフィールド・レーン』

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あらすじと解説

「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の監督で、ハリウッドきってのヒットメーカーとして知られるJ・J・エイブラムスがプロデュースした謎のSFサスペンス。恋人と別れた女性ミシェルは車を運転中に事故に遭い、気を失う。気が付くと見知らぬシェルターの中で目を覚まし、そこには「君を救うためにここへ連れてきた」と話す見知らぬ男がおいた。男はシェルターの外の世界はすでに滅びたと主張し、ミシェルと男の奇妙な共同生活が始まるのだが……。ミシェル役は「ダイ・ハード」シリーズでジョン・マクレーンの娘ルーシー役を演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッド。監督はこれが初長編作となるダン・トラクテンバーグ。脚本に「セッション」のデイミアン・チャゼル、製作総指揮に「クローバーフィールド HAKAISHA」のマット・リーブスが参加。

 

はじめに 〜日本の宣伝に騙されるな!〜

「洋画を宣伝する日本のポスターとかキャッチコピーってセンス無い」って最近すごい思うんです。

 お客さんを入れるために、映画の内容をわかりやすくしようと「変換」して宣伝してるんですよね。海外に比べて日本は映画のライトユーザーが多いから、「わかりやすく」伝えるためには仕方ないことなんだけど。もう少しなんとかなんないかって思う。ただダサいくらいならまだしも、宣伝によって、映画を観る前のイメージに変な影響を与えて、観た後に「思ってたのと違ったわ…」って思われちゃうのって損。そういう感想って、ほとんどが事前にチェックした宣伝と違うから生まれるクレームなんだと思うんです。本作『10 クローバーフィールド・レーン』もその1件。

左が日本版のポスター。右がアメリカのポスター。

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 アメリカ版ポスターの方が、作品の謎めいた雰囲気が伝わるし、タイトルロゴの下に伸びてる線も劇中の舞台となる地下のシェルターを彷彿とさせてくれて、本作のポスターらしく仕上がっている。けど、日本版のポスターは……うん。実際、観ればわかるけど、こんな追いかけっこするような映画じゃない!でも、わかりやすいのは日本版なんだよなぁ。もし左の印象でSF超大作を観れると思って、本作を鑑賞すると悪い意味で裏切られる。しかも、本作は「何の映画かわからない」という状態で観ることが一番良いので、観るつもりの方はここで読了ストップ!(けど、読んでくれてありがとね♡)速攻、映画館に駆け込んで頂きたい!

 

「ソリッド シチュエーション スリラー」というジャンルの応用

 上記で記した「何の映画かわからない」という宙ぶらりん感覚は本作のコンセプトにマッチしている。映画の冒頭、主人公ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は結婚が嫌になって車で逃避行!その途中に事故に遭い、気づけば見知らぬ地下室に…。手錠で足を固定され、身動きが取れない状態になっていた。そこへ見知らぬ男 ハワード(ジョン・グッドマン)が現れる。「君の命を救った。世界は大規模な襲撃を受け、外に出ることは危険だ」と告げられる。主人公は何を信じたらいいかわからない混乱状態に陥る。テレビはない。携帯は圏外で全く電波が入らない。もちろん、インターネットもなく、窓さえない外部と完全に遮断された状態に閉じ込められる。つまり、主人公ミシェル自身も「何が起きてるかわからない」のだ。予告編やポスターさえ観てない人間が本作を鑑賞したら、主人公と全く同じ心境に立ち完全に追体験することができる。

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 この設定は「ソリッド シチュエーション スリラー」という一時期、流行ったスリラーのジャンルの手法だ。代表作で言えば『キューブ』や『ソウ』シリーズなど。密閉された空間の中にいきなり主人公が放り込まれ、そこへ行き着いた理由を探ったり、脱出を図ったりする映画のジャンルをそう呼ぶ。

 この手の手法は観客を惹き込みやすい。画面に映し出される情報や登場人物(特にその空間で主権を握る人物)の台詞に対してとんでもなく集中するからだ。なんとか少ない情報からヒントを得て謎を解こうとする観客の心をつかんでいく。本作は、このシチュエーションに加えて、面白い点があるので、バシバシ書きなぐっていきたい!

 

ジョン・グッドマンの好演 〜推測できる彼の過去。元はいい奴だったんだよ!〜

 見終わった後に「デブいやだ〜」って思うのが本作。上記で記した主人公ミシェルと同じく地下シェルターの同居人であるエメット(ジョン・ギャラガー・Jr.)を牛耳るのは元海軍(自称)のハワードを演じるのジョン・グッドマン!

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 映画の舞台である地下シェルターに全財産をつぎ込み、その王国で生きる者にルールを強制しているハワード。もし従わなかったり、彼の機嫌を損ねる態度をとれば、とんでもない圧を感じる巨漢パワーでぶちギレる!これ、監督がいやらしいのはハワードのまるまる太ったお腹を必要以上に寄って撮影するカメラアングルを多用したり、デブならではの荒い息遣いまでハッキリ聞かせてるところ。生理的に嫌!!!と観客に感じさせる演出が巧み。また、ぶくぶくに太った体格もストーリーの展開にしっかり活きてる。ミシェルが逃げ出そうとするシーンが幾たびかあるんだけど、ミシェルの気持ち……わかるよ!「このデブなら逃げ切れそう」っていう希望がよぎっちゃうんだよね!

 でも、こういう人類の終末論的な本をどっぷり読んで、もしもの時に備えてる人っていると思う。ここからは推測なんですけど、ハワードってもしもの時のシェルター作ってるおっさんでもあるけど…海軍に身を捧げて、きっとベトナム戦争とかイラク戦争(性格な年齢がわからないので判断できず)でとんでもなく心に傷を負ってる。結果的に家族で失敗している。もしくは、家族を作れなかったんですよ!きっと!!!だから、今更ながら仮の家族を無理矢理、構成させようとしてるんだけど「軟禁」という手段を用いらなけらば接することができない。愛情表現ができない。「失う」という事を常に恐れてるんです。不安なんですよ!ハワードは!そんな過去を持っている。(そうでなければ、ただの変態オヤジ!!!)

 で!こんなハワードを救ってくれたのが今回の「未知の襲撃」なんです。これによって「拘束」する大義名分が出来た。外出させないことを正当化できる非常事態な訳です。人生で1番気持ち良く「ここから出るな!」と叫ぶことができる。よかったな…!ハワード!名作『未知との遭遇』で「未知」が人を救うということはありましたが、本作のようなある意味での「救い」は今まで観たことがありません。(救いと言っても一時的で一方的ですが)

 ちなみに、この生理的にきついデブが主人公を監禁するという設定はトラウマ映画『ミザリー』を思い出させる。

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 主人公は「ミザリー」という本を書いている小説家なんだけど、その熱烈ファンがこのおばちゃん。作者を監禁して、「私の思う通りの展開にしなさい!」と強制的に小説を書かせるというとんでもない映画なんだけど、『10クローバフィールドレーン』を気に入ったなら『ミザリー』も要チェック!

 

オシャレな家もオシャレな車も無い。地下シェルター版「テラスハウス」

 そんなハワードが家主なわけだから、もう1人若い男が同居人となればそりゃもうお互いの想いが交差しまくる愛憎劇。こりゃもう「テラスハウス」な訳ですよ。

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 上記の予告編を観ればわかるけど、なんやかんやあるんだけど一山越えてシェルター生活をだいぶ楽しんでるんです。このシェルターはハワードがめんどくさいことを除けば快適で理想的な物件でございます。「隠れ家」っぽいんです!窮屈なんだろうけど、ワクワク気分。このシェアハウスでの共同生活は3人の想いを察知すればするほど楽しめる。2回目鑑賞したい!オチもすべてわかってるから、チュートリアルの徳井さんやYOUさんらのような解説気分で本作を観ることができる。さて、この3人の運命やいかに…!?

 

「気まずい映画」の傑作

 筆者は「気まずい映画」が大好物である。

 正確にいうと、観ていて「気まずーーーー。ツラーーーー…!」と冷や汗かくシーンが大好きなのだ。

 これは心理サスペンスやミステリーにももちろん多いのだが、「動」の多いアクション映画にこそこの気まずいシーンはよく活きる。黒澤明監督の名作時代劇『用心棒』や『椿三十郎』にも気まずいシーンがあるし、最近で言えばタランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』のレオ様による人種に対する偏見スピーチは劇場でソワソワしてしまった。

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 淡々と描かれてるように見えて、登場人物の心がぐちゃぐちゃぐちゃ〜って動いてる様子を描くのは映画にしかできない表現だ。「静」のシーンに見えて心の「動」く。観てるこっちは「ぅっわ。やっべ〜…大丈夫…!?え…どうなるの??」とドキドキしてしまう。こんな最高の緊迫感を生み出してくれる監督と役者さんに拍手喝采である!

 本作『10 クローバーフィールド・レーン』にも先述した通りのテラスハウス状態も相まって「気まずいシーン」かある。劇場の大スクリーン、大スピーカーでないとこの上質な気まずさは味わえない!ぜひ主人公たちと一緒に「う〜わ、気まじ〜。つらー」っと共感して頂きたいのだ!

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 しかも、本作はこういうシーンがめっちゃある!今年度公開の映画ランキング部門別があるのなら「キング・オブ・気まずい映画」だ!

 おめでとう!!!

 

 スターウォーズ 新シリーズの監督を勤め、今後の『SW』シリーズも手がける乗りに乗ったJ・J・エイブラムスが仕掛ける『10 クローバーフィールド・レーン』を是非、劇場でご覧あれ!

 

低いところから失礼しました!

夏だからホラー映画について片っ端から書きなぐる!② 『残穢(ざんえ)住んではいけない部屋』絶賛!ネタバレ無しの感想文

低いところから失礼します。ジャガモンド斉藤正伸です。

夏だからホラー映画について片っ端から書きなぐる!の第2弾でございます。

今回、扱うのは今レンタルビデオ屋さんで取り扱われている新作!

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『残穢(ざんえ)住んではいけない部屋』

あらすじと解説

小野不由美による第26回山本周五郎賞受賞の同名ホラー小説を「予告犯」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督により映画化。小説家の「私」に、読者である女子大生の久保さんから届いた一通の手紙。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」とい書かれたその手紙に、好奇心から「私」と久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなったのは、その部屋の過去の住人たちが転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、ある真相にたどり着き、さらなる事件に巻き込まれることとなる。主人公の「私」役に竹内結子、久保さん役に橋本愛と人気女優が共演し、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一らが脇を固める。

 

 筆者自身は劇場公開時に足を運び、「こえ〜!そして懐かしい〜!」という思いでもう一度、足を運んだ。

 本作の監督である中村義洋さん。中村さんは1999年から未だに続く人気ホラーオリジナルビデオ『ほんとにあった!呪いのビデオ 〜一般投稿により寄せられた戦慄の映像集〜』の初代 構成・演出。そして、なんと言ってもナレーションを務めているのだ!この『呪いのビデオ』は筆者が1998年『リング』に激烈にビビってた時と同時に流行っていたシリーズで、目を塞ぎながら親戚や友達と一緒に家で鑑賞していた青春のトラウマ映像作品なのだ!知らねーよ!って思う人もいるだろうけど、下記にリンクさせたYouTubeの映像を観てもらえれば「あー。こんなタッチ観たことある」ってなるはず…!下の動画は、今回の『残穢 〜住んではいけない部屋〜』の別バージョン予告なのだが、なんとファンにはたまらない『呪いのビデオ』タッチで作成された予告編になっている!

 

このスタッフルームにカメラが入ってインタビューする感じ、問題の映像を「Replay」する構成…そして、何より独特のナレーション…

 

「それでは問題の映像をご覧いただこう」

「おわかりいただけただろうか」

「…とでも、言うのだろか」

 

この名ナレーションがたまらない。

 

『呪いのビデオ』はノンフィクションタッチだ。他のホラー作品とは違って「作りモノではない」という提で作られてる。その前提が怖い。実在するものを扱っているから。構成においても最初から「問題の映像」を見せないのもうまい。視聴者の興味を煽りまくって、良い意味で余計なインタビューなどを重ねて重ねて…そして、最後に映像を見せる。見てるこっちとしては、通常よりも緊張して集中しながら、その映像を観ることになる。

 この演出が当時、画期的でとてつもなく怖かった。一般の投稿者から送られてくる的なTV番組はほとんどこの手法を使っている。もはや、ホラー作品のマスターピースだ。

 そんな『呪いのビデオ』の構成・演出を担当した中村義洋(監督)and 鈴木謙一(脚本)がタッグを組んでホラー映画を撮ったとなったら観るっきゃない。そして、観てみたらこれが大当たりで最高に面白くて怖かった。

 最近のJホラーは「わっ!べろべろばー!」と驚かせるものが多い。『リング』や『呪怨』などの公開当時の盛り上がりは今では皆無。どんどんネタ切れになっていき、とにかく幽霊を出しまくるという飽和状態に陥っている。が、本作はそういった路線からの逸脱に成功している。

 

ホラーとミステリーの掛け合わせ

 本作はその『呪いのビデオ』の手法を映画にトレースすることに成功している。

 これは『リング』にもあった要素だが、本作はホラーというよりミステリーに近い。怪奇現象が起きるアパートを調べていくと、建物では無くその土地に原因があることがわかり、より深く調べていくとずーっつ前に住んだ人たちの怪事件まで辿りつく。張られていた伏線が少しずつつながっていく。点と点がつながっていくごとにミステリーとしての鳥肌とホラーとしての怖い鳥肌が同時に襲ってくる仕組みになっている。普通、ホラー映画で悪霊が出て来れば霊媒師を読んで退治したりとか呪いを解く方法を探していくのがベタだ。要はいかに「避けるか」ということが話の主軸になっていく。だが、本作は竹内結子演じる主人公「私」はホラー作家で、その「私」へ手紙を投稿する橋下愛演じる久保さんは大学のホラー研究会のメンバーだ。(この設定は後出しなので違和感があるが…)つまり、その問題から避けることをしない。追求して深入りしていく展開になっている。観客も怖いんだけど真相を知りたいからどんどんのめり込んでいく。観客は私と久保さんと同じように推理しながら、追体験として作品を楽しめることができる。

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アイドルは叫ばない

 日本のホラー映画の常になってきているのが「女優やアイドルが主人公で叫ぶ」というお決まりのコンセプト。もちろんこの手の映画に美少女はかかせない!おっさんが悪霊に追われてギャーギャー行ってるよりも画になるし、男性にとっては美少女の方が…なんというか…燃える。本作にも竹内結子と橋下愛が登場しているのだが、全く叫んだり逃げたりしない!上記のような設定も相まってとんでもなく淡白だ。言っちゃえば地味。肝が据わってる。そう。これでいいんだ!

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フィルムの不鮮明さが生み出す「恐怖」

 本作で筆者が個人的に一番恐怖を感じるのは「穢れ」の原因を辿って行き着く昭和より以前の話。その頃の回想シーンや当時の写真やイメージが出てくるのだが、この「古さ」が異常に怖い。最近1998年の『リング』を観て思ったのだが、当時のカメラのフィルム感が映画の恐怖を倍増させている。ザラザラした画面がやけに怖い。今はすべてデジタルになって何もかも鮮明になりすぎて、恐怖が半減している。映像にしろ写真にしろフィルムで不鮮明だからこそ不可解なものが映るリアリティが生まれる。本作はもちろんデジタルで撮影し、古い映像もそういったエフェクトで古く見せてるんだろうけど、そのエフェクトが上手い。映像もそうだが特に写真。昔に資料をめくって貼ってある写真をアップするカットはかなり不気味である。

 

いろいろ書きなぐったが、本作『残穢(ざんえ)住んではいけない部屋』は近年のJホラーとは一線を画す大傑作だ!

ちょっと地味で物足りない印象もあるが、後を引く怖さというJホラーらしさがしっかしある。

ぜひご覧あれ!

 

低いところから失礼しました。

夏だからホラー映画について片っ端から書きなぐる!① 『リング2』(1999)感想分 〜怖くない理由がちゃんとある〜

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤正伸です。

さて、新コーナー

夏だからホラー映画について片っ端から、書きなぐる!

なぜって?

夏だからに決まってるでしょ!!!

 

真面目なこと言いますと…筆者は映画好きと言いつつも、まだまだ中途半端。知人に色んな映画のタイトルを挙げられて「え!?映画好きを公言してるのに、あれも観た事ないの!?」とディスられるという悔しい場面も…

どうしよーーーー!?と嘆いてる場合じゃない!とにかく観て観て、書いて書いて書きなぐらなければならないのです!そんな修行の意味も込めて、今年の夏はまずホラー映画に強くなる!(気合い十分)

読者の皆さん!筆者を育てる想いで見守って頂きたい…!コメントなどもお待ちしてますよ〜!

洋画も邦画もぜんぶひっくるめて、観た事あるものを思い返しながら書いたり、新たに観て書いたりと…とにかく片っ端から書きなぐらせて頂きます!

 

『リング2』(1999)

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解説とあらすじ

不遇の死を遂げた少女・貞子の怨念が乗り移った呪いのビデオが巻き起こす恐怖を描き、昨年大ヒットを記録したモダン・ホラー「リング」の続編。監督は「リング」の中田秀夫。鈴木光司の原作を基に、「新生 トイレの花子さん」の高橋洋が劇場用にオリジナル脚本を執筆。撮影を「岸和田少年愚連隊 望郷」の山本英夫が担当している。主演は「らせん」の中谷美紀。

 前作『リング』の事件から一週間、井戸の中から発見された貞子の死体が解剖された。ところが、30年前に殺された筈の彼女の遺体は、解剖の結果、少なくとも死後1年ないし2年しか経っていないことが判明する。すると、貞子は30年近く井戸の中で生きていたことになる! 遺体の身元確認にやってきた貞子の母・志津子の従弟・山村敬は、思わず貞子の怨念のすさまじさに戦慄を覚えるのだった。同じ頃、貞子の遺体の発見者である高山竜司の死に疑念を抱いた彼の恋人・舞は、幼い息子・陽一と共に行方不明になっている竜司の前妻で事件の鍵を握る浅川玲子を探す為、玲子の後輩のテレビ局員・岡崎に接触していた。

 

 

先日、新作『貞子vs伽倻子』を鑑賞し、見直したくなった『リング』の続編にあたる『リング2』

ちなみに、これより前に『リング』で同時公開された『らせん』も正式な続編なのですが、本作は「もしも『らせん』とは別の展開があったら…」というパラレルワールドになっている作品です。

新作映画『貞子 vs 伽倻子』ネタバレありの感想文 〜山本美月はこの勢いで世界を救うヒーローになる!〜

「貞子VS伽椰子」ネタバレ ーこれはJホラーアベンジャーズー前編  第9回 地雷バスターズ

結論から言うと…

観なくてもいい!!怖くない!!

うん、あっさり!!!

ただ、一定の人にはオススメできる作品です。

 まぁ、これ仕方ないんだと思うんです。前作『リング』で貞子のバックボーンや呪いのビデオのルールとかやり尽くしちゃってるからべろべろば〜的なホラー演出をしていないのが良いところである『リング』はこれ以上は出てこない。

 そもそも貞子ってひたすらビデオを観た人を呪い殺すだけなんです。誠実で真面目な職人のような幽霊。呪いのビデオ観た人がいたら、まず必ず電話をかける。一週間待ってその当日の「ビデオ観た時間」まで正確に記憶しておいて、その時間ピッタリに殺す。そして、帰る。相当な忍耐力いりますよね。地味だし。お客は1人だけじゃないわけ。たくさん抱えてらっしゃる。

こういう職人気質の幽霊だから、しっかり怖い続編を作るの向いてないのかもしれない。

どこにでも現れる自由奔放型幽霊じゃないんですよね。

『リング』のあと、『らせん』『リング2』『リング0 〜バースデイ〜』『貞子3D』『貞子3D 2』と続いていきますが…パターンは一緒になっちゃう。続編とは言いつつもリメイクのような作りになっていってしまう。しかも、今ではどんどん「テレビと貞子」というセットでアイコン化していくし、出過ぎてもう怖くない。マスコットキャラみたいな立ち位置になっちゃってる。

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 で、本作『リング2』が前作の人たちはどうなったか?っていうのが中心に描かれていくわけですが、それと同時に貞子の後継者みたいな人物が出てくるんです。貞子の呪いを受けたけど解かれたり、貞子に殺された人間を目撃してたりとかそういった人物が貞子に選ばれていく。

 『リング』でメインの登場人物に出回ってたビデオは処分されちゃってるんです。ビデオが世の中に復活しない限り職人さんはお仕事ができない。職人さんがイライラしてるわけですよ。「なにビデオ処分してんだよ!呪い止まっちゃうだろ!この貯まった恨みはどうしてくれんだよ!」って。

 だから、貞子は後継者を作って、選ばれた人間たちは無意識のウチに念を飛ばしてる。後継者がテレビに近づいたりすると呪いのビデオの断片的な映像が映し出されたりするわけです。「呪いのビデオ」を新たに生み出そうとするんです。劇中だと「念写」という言葉が使われていますが、この念写によってビデオテープに映像を刻むことができるという理屈。『リング』シリーズの面白いのはJホラーと言われつつもこういう科学的根拠があるところでもあります。

 念力を使える超能者・貞子が死んだから、強い「呪い」になってる。生前の段階ですでに人を殺せる能力を兼ね備えていたんです。そんな貞子なら、死んでてもなんかやってくれそうじゃないですか。説得力があるんですよね。この世に「無念」「怨念」を残して死んだ人間なんて貞子以外にたくさんいるだろうし。でも、そういった人たちでなくて貞子の呪いが成立している。つまり、死んだ事によって力を得た訳ではないんですね。貞子は。これが秀逸な所なんです。

 ホラー映画で悪霊が悪さしてるのとか観てるといっつも思うんですよ。

「恨みを残して死んだ人間なんてめっちゃいるだろうに、なんでこの人たちだけ悪霊になってるんだろう…」

ごめん!野暮だね!

とにかく『リング』シリーズは科学的説得力があるんですね。これのおかげで現実でもあり得るかも?と思ってしまう……

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ちなみに、本作ではまだ髪の毛のある小日向文世さんが医者?科学者?的な立ち位置で呪いのビデオを解明しようと試みます。

 

 まとめると、『リング2』は前作よりも科学的点からアプローチしてる映画でもあるので、ホラーらしくない。SFタッチなんです。だから、怖くない。怖くない理由がちゃんとある。

めっちゃホラー映画やってますよぉ〜って謳ってて全然怖くない映画なんていくらでもあるから、それよりは全然上質!無理のない怖いシーンはあるしね!

『リング』を観て「この人たちはこのあとどうなるんだろう?」気になった人へならオススメです!

 

 

低いところから失礼しました!

 

新作映画『貞子 vs 伽倻子』ネタバレありの感想文 〜山本美月はこの勢いで世界を救うヒーローになる!〜

低いところから失礼します。

「あんまり自覚なかったけど、ホラー映画けっこう好きだな〜」と最近思うジャガモンド斉藤です。

 

『貞子 vs 伽倻子』

あらすじと解説
「リング」の貞子と「呪怨」の伽椰子というJホラーを代表する恐怖の2大キャラクターの共演が実現した作品。「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズや「ノロイ」「オカルト」などホラー作品を多数手がける白石晃士監督がメガホンをとり、山本美月が主演、玉城ティナ、安藤政信らが共演する。その映像を見ると貞子から電話がかかってきて2日後に必ず死んでしまうという「呪いの動画」を見てしまった女子大生の有里。そして、入ったら行方不明になるという「呪いの家」に足を踏み入れてしまった女子高生の鈴香。共に呪いをかけられた2人を救うために立ち上がった霊媒師の経蔵は、貞子と伽椰子を戦わせるという秘策に打って出る。
 
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 1 はじめに

 今回の『貞子vs伽倻子』を扱う前に『リング』について少し触れておかなければいけない。 
 筆者が生まれて初めて観たホラー映画というのは、1998年 中田秀夫監督『リング』だ。と言っても劇場に足を運んだわけではない。当時、小学校低学年だった筆者はこの『リング』を「怖すぎる!」と両親や親戚が騒いでいるのを目にして、すんげービビってた記憶がある!!!なんとか観れたのは、小学校高学年のとき。父に抱きつきながら、ほとんど目を瞑りながら観たが、激烈に恐ろしかったことを覚えている。
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 本作が「Jホラー ブーム」の火付け役となり、邦画のホラー映画は大量生産されていき、このJホラーというジャンルは海外にまで興味を持たれ、影響を与えていった。
 

2 『リング』がとてつもなく怖かった理由

 『リング』の何がそんなに怖かったか?筆者には2つの考えがある。
 1つ目。それまでの怪談や都市伝説とは違った恐怖がこの『リング』にはあった。それは「身近な生活品を呪いの媒体」にしている点である。
 当時、どの家にでも普及していたテレビ。ビデオテープが呪いを伝達していく「媒体」となっているという設定が秀逸だ。これだけ身近なものがこんな扱われ方をしたら、映画を観終わったってその恐怖の後味は続く…。今ではパロディ化しすぎてしまっているが『リング』本編のラストで貞子がテレビから出てくる場面は当時とんでもなく怖かった。このシーンによって「貞子がやってくる入り口はどこにだって存在しているんだ」という考えを観客は植えつけられてしまう。
 ここで言う生活品というのは、トイレだとか風呂だとか冷蔵庫だとか、もっと言えばスポンジとか歯ブラシとかそういうものはダメ!テレビとビデオというのがいい!この絶妙なテクノロジーを駆使してる機械というのが何とも言えないほどに調度良い。「貞子の怨念が込められた」とか言われても信憑性が出てくる。これがDVDや動画のデータとなるとちょっと違う。テープだからこそそのフィルムに怨念が刻み込まれている気がしてくる。この媒体がもっとチープなものにすり替わってしまうと、信ぴょう性も無く、なんだか古臭い話になってしまうのだ
 この「身近な生活品を呪いの媒体」にしたことによって、映画が観終わっても恐怖は続く。どこにでもこのアイテムはあるからだ。
 
 怖かった理由2つ目。それは「貞子の小出し」である。
今回、貞子の相手となる伽倻子が登場する『呪怨』 筆者としては、こっちは全く怖くなかった。
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 『呪怨』はオムニバス形式で作られた映画である。呪いの家に関わってしまった何人もの被害者をぶつ切りで見せていくスタイルだ。つまり1エピソードに必ず俊雄くんや伽倻子が現れる。オチが読めているし、出演回数を重ねすぎていて、二人に飽きる(やめてね、呪わないでね!)度重なる露出によって飽和状態になってしまっているのだ。
 だが『リング』でしっかり貞子が登場するのはラストの真田広之殺しの時だけだ!冒頭で呪い殺される女性(実は竹内結子)だって、貞子が出てくるかと思いきやすぐに葬式のシーンに切り替わる。死に顏が出てくるのだって、しばらくしてからだ。この死顔がトラウマになるほど、怖いの!!!ストーリーも「貞子は一体誰なのか?なぜ呪い殺すのか?」という推理に焦点が絞られ「謎を解く」というミステリータッチの映画に仕上がっている。その謎解き中に貞子の過去シーンであったり、主人公 松嶋菜々子が見る幻覚に近い貞子が登場するだけで、本当に最後までしっかり出てこないのだ。怖がらせるパンチを打つ回数は『呪怨』の方が多いが、『リング』は1つ1つのパンチが的確でジワジワくる。
 つまり「貞子が怖い」ということではなく、「貞子に恐怖を感じる人々」を通して我々は「怖い」と感じる。その方が現実に存在しないものを映し続けられるよりも怖がってる人間を見てるほうが現実味があり感情移入ができるのだろう。
 別の工夫もある。貞子に呪い殺される人々は描かれるが「どうやって殺されるか?」は描かれない。殺されたあとの「死顔」で何が起きたのか想像するしかない。
 だが、そのほうが怖い。想像してほしい。貞子が現れる。ゆっくりと近づいて相手の首を絞めて殺す。殺害として描いてしまうと、人間ぽさが出て怖くないと感じてしまうではないだろうか?じゃあ、こういうパターンはどうか。貞子が現れる。念じられて殺される。うーん…。それも微妙だ。そうじゃない。貞子に殺す意志がはっきり出てきてしまうといけない。貞子に「努力」は似合わない!呪い殺す天才なんだから!まるで「運命」だったかのように相手は死ぬべきである。
 実際に、どうやって殺されるのか?なんて考えるのは野暮だ。昔、友人が「貞子が現れる時に呪い殺されるとき車の中にいたらどうするんだろうね?カーナビのあの小さい画面から小さい貞子が出てくるのかな?あははははは〜」とバカにしていたが、そういうこっちゃない。これが野暮だ!
 どうやって呪い殺されるか?筆者の考えは「怖すぎて死ぬ」だ。貞子に物理的に何かされるとかではなくて、呪われた人間は貞子にって今まで感じたことのない、この世で一番の恐怖を与えられ、命自体が自らの意志で生命活動を停止してしまう。つまり無意識に自殺してしまう!これ!どうだ!?
 とにかく、そういった肝心なところは観客の想像力に委ねるということがホラー映画において重要だ。『呪怨』はあきらかに物理的にどこかへ連れ去れれていく様子が描かれてしまっていて…なんだか入り込めない。

 

3 『貞子 vs 伽倻子』はとは一体なんだ!?

 ということで、前置きが長くなってしまったが、今回は『貞子vs伽倻子』について殴り描かせていただく!
 
 先に結論から言わしてもらうと……
 
 

『貞子vs伽倻子』は

山本美月が世界を救うことになるヒーロー映画のPART1である!

 
 いやいや、ほんとに!
あのサム・ライミ監督 名作ホラー『死霊のはらわた』シリーズだって主人公が無敵のヒーローと化していく映画なんだから日本でもあり得る!
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もちろん理由があるんだ!聞いてくれ!

 

理由1 『貞子3D』での石原さとみ「ミラ・ジョヴォヴィッチ化」計画

 2012年に公開された『リング』の新シリーズ『貞子3D』という映画を皆さん、ご存知だろうか?
 
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 流行りの3Dを取り入れたり、橋下愛ちゃんが貞子を演じたり、プロモーションで貞子が始球式に登場したりと…この頃から貞子はアイコン化していき「恐怖の対象」ではなくなり、Jホラーもジェット・コースターのようなノリになっていった。
 筆者は本作をDVDで鑑賞したのだが…後半は貞子に狙われる主人公・石原さとみがゴキブリの化物みたいになっちゃった貞子を片っぱしからなぎ倒すアクション映画になっていた!
 
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 インターネットで「貞子3D」「石原さとみ」と調べると、「アクション」とか「無双」とか「最強」というワードが出てくるほどになっている。今までのシリーズで貞子によって殺された人間のうっぷんを一気に晴らすかのようにその辺にころがている石ころや鉄パイプでばんばん倒していくのが爽快だった!おそらく角川映画はこの『貞子3D』で石原さとみを『バイオハザード』シリーズのミラ・ジョヴォヴィッチのようにしようとしていたはずだ!!!
 
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 興行的に失敗したのか、なんなのかわからないが、『貞子3D』の続編では石原さとみは降板していた…。いや、降板ではないのかもしれない。今後『リング』シリーズに登場する主人公たちは数年後に集まってアベンジャーズを結成し、貞子軍団と戦うのかもしれない!!
「SCU」(貞子 シネマティック ユニバース)シリーズに挑戦しているのか…!?だとしたら、見たいぞ!だから、どこかのタイミングで片目に眼帯をした黒人が現れて石原さとみはチームに勧誘されるかもしれない…??
 とにかく『リング』シリーズは女性が貞子を倒すヒーローになっていく姿を描く傾向がこの時点からあったのだ!
 新作『貞子vs伽倻子』で新たなヒーローが生まれたっておかしくないでしょ?!
 
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理由2 山本美月に元から備わる正義感がキャプテン・アメリカ並み。

 この映画、主人公の成長は描かれていない!なぜなら、山本美月ちゃんは元からヒーローの素質を兼ね備えているからだ。
 冒頭。大学で、友人(佐津川愛美)と授業を受ける美月ちゃん。大学の教授が「呪いのビデオ」の都市伝説について語っているが、うたた寝をしている。(睡眠不足の理由は全くわからない) ただのちゃらんぽらん大学生か?と思いきや…映画が進むに連れて、彼女の隠れていたヒーローとしての素質が芽生えていく。
 
 
 佐津川愛美ちゃん演じる親友に「両親の結婚式のビデオをDVDにダビングしてほしい」と頼まれた美月ちゃん(なぜだか機械に強いという設定になっている。アベンジャーズが結成された時の複線か…?)は愛美ちゃんと共にリサイクルショップへ。そこで古びたビデオプレイヤーを発見し、即購入!愛美ちゃんと2人でそのビデオデッキを持ち帰ると…中から古びたビデオテープが……怖がる愛美ちゃんをよそに「観ようよ!」と軽いノリでビデオを再生してしまう美月ちゃん。しかし、それは呪いのビデオだった。が、そこに友達からLINEが入り目をそらす美月。結局、あいみちゃんだけが呪われてしまうのだった!
 
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 その後、お祓い専門の住職のところへ行くが貞子の呪いは解けない…。
 キレる親友 愛美ちゃん!「あんたのせいよ!」 その通り!そこで美月ちゃんは「貞子に呪われても他人にそのビデオを見せれば呪いは解ける」という噂通りに、美月ちゃんは愛美ちゃんからビデオを受け取り再生してしまう…。
 自分の失敗っちゃ失敗だが、親友の苦しみを自分が全て引き受けるという決意をした美月ちゃん!もう素質がある!
 しかし、結局その噂はデマでいくら他人にビデオを観せても呪いは解けない。結局、愛美ちゃんも美月ちゃんも呪われるという最悪の事態…だが、ここで取り乱したりしない!正義の味方だから!愛美ちゃんは精神的に参り始め、呪いのビデオの動画をネットにアップするという暴走をし始める…!そこで美月ちゃんが一言!
 
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「世界に広がるこの呪いを止めないと!」

 
キターーーーー!!!
このセリフが来てしまったら、もうただの女子大生ではないのだ!
 
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 美月ちゃんのヒーローっぷりはまだまだ止まらない!後半では呪いの家の伽倻子によって呪われた女子高生 玉城ティナちゃんが登場。ティナちゃんの呪いと三月ちゃんの呪いを戦わせることになる。そのためにティナちゃんを説得する美月。
 
 

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 「私は別の呪いにかかっているの。あなただけでも助かって!」

 

 親友だけでなく、会ったばかりの知らない女子高生に生きてほしいと願う美月!いいぞ!美月!しかも「別の呪いにかかってるの」って台詞なんだ!冷静すぎる!

 

理由3 山本美月は最凶の力を手にいれる!

 クライマックス!貞子、伽倻子の呪いをぶつけお互いを消滅させることに失敗!霊媒師・経蔵を演じる安藤政信に「悪いが、どちらかに犠牲になってもらう。貞子と伽倻子の両方をどちらかの身体に閉じ込めて井戸に封じ込める!」こんなことをサラッと言う経蔵さんに顔をしかめたが、こんな台詞が来たら彼女が手を挙げるに決まってるじゃないか…!!
 
 
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「私がやるわ!」

 
っよ!美月!待ってました!美月!
 
 そして、その最後の手段をとる!先に井戸に落ちる美月。上空で1つになった貞子と伽倻子は巨大な化け物と化して、美月のいる井戸に落下していく…落ちてくる塊を見て一筋の涙を流す美月……そこで画面はフェードアウト。決着がついたと思いきや井戸の蓋が大爆発!「貞子」の服装で「伽倻子」のように四つん這いになって歩く「女性」が登場する!そう。2つの呪いは1つに合体してしまったのだ!!定かではないが、この「女性」というのがおそらく山本美月ちゃんだ!
 
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 ヒーローの素質を備えた美月の身体に貞子と伽倻子という最凶の化け物が取り憑いてしまったのだ!最強だ!もう勝てる相手はいない!
おそらく、次作ではそんな半分化け物、半分人間という山本美月ちゃんが人間側についてゲゲゲの鬼太郎のように妖怪退治をしていく展開になるに違いない…!人間と化け物の狭間で悩みながら戦い続ける山本美月……うん、深いヒーロー映画になりそうである!
 
 
 どうだ!次回作…というか、今後の『リング』シリーズが楽しみじゃないか…!?この世界観が広まっていくなら、日本映画史上かつてない挑戦となる。
 ミラ・ジョヴォヴィッチ化した「肉弾戦」を得意とする石原さとみ。呪いの力を得た山本美月……他にどんなヒーローが加わるのかが気になる。今後に期待したい!
 
 
低いところから失礼しました!
 
 
p.s 『おまけの夜 Podcast』でも本作を取り上げております。よろしければ、ぜひ!
 

新作映画『オオカミ少女と黒王子』感想文 〜黒王子はただの社会不適合者〜

低いところから失礼します。
最近はコラムを書くために映画を観ることが増え、てんやわんやしているジャガモンド斉藤正伸です。
 
 
劇場版コナン君、せか猫など「特殊な一定層の観客」を狙った映画について最近、記してきました。
 
過去の記事こちら。
 
 
そんな映画を観るたびに、周りの反応とのギャップに驚いてきているが、その流れでこんな映画を観に行ってみた!

 

『オオカミ少女と黒王子』

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あらすじと解説
八田鮎子の同名人気コミックを二階堂ふみ、山崎賢人の主演で実写映画化。恋愛経験ゼロにもかかわらず、見栄っ張りで友達と架空の彼氏との恋愛話を語る「オオカミ少女」の篠原エリカ。街で見かけたイケメンの盗撮写真を自分の彼氏だと偽り、友達をやりすごそうとするが、写真の男は女子から絶大な人気を集めている同級生・佐田恭也だった。エリカは事情を打ち明け、恭也に彼氏のフリをすることを承諾してもらうが、その代わりにエリカが飲んだ条件は恭也の「犬」となること。人当たりがよく人気者の恭也の本性は、評判とは真逆の、腹黒で超がつくドSの「黒王子」だったのだ。かくして、偽装カップルとなったエリカと恭也だったが……。監督は「ストロボ・エッジ」「娚の一生」など少女コミックの映画化を数多く手がけている廣木隆一。
 

 
 

はじめに

映画館に貼られているポスターを観た筆者は「二階堂ふみちゃんがいよいよこの手の作品に出しはじめた」と思ったのが、第一印象である。
 
宣伝を見る限り、明らかに「特殊な一定層の観客」を狙った作品であり、本格的な映画とはまた違うトーンの作品だ。
……本格的な映画?いやいや!失礼な!本作も立派な「映画」だ!偏見を持ってはいけない!
 
「なんで二階堂ふみがこういう映画にでるの?」と周りは怪訝な顔をしていたが、これは二階堂ふみ様の貫禄ゆえの「余裕」である。
 
今までヘビーな映画をこなしてきたけど「ここらで、こういうトーンの映画も軽めにいっちょいったりますか」と腰をあげるふみ様の様子が浮かぶ。
 
ちなみに、筆者は2011年の入江悠監督『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まない!』でふみちゃんの叫びながら自転車で疾走するシーンと男を前蹴りする強烈な姿が目に焼き付いて離れない。「ふみちゃん。応援しよう」と一方的に思っていたけど、今ではメジャー女優にのし上がった。
 
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筆者はそんなふみちゃんの軽くいっちょやったりますか的映画をしっかり劇場で観ようと思い、映画館に駆けつけた。
 
 
毎度のことだが、この作品において筆者は完全部外者である。作り手が狙っている層に自分は含まれていない。だから、本作の原作マンガや映画がお好きな皆さん。また、山崎賢人にほの字のあなた。「恋愛にロマンを感じれない輩がまたなんか言ってるよ」くらいな気持ちで軽く受け止めて頂きたい!
 
まぁ、とは言え…本作も映画館でかけられているということは立派な映画!映画には誰もが観て、意見を述べて良い平等な権利がある。
筆者は本作を真正面から受け止めて、しっかりと書き殴らせてい頂く。

 

一 ふみちゃん麦ちゃんの鬼のような地味さ

映画がスタートして、初の二階堂ふみ登場シーンに最初筆者は気付かなかった。
 
というのもふみちゃんが所属する仲良しグループの他4人があか抜けすぎててチャラい。
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廊下を歩くその5人の集団の最後尾にいる二階堂ふみ。
 

完全に浮いている。

イイ。浮いていてイイ。

 
ふみちゃんは、この仲間からはぶかれる事を異常に嫌がる。ゆえに偽装彼氏を黒王子こと山崎賢人にお願いするというこの物語の発端だ。
 
その集団から離れるふみちゃん。彼氏から電話が来た!とウソをつくのだが、その相手は別の学校に通う親友 門脇麦。
 
「あれ!?麦ちゃんも出てるのか!」
 

そう。本作は麦ちゃんにとっての「ここらでいっちょ軽めにやっときますか」映画でもあったのだ!

 
この麦ちゃんも鬼地味!
 
麦ちゃんはふみちゃんに恋愛のアドバイスをする『スターウォーズ』で言えばヨーダ的なポジション。ふみちゃんを導く経験豊富な師匠なのだ。麦ちゃんの大人びていて愛については悟ってるような、まるでアラサー女子のような役柄がハマりまくり。
 
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イイ!この2人が親友……イイ!

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※師匠ヨーダは弟子ルークにしがみついてるが、この写真は弟子 二階堂ふみが師匠 門脇麦にしがみついている。というややこしい写真。

 
 
後のカットでふみちゃん麦ちゃんペアが渋谷で遊んでいる。ここで、山崎賢人に出会うという大事なシーンなのだが、この2人が画面に揃うと地味さが2倍になる。

 

うん!いいよ!いいよ!芋っぽいよ!←とても褒めてる

 
ふみちゃん所属のあか抜け軍団との浮き具合を観た直後ということも相まって、この2人にはこの2人にしか理解できない世界があるという雰囲気がビンビン伝わって来る。
 
「本当はこの子といたいんだ!」というふみちゃんの気持ち。しかし、それは出来ない。麦ちゃんは別の学校だから。
自分の学校の中で居場所を見つけなければならない。
 
一緒にいたけど、出来ない。この歯がゆさがふみちゃんの行動にもつながっていくし、この絶対的不可能をより際立たせるために両者の学校は別けられたんだろう。
原作では同じ学校らしいのだが、それではふみちゃんの孤立が中途半端になり、追い込まれ感が出ないと判断した監督のアレンジは懸命な選択だ。
 

この2人の映画が観たい!

渋谷のあと、きっとこのくだらないヒエラルキーの存在する学校社会を抜け出して、逃避行の旅とかしてくれるのか…いや。それとも学校で怪事件が起きてこの二人が捜査をするのか……うん!そういう続きが観たい!こういう欲求にかられてしまうが、そうはいかない。

ちなみに、ふみちゃんが映画が進むに連れてどんどん可愛く見えてくのはなんでだろう…やっぱり女性は恋すると美しくなってくるのかなぁとらしくないことを考えてみたりもする筆者。

 

二  無駄なものは完全に排除した世界観

本編を通して、気になった部分があったが、そこが本作の大きな特徴を表している。
 
①完全に高校生だけ。大人のいない世界
本作はどこかの私立高校を中心としているのだが、教員が1人もいない!というか、出てこない。もしかして、画面の端に写り込んでいた…?くらいのレベル。会話の中でさえ出てこない。クラスでの話し合いも生徒同士だけで進めている。
教師だけではない。親も出てこない。
ふみちゃんは麦ちゃんの家に遊びにいきっぱなしで、そこに親は出てこず、麦ちゃんの幼い弟たちだけだ。山崎賢人の親も出張とかなんたらで、だーれもいない。
近所の大人もいないし、通りすがりにさえ大人はいないんじゃないかくらいのレベルだ。
本作は大人を徹底的に排除しているのだ。
 
②バスケをやるシーンがあるけど、やってない?
黒王子 山崎賢人のライバル?となる友人 神谷君がバスケをするシーンが出てくる。が……汗は一滴も流れてない!シャツの汚れも全く無し!シミひとつない眩しくらい真っさらな白いシャツを着ている。
この高校の生徒は極度の潔癖性で、しかも新陳代謝が悪いのだろうか…??
 
③主要キャラ以外はロボットでしかない
「呼べば駆けつける女が300人いる」と言ってる神谷君が後半で、女の子を呼んでカラオケ大会をするのだが…そのカラオケは全く盛り上がってない!なんていうか…その子たちの動きが硬い。え?お前ら神谷君好きなんじゃないの!?と疑うほど。映画史上で一番盛り上がってないカラオケシーンはこのシーンだ。
主要キャラ以外の人物たちは記号的で、機械的な動きしかしない。そこにいるだけ。
「恭弥くんなら風邪でお休みだよ」と言う棒読み女子高生のロボット感も半端ない!
 
 
この①〜③で、つまり何が言いたいかというと…

本作は「無駄」を完全に削除したコントロールされた世界

ということだ!…まぁ、無駄ではないのだけれど、あえて「無駄」と使います。

 

カッコイイ山崎賢人とかわいい二階堂ふみと「その他」がそこにいて、本筋の恋愛が進めばもう他は何もいらないのだ。

実写とはいえど、とことんコントロールされている世界。これはもはやアニメと同じ。
「余計なものはいらない!」という極一定の客層に向けたものなのだろう。
役者ではなく完全に作り手側の演出である。

この違和感…どうなんだ!?

 
 
この世界観を踏まえた上で非常に腹立っている「ある事」があるから、筆者はこんなに温度が高い。
 
いいよ!100歩譲って、そういう世界観だとしても。言うたら桐島〜だってそうなわけだし。大人が出たら出たで、物語の進行が遅くなる。わかる。物語の進行に関係ない無駄なものは一切省く!いいでしょう。その演出。

 

じゃあさ…途中で神戸のシーンはなに???

 
クライマックス手前で、主要人物たちは学校の研修で神戸に行くことになる。プレ修学旅行みたいな感じだ。
クラス内で班を作って、自由時間の回り方を計画する。いいじゃん、楽しそう。ふみちゃんと山崎賢人との関係もどう決着がつくのか見もの。でね、その旅行の冒頭に阪神淡路大震災の語り部さんが当時の地震を若い世代に語るシーンがある。
え?このあと、そっちの方向?と思いきや、ただの旅行の中の1つとして差し込まれてるの。バックでその語り部さんの話が流れてて、物語は進行しているくらいだったら、まだわかるよ?けど、しっかりお客さんに聞かせる演出をしてる。
そこが終わったら「はーい!自由行動でーす!」っていうカットに切り替わる。
 

え?

なに?今の。

 
完全にノイズなんですけど!
 
3.11以降、「震災」を踏まえて映画の作り方が変わってきている訳だし、日本人の映画作家としてどうなの?
物語の一部の記号としてそのカットを入れたの???意図がわからない!!!
なんのつながりがあるの?この映画と。テーマと関係してくるの?・・・してないだろ!!!!

キモいよ!そういうの!

 
 

三  愛を語るには若すぎる。

 
黒王子がライバルである神谷くんに対して「本当に守りたいと思える女性と今までに出会ったことあるのか?ないだろ?おれは見つけたぜ」的な決め台詞がある。
まぁ、漫画が原作なのでこういったセリフがあるのは当然かもしれないが…

高校生で愛を語るな!!

大学行って、女で失敗して、遊んで、性病を経てから愛を語れ!!
そんな若くて何を悟ったんだよ!
 
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四 中身は空っぽ黒王子問題

 
ていうか、ドSで黒王子とかいって、ずっと悪態ついてるけど……普通に性格悪いだけじゃない??あと、その性格…疲れない??生きずらそう。
イケメンだったら何やっても良いってことなの?
 
「3回、回ってお手してワンだ」って初対面の女性に向かって言うかね…!?
これまた初対面の玉城ティナの口をいきなりガッと掴んで「この口がきけないくらい縛ってやろうか!」みたいな……
おまえさ、悪役プロレスラーじゃねーかよ、完全に。
 
でも、それでもこの黒王子が成立してるのは、上記の二で書いた完全に無駄なものを排除してるから。大人がいないってのもそうだけど、黒王子はいつもどの友達と遊んでるのかも見えてこない。たぶん、性格上ボッチなんでしょう。唯一いるのは、彼のことを好きでいてくれてる「連れ」のお友達。
要は、黒王子にとって不利な存在は全く出てこないわけ!
姉貴(菜々緒)が説教したりするんだけど、結局、愛ゆえにみたいなことになってる。つまり、黒王子は現実世界じゃ生きていけないんです。「イケメンだからいいんだよ!」なんていう主張は無視するとね…

黒王子はただの社会不適合者だ!

いいよ、それでも。好きだよ!なんなら筆者だって社会に適してはないよ!黒王子になんか夢があるとかやってることがあるとかなら、いいよ。我が道を行けよ!どんなに嫌われても!でもさ。でもさ。本編中に語られてないだけかもだけどさ……

こいつなんもねーじゃん!顔だけじゃん!

ふみちゃんは何で好きになったの???たぶん理由の1つが「実は優しい」ってことなんだけど…なんだそれ!!!誰だってあれくらいは優しいわ。そんな薄っぺらいことで落ちるなよ!恋に!
どうせ恋を描くならもっと中身のある恋愛ロマンを描けよ!もしくは、黒王子と付き合って不幸になるまでしっかり描け!

 

黒王子はこのまま行くと路頭に迷うよ!

 
たぶん、途中で出てきたふみちゃんのこと好きな彼の方が大成するよ!きっと!
 
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五 まとめ

でね。いいんですよ。今まで書いてきた文句は。
本作を観たい一定の客層には関係ないんですよ。
 
けどさ、とどめで言わせていただくと、あまりにも表面的じゃない?これに憧れるって。
男の内面や本質じゃなくて、ルックスやしぐさばっかり重視される映画が繰り返し製作されて、もてはやされる。それが流行して…の繰り返し。いやいや…

もっといい男が世の中にはたくさんいるぞ!!

そこにときめいてばっかじゃ、バカになるぞ!こんな映画ばっかりに出させられてる山崎賢人くんがかわいそう!
 
「まぁ、現実にはあり得ないな」と割り切ってくれてるならいいけれど、映画の中の黒王子と現実の男を比べて「黒王子の方がイイ!現実の男子には恋できない!!!」なんて……いないよね!?いない!そんな人は…!けど…本当にそう思ってる人がいるならば……

 

目を覚ませ!

 
 
低いところから失礼しました!
びゅーーーーん!(言い逃げします)

映画『世界から猫が消えたなら』ネタバレしまり感想文 〜本作を観て流す涙は猫のションベンと同じ〜! 

低いところから失礼します。

たぶん今回は今までのコラムで一番毒っ気の強い「批判」をするつもりのジャガモンドの斉藤です。

やめてーーーー!と思う方は、もうこの時点で読むのやめてね♡♡♡

 

『世界から猫が消えたなら』

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あらすじと解説

映画プロデューサー・川村元気による同名ベストセラー小説を、佐藤健&宮崎あおい共演で実写映画化したヒューマンドラマ。脳腫瘍で余命わずかと宣告された30歳の郵便配達員の青年の前に、青年とそっくりな悪魔が姿を現わす。悪魔は青年に、大切なものと引き換えに1日の命をくれるという。電話や映画、時計など大切にしてきたものが次々と失われていく中、青年は元恋人と再会を果たし、かつての思いや別れの時を思い出していく。親友や疎遠になった父の思いに触れ、亡き母が残した手紙を手にした青年は、人生最後の日、ある決断を下す。「いま、会いにゆきます」などの岡田惠和が脚本を手がけ、「ジャッジ!」の永井聡監督がメガホンをとった。人気音楽プロデューサーの小林武史が音楽を担当。

 

零、はじめに

まず、この映画に対してこれから筆者が言うことは「一方的で偏った意見」と思ってもらっていい。

この映画で感動して泣く人はいる。

事実、本作を鑑賞してる時に後ろですすり泣く声が聞こえた。だから、この『せか猫』を観て本当に感動する人はいるってことなんだから、その事実は否定できない。結果がすべてだ。『せか猫』の製作者が「ある一定層のお客さんを泣かせる」ためにこの映画を作っただのだとしたらそれは大大大成功だ!!!

おめでとうございます!!

筆者の今日のコラムは、非「製作陣が狙う層」のはずなので、いってしまえば部外者。だから、筆者が何をキャンキャン言おうと関係ないでしょ!

だって、泣ける人には泣ける映画なんだから!だが…本作が「映画」である以上は真正面から殴り書かせていただきます!

 

 

結論から言う。

 

全く泣けなかった!

 

 

ある日、筆者はたまたま上記の予告編を観て、ゲロ吐きそうになった。

酷い。

なんて下品な予告編だろう。

「泣ける」=「いい映画」だから来てね!っていう広告。

フィクションとはいえ、人の生命が軽い!ふっわふっわだよ!!

 

「人が死ぬよ!悲しいでしょ!泣くでしょ!だから、来て〜!」

「いつまでやってるんだ?」と感じる閉店セールを繰り返している某スニーカーショップと同じように、ここ数年の邦画もずっとこの手の宣伝を繰り返している。

 

モニター試写会だぁ…!?「お前らいくらもらったんだよ!!」とブチ切れてくなる。

ただし…予告編だけで映画を判断してしまうなど愚行!ということで、今回観てきたのだが…

 

 

 

一、「泣く映画」=「いい映画」だと思っている観客

あれこれ言いたくなるだろうけど、さすがに少しは泣かせてくれるのでは…という期待をしていたが。

泣く人の気が知れない!きっと、その人はこの映画の部分的なことだけを観て涙しているんだろう。「主人公が死んじゃう」「お母さんが死んじゃう」「猫がいなくなっちゃう」という表面的で記号的なことでしかこの映画を読み取ってない。

 

「主人公が死んじゃうよ〜」 →悲しくて泣く

「お母さんが死んじゃうよ〜」→悲しくて泣く

「猫がいなくなっちゃうよ〜」→悲しくて泣く

 

これほどおバカな単純構造はない。

 

「泣く映画」=「いい映画」だと思ってる輩がいる。全く違う!

いい映画だから、泣けるのだ!

 

二、「泣かせるため」の映画を作る製作陣

100歩譲って観客は良いとしよう。泣きに来てるだけなんだから。お客さんに罪はない。

ただ、そこに漬け込む映画の作り手の志はゲスだ。

映画を観ていくと「え?なんでこんなことをするの?」という矛盾しているシーンがたくさんあるが、それは全部「泣かせる」ためなのだと後で気づく……

まずこの映画は一種のタイムトラベルものになっている。(この時点でもうややこしいけど!)

自分の寿命を1日延ばす代わりに「大切なものを1つ消す」というのは現時点から無くなる訳ではなくて、過去から一切その概念自体が消える。(なぜか主人公は覚えてる)

主人公そっくりの悪魔によって最初に消し去られるのは「電話」だ。

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電話が過去から根こそぎ無くなったことによって「主人公は元カノ(宮崎あおい)とそもそも出会ってない」という事実が新たに上書きされ、パラレルワールドが出来上がってしまう。電話が無くなった世界で主人公が元カノに会いに行っても「誰ですか…!?」と怪訝な顔をされる。

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なのに…電話がなくなって、佐藤健と元カノの事実がなくなる前夜に宮崎あおいがポストに入れた手紙が、数日後に主人公の元に届く。それは亡き母の遺言だった。元カノは主人公の母から手紙を預かっていたのだ。

…はい?

いやいや、付き合ってた事実さえ無くなってるんだから、お母さんから手紙を託されたってのはおかしい。

電話がこの世から消えた時点でそれまでの事実はすべて「別の過去」で上書きされ、主人公にとって元カノは存在していないはずなのに!

まぁまぁ。たしかにこれは夢オチ(さらっとネタバレ)なので、主人公の幻想が始まる前に、入れた手紙は届くでしょう。と作り手は言い返せるかもしれないけど…

 

だったら、その届いた手紙によって主人公が自分が「これは夢だ!」と気付くところか、夢オチのネタばらし以降に手紙は登場するべきだ!作り手が勝手に作り上げた非現実的な世界のルールでそういうノイズがあるのはいけない!物語に入れ込めない!

自分らで勝手にの架空の世界を作っておいて、その世界のルールをご都合主義で越えてくる。

なんてこった。

 

じゃあ、なぜこうなってしまうのか?

 

答えは簡単!

 

「泣かせるため」だ!

 

「お母さんが死ぬ直前に渡すはずだった手紙が後々、グッドタイミングで来たら泣けるよね〜」とニヤついてる作り手の顔が浮かぶ。

いやらしい!!もはや卑猥である!下ネタを考えてるに等しい、そんな会議は!

 

そんなのあの傑作SF映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のお母さんの手紙の方がよっぽど泣けるし、熱い涙だろーが!!

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三、記号的なシーンの連続!投げてんじゃねぇよ!!『ライムライト』のDVDを!

監督はCMディレクターの永井聡さん。

だからこそ、どの画面もどこか小洒落ている。日本が舞台のはずなのに、少しファンタジーのような世界に感じる。

「いいなぁ。こういうのあったら憧れちゃうなぁ」と思わせるような小物や小細工で埋め尽くされてる。

一番、気にくわないのは「映画」そのものをただの記号化して乱用していること。

主人公とその親友タツヤ(濱田岳)は「映画」という共通の趣味で繋がっている。主人公よりも映画を観ているタツヤはレンタルビデオ屋で働き、毎日、主人公に映画のDVDを貸している日々を送っている。映画は二人のコミュニケーションのツールになっているのだ。

主人公が大好きな映画がチャップリンの『ライムライト』

喜劇役者の最期の舞台を描いている映画だから、主人公と重なるようにしているんだろうが……

「映画に登場する映画のタイトル、ポスター、セリフには全部意味があるんですよ〜」的な演出は本当にキモい。ゲロ吐く。

『せか猫』を観る層はこれくらいの映画を好んで観るような層じゃないんだろうから「きっと意味があるんだろうな…」「なんか映画が伏線になってるっておしゃれでいいな…」と思わせたいんだろうが…ちょっと映画を観ている人であれば、バレバレの演出…むしろ、物語の大事なネタばらしのキーになってしまっていて、台無し。

作り手(おそらく監督?)が映画好きなのは全然いいけど…映画好きならなおさら、そういった映画への露骨なオマージュをするって恥ずかしくないのかな!??と疑う。

そもそも恐れ多いだろ!

自分の作品をデビット・フィンチャーの『ファイト・クラブ』やチャップリンの『ライムライト』と並べて、「同じ構図なんですよ〜。うへへへへへ…」みたいにする演出は!!

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これでもし、作り手側が「チャップリンもフィンチャーも映画観てません」てアホヅラで言うなら……まだ笑えるよ!

 

でさ、でさ!別にいいよ!映画愛してますアピールという名のオナニーを自分の映画でしたいんだったら!したいようにしてよ!けどさ…!だったらさ

『ライムライト』のDVDの扱いが雑だよ!!

シャイだから…みたいな演出なのかもしれないけど、濱田岳くんが主人公に初めて貸すDVD『ライムライト』を机の上にバ〜ん!と放り投げるんだよ…!??

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投げるなよ!『ライムライト』を!

 

だから、記号的って言ってんだよ!

表面的は使ってるけど、魂感じねーよ!!ほんとに好きなら使わねーよ!!

どうすんだよ、『せか猫』つまんねーって思う層が『ライムライト』とか『ファイトクラブ』観なくていっか!ってなったら!責任取れんのかよ!

 

四、主人公よ!なぜそんなに「生」にしがみつく!?世界には電話も映画も時計もぜんぶ必要なんだよ!

 

本作の一番の問題点は主人公に全く魅力がないことである。

「自分の寿命を1日延ばす代わりに世の中から大切なものを1つ消す」

悪魔からこのルールを聴いて、主人公は「パセリ」と答える

悪魔「いやいや。おれが決めるんだよ」

 

うーーーーん、パセリだったらまだ…理解できるよ。この世からパセリが無くなる!主人公は1日生き延びる!まだ、この選択はわかる。

 

けどさ…電話だよ…!?

 

先人たちが必死に努力してきて積み上げてきた発明『電話』だよ!!??

で・ん・わ

 

しかも、元カノに忘れ去られるんだよ!??それをお前の命と…って。

まぁいいよ。こんなことになるとは思ってなかったんですって言い訳は成立するよ。

次は消すものは「映画」

 

いや!!!ダメだろ…!!!一番ダメだろ!無くしちゃダメだろ!!!ダメだって……あ!消すんかい!!!

 

ていうか、その前に電話がなくなってるってことは…電話を使った映画のシーンはどうなって……いやいや!それどころじゃない。

 

次は「時計」です。

 

ダメに決めってんだろ!ギブアップしなさいよ!泣

 

ていうかさ……生き延びている間にお前は一体、何をしたんだ!?

 

そう。

この主人公。のうのうと生きているだけなんですよ。

映画でも言ってるけど、毎朝なんとなくコーヒー飲んで、なんとなく猫に餌あげて、好きな映画観て…こんな日々が続くのかと思ってた〜…じゃねーよっ!!!

 

そんでもって、30歳。郵便局員。

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……30歳!??

 

おまえ何のために生きてんだよ!

 

てか、もはや郵便局の皆さんに謝れよ!お前なんかより郵便屋さんはちゃんと生きてるよ!

何か目的があるために寿命を止むを得ず延ばしてるなら、まだわかるよ。うん。応援したいよ。「お父さんに伝えたいことがある」「自分が生き延びないと『審判の日』が訪れて世界が核戦争によって滅亡する」とかさ!

だけどさ、あまりにもなーなーに生きすぎだろ!おまえ!

まぁ、いいよ!その方が一般の人は感情移入できるとしようよ!だとしたらさ、もっと主人公の弱い部分丸出しにしてさ「ああ。おれは何でこんなテキトーな生き方をしているくせに、まだ生きていたいんだろう…情けない……」っていう葛藤を見せなさいよ!生々しく描けよ!いいだろ!ダサくて!

ていうか、途中で猫がこの世から消えたって勘違いして、自分の飼い猫であるキャベツを夜中に探して、ワンワン泣いてんじゃねーよ!

おまえのせいだろ!

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「キャベツ〜……どこ行ったんだよ、キャベツ〜…!キャベツ〜…キャベツ〜…!!!」って!

 

重めのベジタリアンかよ。

禁断症状が出てるのか。

 

おい!今のおまえ!パセリ以下だぞ!

 

 

 

あ。ついつい熱くなってしまいましがた…

深夜なのにお客さんは入ってたし、シクシク泣いてる人いるし…喜ばれてることは間違いないんでしょう!

だから…

オススメです!!(無理がある)

 

低いところから失礼しまいした!今回は、ほんとに!

 

実写版映画『ルパン3世』感想文 〜2時間かけて披露し合うモノマネ合戦のランキング発表〜

低いところから失礼します。

今日扱う本作を観て以来、テーマ曲が耳から離れません。ジャガモンド斉藤正伸です。

さすが…布袋寅泰さん……

 

今日はこちら!

『ルパン3世』

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あらすじと解説

モンキー・パンチ原作の名作「ルパン三世」を小栗旬主演で実写映画化。所有する者は世界を統べると言われる秘宝「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」を盗み出すため、鉄壁のセキュリティを誇る要塞「ナヴァロンの箱舟」に挑むルパンと仲間たちの姿を描く。小栗がルパン三世に扮し、次元大介を玉山鉄二、石川五エ門を綾野剛、峰不二子を黒木メイサ、銭形警部を浅野忠信がそれぞれ演じ、日本、タイ、香港、シンガポール、フィリピンの5カ国でロケを敢行。それぞれのキャラクターの出会いから、強大な敵に立ち向かうことでおなじみのチームがいかにして結成されたかを描き出す。「あずみ」「ゴジラ FINAL WARS」を手がけ、近年は「ミッドナイト・ミート・トレイン」「NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ」などアメリカでも映画を製作してきた北村龍平監督がメガホンをとった。「ルパン三世」の実写化は、1974年の「ルパン三世 念力珍作戦」以来40年ぶり。

 

 

みんな地雷映画だと思って、手をつけていない人も多いのでは?

 

それは本作を「映画」だと捉えている君が悪い!

これは2時間かかって披露しあったモノマネ合戦である。

 

モノマネを2時間かけて観るのは体力的にしんどいし、モノマネなのに、なぜかアクションとか会話とかストーリーがあるので違和感があるけれど…ちょっと見方を変えれば世界は変わる。

人のせいにせず、君が変わるんだ!!!

本作は5ケ国をまたがって、お互い練習してきたモノマネを披露し合う超大作なのだ!

監督は『ゴジラ FILAL WARS』『あずみ』の北村龍平!

音楽はあの『キル・ビル』を手がけた布袋寅泰!

実際にモノマネを実践した5人の役者も知らぬ人などいない超豪華メンバー!

小栗旬(ルパン3世)黒木メイサ(峰不二子)玉山鉄二(次元大介)綾野剛(石川五エ門)浅野忠信(銭形警部)

これほどまでに金のかかったモノマネ合戦が今までにあっただろうか?

 

今回は筆者が考えるこの「『ルパン3世』モノマネ大合戦」のモノマネ総合結果をここに記したい!

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というのも、どのネット記事でも本作のモノマネ評価をしていないからだ…!!なんでだよ!!

こんだけ時間と人とお金をかけて一生懸命、モノマネを披露してくれてるのに、なんで誰もそのことを評価してないんだよ!失礼だろ!

おれが順位をつけないで、誰がつけるんだ!!

 

※コラムのパートナーである柿沼キヨシとのPodcast『おまけの夜』で本作を映画として捉えた上でのおしゃべりをしているのでお聴きあれ!

映画Podcast「おまけの夜」 第4回 新企画 地雷バスターズ「ルパン三世」ーボンテージ着た女はエロいぞー

 

 

それでは参る!気持ち良く1位から発表していこう!

 

優勝 ルパン3世 役 小栗旬

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【総評】

手足の長さ、運動能力の高さはルパンと等しい!

冒頭の「こいつは俺が頂くぜ~」から「あ!ルパンだ!」と思わせる彼の力量はずば抜け。

何より…ラストのオチ台詞でもある

「そ~りゃないぜ。ふ~じこちゃ~ん!」(なぜか引きの画)

は圧巻。

「うぉぉ!やられた!完璧だ!」と唸らさられる!

映画が進行する中で、モノマネの精度が上がっているのは旬くんだけ。主人公ゆえに見せ場が多かったというのもあるが、それでも見事だ。

中盤で劇場に侵入しルパンお得意の変装をするシーンにも膝を打った!

「なんだよ!モノマネだけじゃなくてコントもできるのかよ!」

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誰にもばれないようにするのが変装の目的なのに、これじゃあ目立ってしょうがない。

これこそ「そ〜りゃないぜ〜」だ。

欲が出て、完全に笑いを取りに行っているのも、旬くんの力量を見せつけられた点である。

誰もが認める1位だ。

 

 

さて、ここからは難しい。なぜなら、ルパン以外の主要キャラはルパンほど特徴がないためモノマネしにくいからだ。だが、みんな大健闘!

 

2位 峰不二子 役 黒木メイサ

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【総評】途中で見える横乳が最高だから!

 

3位 次元 役 玉山鉄二

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モノマネとか抜きで一番様になってる。似合ってる。イケメン♡

が……冒頭のアクションでコインを投げて危機を脱出する?みたいな意味わかんないシーンがあったり、「お前とは馬が合いそうだ」とルパンから誘われるんだけど、なんで馬が合うのか全くわからないので、マイナス!

射撃が得意なのに、終盤でしか射撃の腕が試されないのも減点!ていうかそもそもあんまり役にたってないから減点!

 

4位 五右衛門 役 綾野剛

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髪の毛の長さとか最高だけど、瞑想に入って悟りを開いたときにおにぎりをすんげー汚く食うからマイナス!

そういう生々しいトーンの映画じゃないはずなのに、このシーンだけなぜだかキモい!

 

最下位 銭形警部 浅野忠信

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ル~パ~ンと叫んではいるけど、無駄に叫んでてうるさいし、本作の中で一番ストレスを与えてくる役なので最下位。

悪玉の証拠がつかめなくて逮捕できないくせにラストは証拠も何もなく勢いだけで逮捕するから、それも減点対象。

そもそも浅野さんはこの役にあってない!無口で感情が読めないみたいな役がハマる方なんだから!台詞しゃべるとなんか棒読みに聞こえるんだもん!感情爆発させる銭形みたいな役はNG!

ちなみに筆者的には、そんな浅野忠信さんの名演技はオムイバス映画『乱歩地獄』の『蟲』だ!

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いかがでしたか!?

ぜひ皆さんもぜひ本作をご覧になって誰が似てたかを考察してみては?

 

引くところから失礼しました!

新作映画に備えよ! 映画『インディペンデンス・デイ』感想(1996) 〜タコ野郎!帰ってきたぜ!〜

最近「え?映画コラム書いてるのに、◯◯は観てないの!?」と芸人からいじられることが多くなったジャガモンド斉藤正伸です。

低いところから失礼します。

時間がもっと欲しい…

 

「新作映画に備えよ!」シリーズは映画館で映画を観に行く前に、フラっと寄って行ってほしい場所でございます。

 

2016年7月9日に公開を控えたローランド・エメリッヒ監督『インディペンデンス・デイ リサージェンス』に備えるぞ!

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20年前に公開された第1作

これはさ、世代的にすんげー観てた映画……!そうじゃない!?

もうテレビの洋画劇場で流されまくってた。何度も観て、何度も感動したのを子供ながらに覚えてる!そんな思い入れもあるので、この予告編を鑑賞してから、書き殴ろうと思う!

 

 

今回扱う映画はローランド・エメリッヒ監督の代表作!

『インディペンデンス・デイ』(1996)

あらすじと解説

宇宙からの侵略というシンプルかつストレートなテーマを、圧倒的なビジュアル・エフェクツで描き出した、紛れもなく1996年を代表するであろうメガヒット・ムービー。7月2日。何の前触れも無く世界中の上空に姿を現した直径24キロに及ぶ巨大UFO。混乱の中、元戦闘機のパイロットであるアメリカ大統領ホイットモア率いるアメリカ・サイドは、交流を求めるためUFOとの交信を試みる。が、UFOからの容赦ない攻撃が開始され……。

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もうずいぶんと見直していなかったので、TSUTAYAで即レンタルし鑑賞!

当時テレビで観てた感覚を取り戻すためにあえての吹き替え版で鑑賞したんだけど……

あれ?なんか違う!!!

違和感を感じて、YouTubeをサーフィンしたら『吹き替えの帝王』シリーズの予告編を発見!(上記のやつね!)

テレビ朝日版の吹き替えの一部を目撃…!

そうだ!!これだ!幼い頃に録画した本作をVHSで何度も何度も観まくったやつだ!

 

「タコ野郎!帰ってきたぜー!!!!」

「今日が人類の独立記念日である」

 

そうそう!この感動だ!間違いない!

残念ながら、レンタルビデオ屋には帝王が置いてないので、もう買ってくれ!!!もう全然違うからね!DVD鑑賞しながら、感動して泣く準備してたのに、全然台詞違うんだもん!まぁ、それでも泣いたんだけど!

 

こんなにテンションは高いけれど、改めて観て冷静になるといろいろあったので、書きなぐりたいと思う。

 

まず、監督のローランド・エメリッヒ(以下、エメちゃん)

彼は1998年にハリウッド版『ゴジラ』の監督であるという日本人にとってはとんでもなく悪名高い監督でもである。本作で子役がキングギドラのフィギアを手にしてるから「ゴジラのオマージュだ!」って思うけど、実はゴジラ自体好きでもなんでもないらしい!そんなんでゴジラのメガホン取るんじゃないよ!

まぁ、そんなことは置いておいてこのエメちゃん。

この世で一番地球を破壊してる映画監督!

一応、本作はSFっていうジャンルにはなるんだけど、ほぼディザスタームービー(災害や大惨事など突然の異常事態に立ち向かう人々を描く映画のジャンル)←ウィキペディアさん、あざっす。

宇宙人の侵略という古典的なプロットなんだけど、人類はその侵略になす術が無くボコボコ状態。本編観ればわかるけど、都市の破壊のされ方は尋常じゃない!ここは今観ても圧巻!宇宙人の登場も少なくて、人類の団結に焦点が当てられてる。エメちゃんはのちのちディザスタームービーの監督みたいな肩書きになっていくけど、この時点ですでにそうです。

都市破壊シーンはやりすぎだよ!って笑えるくらいに豪快だし、クリーチャーはちゃんと気持ち悪くて、コンピューターグラフィックが使われてない生々しいVFXは大好物!そこは文句なし!だけど上記の通り、本作はほとんど群像劇が軸になってるんです。この群像劇、人間描写がちょっと…

宇宙人が攻めてきた時にアメリカ各地でいろんな人間模様が展開していて、映画が終盤に差し掛かるとその人物たちが偶然にも一気に基地に集まったりしちゃうからそういうところは強引だし、ご都合主義。

群像劇だから登場人物内で実は関わってない相手とかも出てくる。だからこそ…誰が誰と何を知っててとかっていう部分が複雑。そういう部分であやふやになってるけど、冷静に考えると「あれ?こいつらいつこんなに仲良くなったんだっけ?」っていう疑問も湧いてくる。

特にこの2人。

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シールドを張った宇宙船を撃破するために、マザーシップに潜入するというミッションに挑む超キーパーソンズ。性格正反対の2人の掛け合いが良い。直前にウィル・スミスが子持ちの恋人と結婚式を挙げたりするんだけど……ん?この2人はいつ仲良くなった…?100歩譲って仲は良くないとしても、この2人がタッグを組むというよって生じるハレーションが全くない。だから、作戦通りに任務を遂行するだけになってる。こりゃもったいないよね!だったら、右のメガネ(ジェフ・ゴールドブラム)が昔、喧嘩してぶん殴ってしまった仲の悪い大統領とこのミッションに挑んだ方が…面白くなるよね??

つまりさ、あまりにも人物が多くて、風呂敷を広げすぎなんだよね。そのせいで最後の畳み方が雑!慌てて、てんやわんやしながら、なんとか畳んで終わらせてる。これがもうちょっとシンプルになったのがマイケル・ベイの『アルマゲドン』なんでしょうね。

筆者的なワガママなんですけど、こいつにスポット当ててくれ!!と思うのが「タコ野郎!帰ってきたぜ!」を叫んだおじさん。

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このおじさんは10年前にエイリアンに拉致されてるんです。それ以降で彼の人生は狂っていく。周りからも変人扱いされて、誰もエイリアンの話を信じてくれない!彼の話を聞いていれば、もっと早く手を打てたかもしれないのに…!この人物設定ってスピルバーグの『未知との遭遇』にも似たようなのがあるんです。

『未知との遭遇』の主人公はずっと宇宙人の存在を信じていて、研究に没頭してるんですが孤独なんです。1人ぼっち。誰も彼のことなんて信じないから。けどね、ラストで宇宙人は実在していて、宇宙船で宇宙に連れて行ってもらえるんですよ。もう地球に友達がいない彼にとってそれは「救い」なんです。このラストの良いっすよね。彼を救えるのは宇宙人だけなんです。人類じゃない。孤独だった彼を救ってくれたのは宇宙人だったんです。だから、ほら。チラシのキャッチコピーを観てください。

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「We are not alone」

「我々は1人じゃない」

 

人類からしたら宇宙人がいるかもしれないっていう可能性を示唆するコピーでもあるんですけど、翻訳を少し工夫すると主人公についてのコピーなんです。

スピルバーグらしいですよね。宇宙人を脅威としてではなく、希望として描いてる。

『インディペンデンス・デイ』でかつてタコ野郎に拉致されたおっさんと似た状況なんです。誰も信じてくれなかったエイリアンは存在したし、自分の人生をめちゃめちゃにしたエイリアンにリベンジを出来るチャンスが来た訳なんです!このおじさんがエイリアンと戦うべき一番の人物なわけ!このおじさんはクライマックスでパイロットとしてエイリアンに立ち向かい、ある結末を迎えるんですけど……

ここさ〜もっとちゃんと描いてくれよぉ!

観たかったよぉ!一番スポットを当てるべき人物でしょぉ〜!

ここ掘り下げて、もう少し違ったアプローチをしてたら本作は歪な傑作になっていたはずです!もったいない!

結局、いかにもアメリカ万歳映画にまとまってしまってるんですよね。アメリカ人の群像劇にして、みーーーんな凄いよね!アメリカって素晴らしい!万歳!っていう風に思わせる映画にしか見えなくなってる。

だからこそ!!あのおじさんを!!国じゃなくて人物についてもっと描けていれば……

 

……っは!かつて幼い頃は純粋に楽しんでいたのに…気付いたらへ理屈ばっかり……だらだら文句言ってますが、普通に楽しめるから観て損は全く無い!ていうか、これ観ちゃえば、もう宇宙人侵略系映画は観なくても良いくらい代表作なので、是非とも!

 

低いところから失礼しました!

 

新作映画に備えよ! 中身は無いけど「お化け」にキュン♡ 『ゴーストバスターズ』(1984)感想分

低いところから失礼します。

何度も言いたくなるハリウッド女優の名前はヘレナ・ボナム=カーター。ジャガモンド斉藤正伸です。

 

………ヘレナ・ボナム=カーター!…気持ちイイ〜

 

リメイクや続編モノ映画が公開されまくるこの世の中で「予習しときたい!」という優等生もいれば「前のやつ観るのだりぃ」と抵抗を感じる人もいるでしょう!

「新作映画に備えよ!」シリーズは映画館で映画を観に行く前に、フラっと寄って行ってほしい場所でございます。

今回はリメイク版『ゴーストバスターズ』(2016)に備えよ!でございます。

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ずいぶん前から『ゴーストバスターズ』続編の噂が飛び交っていて、ビル・マーレイが続投する?しない?とかのニュースで賑わっていましたが・・・結局、続編ではなく「女性を主人公にしたリメイク」つまり、仕切り直して制作ということで一件落着!

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最近になって予告編も公開されたなんですが、筆者としてはそこまで本作にテンションは上がらず・・・まぁ、期待せずに観ようかな〜くらいのモチベーションでした。

 

が・・・

 

今回、ゴーストバスターズの受付役で登場することになったクリス・ヘムズワーズ(ヘムちゃん)にスポットを当てた特別映像を観て、爆笑してしまったのです!

 

なんだよ!普通におもしれーじゃん!

ヘムちゃんは、アベンジャーズシリーズでマイティー・ソーを演じてる兄ちゃんです。

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そー!ソー!こいつ!こいつ!

 

もともとソーって、神様の息子みたいな設定のヒーローでアベンジャーズシリーズでも、文化や習慣の違いで笑を取る描写が多いんですが…まさか、ここまでヘムちゃんにコメディセンスがあるとは…とりあえず、その映像を観て!

 

ね??面白くない!?

 

こんな言い方するのあれだけど…

マイティー・ソーはバカが似合う!

いや、バカが似合うからマイティー・ソーが似合うのか…?

ソーの格好ってバカバカしいもんね!へへ!

 

とにかく、この映像を観てグッと心が惹かれました。ちょっと期待してきちゃった!

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ということで、今回予習したのはこちら!

 

『ゴーストバスターズ』(1984)

解説とあらすじ

幽霊退治屋「ゴーストバスターズ」を始めた3人の科学者の周囲で次々に起こる幽霊騒動と、ゴーストバスターズの活躍をSFX満載で描いた娯楽作。ニューヨークの大学で超常現象を研究していたピーター、レイモンド、イーガンは、目立った成果をあげることができず、ついに研究費を打ち切られて大学を追い出されてしまう。3人は幽霊退治稼業の「ゴーストバスターズ」を立ち上げ、高級ホテルに巣くう幽霊を本当に退治したことから、一躍世間の注目を浴びるが……。クライマックスに登場するマシュマロ・マンは必見。レイ・パーカー・Jr.による主題歌もヒットした。

 

 

まず、気になったのがこのチラシ。

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1人いない…

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ちょっと人種差別的なことを連想しましたが…んなことはないか!途中からメンバーに加わるからだよね……うん!

 

ということで、筆者は昔、何度か本作を観たのは記憶にあり「シガニー・ウィーバーが突然エロくなる」ってことと「マシュマロマンがでっかくなる!」くらいしか印象になかったのでちゃっかり観直させていただきました。

結論から言うと…

 

笑えるほど、話に中身がない!!!

 

うん、こりゃ覚えてるはずもないのか!

誰も何にも成長しないんですよね。変化と言えるのは、主人公のビル・マーレイが好きだった女性 シガニー・ウィーバーを手にいれるってことくらいなんです。あとは、バスターズがラストではニューヨーク市に全面協力されるみたいなくだりはあるんですが…。そもそもバスターズ自体がハチャメチャやってるのに、最初から人気だから負け犬たちのリベンジ感もない。主人公らに悩みも葛藤もない。ベースがコメディってこともあるかもだけど、ぶち当たる壁もスラスラと越えていっちゃう。カタルシスが全く無いんです。

面白いですよね、こんな作りで成立しちゃうんです。時代なんでしょうか…

ただ、この映画のパワーはそういうところじゃないと思うんです。

映画のアイコン化に成功してる。

本作って超絶有名な「テーマ曲」と「ロゴ」が作品の質云々を飛び越えて有名になってます。

「映画の内容は知らないけど、曲とロゴは知っている」

って人多いんじゃないでしょうか。

これってある意味、映画自体にとっては不利ではあるんです。映画の内容とは関係ない部分で自分たちが勝手にハードルが上がって観てみると…っていうパターンがありますから。で、実際に映画観てみると……スッカスカ!っていう。

でも、映画としては傑作とまでは言わないんですが、映画が巻き起こすべき「現象」としては大成功してる!

曲を聴けば何の曲かわかる名曲だし、最近だって朝ドラの『あまちゃん』で杉本哲太が歌ってた。ロゴだって、ファッションとして取り入れる人をよく見かけます。ここまで長年浸透してるのって他に無い。

そんなことを踏まえると、何にも考えず踊りながらでも、表面的なことで本作を楽しんじゃえばいいのですよね!

つまり、本作について…となってもあんまり語る事ないっちゃないんですが!!笑…筆者的に書き殴りたいことを書きます!

 

この『ゴーストバスターズ』はですね、近頃失われつつあるものを扱ってくれてるんです!(こういうと中身ある映画かと思われるかもですが、ないよ!)

 

それは…

幽霊じゃなくて!お化け感がイイ!

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ホラー映画に登場する悪霊は「幽霊」と「お化け」に分類できると筆者は勝手に思ってます。

ちょー簡単に説明すると…

「幽霊」は死んだ「理由」があって「怖い」

「お化け」は死んだ「理由」がわからなくて「可愛い」

 

映画に登場する悪霊のほとんどが、幽霊です。

例えば貞子は「幽霊」です!まずもうルックが怖いし、死んだ理由とかがちゃんとあって、その怨念を元に生きてるから(生きてはないのか…)しかも、しっかり人を殺そうとする。

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でも、本作に登場する幽霊は死んだ理由もよくわかんないし、可愛い!…いや、ブスか!少なくとも怖くはないでしょ?

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なんか愛くるしいでしょ?

「幽霊退治」よりも「お化け退治」っていうほうが、ゴーストバスターズには合ってるんです。

バスターズは退治の仕方が超雑なんですよね。普通は悪霊が現れたら、霊能者がその幽霊が死んだ原因がどーのとか成仏させるために呪文がどーのとか儀式があーだこーだってなって、時間をじっくりかける。オカルトチックな話になるんです。けど、バスターズは違う。成仏させるとかじゃなくて、科学の力を利用して、問答無用で捕まえて閉じ込めるんです。見た目通りツナギを着た業者さんでしかない。

ここで、その悪霊はなぜ死んだのか?なんで悪さをするのか?とか追及していくと、捕獲して監禁なんていう荒っぽいことはできないし、悪霊にそういった悲しいバックボーンとか感情を持たせると「え?なんで話を聞かないで閉じ込めちゃうの?」って観客が悪霊に同情してしまうんですよね。そうなってくると、全く違う映画になっちゃう。

だから、本作では幽霊っぽさよりお化けっぽさが、見え方として大事なんす!

ちなみに、邦画だと傑作『学校の怪談』のテケテケがパペット感も相まって一番それに近い!

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まぁ。可愛い♡

 

こういう「お化け」が出てくる映画ってほんと全然無いんですよね。悪霊が怖がらせる道具と化してしまっている!

可愛い〜♡好き〜♡と好感の持てる描き方だって必ずできる!それくらいお化けにはポテンシャルがあるんですよ!日本の妖怪なんていうのは、まさにこの「お化け」の原点と言える!

 

あ。こんなに熱く書き殴ってますけど、映画に中身はないですよ!!(何回も言ってるけど、悪口じゃないですからね!)

 

ヘムちゃんの件もあるし、お化けへのワクワク感もあるし、今年公開される『ゴーストバスターズ』2016年版に超期待しております!!!

今回は…中身がちゃんとある……はずだ!!だって2016年だもの!!

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低いところから失礼しました!

 

 

新作映画に備えよう! こ……これは…!? 全員ラリってるぜ!『アリス・イン・ワンダーランド』感想文

低いところから失礼します。

ジャガモンド斉藤です。

 

リメイクや続編モノ映画が公開されまくるこの世の中で「予習しときたい!」という優等生もいれば「前のやつ観るのだりぃ」と抵抗を感じる人もいるでしょう!本コラムの読者にはこの後者が多いはず!(完全に勝手な偏見です!でも、あってるよね?笑)

「新作映画に備えよう!」シリーズは映画館で映画を観に行く前に、フラっと寄って行ってほしい場所でございます。

そして、本日は…

 

7月1日に公開される『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』に備えよう!

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前作の第1作目『アリス・イン・ワンダーランド』が2010年公開。

当時、筆者が本作のチラシやポスターを見た印象としては「ティム・バートン監督がジョニー・デップとまた楽しそうにやってる」「アン・ハサウェイが可愛い」くらいな気持ちで、劇場には足を運びませんでした。なんというか…ジョニー・デップのクセのある演技にそこまで筆者はハマれてないです。ティム・バートンも『シザーハンズ』や『バットマン』シリーズは好きだけど、最近あんまり惹かれない。しかも、ディズニーということで子供向けか…という勝手な印象でした……そして、今回、新作が公開されると聞いて…「え?前作ってそんなに興行収入よかったの?評判よかったの?」と。「自分のあのときの判断は間違っていたのか!?」それを確かめたくなりDVDレンタルに踏み切りました!

 

『アリス・イン・ワンダーランド』

あらすじと解説

ティム・バートン監督がルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を元にアリスの新たな冒険を描くファンタジー大作。19歳に成長したアリスは、幼い日に地下世界を冒険したことを忘れていたが、ある日、洋服を着た白ウサギを目撃し、その後を追って再び地下世界へ。するとそこは独善的な赤の女王に支配されていて……。タイトルロールに新人ミア・ワシコウスカ。共演にジョニー・デップ、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム・カーターほか。

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結論的から言います!

続編、観たい!(笑)

ただ…!

それはなぜなのか!?書き殴らせて頂きたいと思います。

 

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筆者は原作未読。アニメの印象もうす〜い状態で本作を鑑賞。

 

19歳のアリスは大好きだったお父さんに先立たれ、自分が生きる世の中に「なんかつまんね〜わ」と退屈している。パーティー会場に向かう馬車の中で、お母さんに叱れれています。アリスがストッキング履いてこなかったりするわけ。「失礼でしょ!」と母親に叱られるんだけど、「そんな仕来り誰が決めたんだよ!」と反抗!ここの不貞腐れてる思春期っぷりが可愛い。パーティー会場について、男性と踊ってるんだけど急に笑い出して「男がドレスで女がスーツを着たら…って想像してしまって…」というずいぶんご機嫌な子なんですね。このぶっ飛び方がワンダーランドに訪れた時のアリスの落ち着き具合に説得力をもたせてくるんだけど。そのパーティー会場で貴族からプロポーズされるサプライズがあることを事前に聞いてしまうアリス。まぁ、どう考えてもアリスは気乗りしてないわけ!「マジかよ…結婚かよ…」そんな時、草陰に服を着たウサギを発見!追いかけるアリス!あれ?ウサギがいない!と思ったら、結婚に乗り遅れ、すっかり老け込んでしまった叔母を発見!

 

アリス「叔母さん、ウサギを見なかった?」

叔母 「邪魔しないでおくれ。いまフィアンセを待ってるんだから…」

 

ギャーーーー!こんなババアになりたくないーーーー!

早めに結婚しなきゃいけないのかしらーーーーー!?

ってアリスはなってる。

そんな現実から逃げるように再びウサギを追いかけるが、こんどは途中で自分の姉貴の旦那が別の女性とディープキスをしてるところを目撃!!!「あら…まぁ…」と完全に『家政婦は見た!』市原悦子状態。

 

義理の兄「いや…彼女とは…以前から親しくて…」

 

無理がある。

 

アリス「ずいぶんと親しいのね」

と皮肉を一発。

 

ギャーーーーー!

結婚しても結局こうなるのかしらーーーー!?

と内心でアリスは思ったに違いない。

 

プロポーズ直前に結婚出来ない究極と、結婚した時の究極を見せつけられてしまう。こりゃ、嫌になる。子供向けの映画とは思えないドロドロ感の冒頭で観てるこっちも早くワンダーランドに連れてって!という思いに駆られてしまう。

相手の貴族も胃が弱くて、虫が苦手で、ブサイクという完全ワケあり物件。いま、考えてみればこいつの事がただただ生理的に無理だったのかもしれない……

結局、プロポーズの答えを保留にしウサギを追いかけるアリス。

(ウサギって「プレイボーイ」の意味もあるから…「結婚なんかしねーで、これから遊びたい」という思いでアリスがウサギという名の「男のケツ」を追いかけていたのでは!? このアリスビッチ化説も続編に反映されるかもしれないので、一応ここで提唱!)

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そして、穴を発見し。あ〜れ〜〜〜と落ちていき…ワンダーランドにたどり着く。

そこでは体が大きくなるケーキがあったり、体が縮むドリンクがあったり、ウサギや猫、動物が喋ったりする不思議な世界。最初は夢だと思うアリス!

動物たちが喋ってても「これは夢だわ!」

凶暴な動物に襲われても「これは夢だわ!」

痛みを感じてても「これは夢だわ!」

映画が始まって1時間30分。クライマックスで青い芋虫に「これは夢じゃない。本当に存在する世界だ。アリスが幼いころよく来てたじゃないか」とやっと説明してもらい、ようやく気づくアリス。

「そうか!これは夢じゃないのね!」

 

いやいや…早めに誰か教えてあげてよ!!!

 

「いやいや、夢じゃないんでしょ?誰か言ってあげてよ」と1時間30分ずっと思ってたが、あまりにも種明かしされないので「え……?もしかして夢オチなの!?」とヒヤヒヤしちゃったじゃないか!

他にも「早く言ってよ!!」という点がある。

アリスはこのワンダーランドを救ってくれる救世主と預言の書に書かれていて(アリスが救世主の理由もよくわからない)そのためにアリスは案内役のウサギによって連れて来られたという設定。かつては平和だった国が、赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)によって民衆が苦しむ世界になってしまった。

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この赤の女王の元にいる強力な怪物を倒せるのはアリスだけ!そう預言の書には書かれている。だから、民衆はアリスを必要とするし、赤の女王からすれば「アリスの首を刎ねろ!」とヤケになっている。不思議の国に迷い込んだアリスはこの赤の女王と対立する白の女王(アン・ハサウェイ)の元へと急ぐ……

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え?…そもそもこの国は「アリスの想像によって生まれた国なの?存在はしない…?それとも本当に存在してて、そこにアリスが迷い込んでるの?」たぶん、後者なんだろうけど、青色の芋虫は何にも言ってくれないし、ジョニー・デップもずっとハイなだけで何にも教えてくれない…。100歩ゆずってそこは目を瞑りましょう。観客の想像に任されたとして。なんで赤の女王は、こんなことをしたの??対立の原因はなんなの…?これこそ最後にわかるのかなと思ってけど、誰も何も言ってくれない!!!

芋虫!教えてよ!

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なのに、アリスは「赤の女王を倒すわ!」と決心して、立ち向かう!

おい!アリス!

あんなに「夢だわ!」と目の前のすべてを疑っていたのに、理由がわからない戦争で命張って大丈夫なのか!!?

 

仮にこの対立の原因が明かされなくとも、アリスなりの決心する理由が欲しい…

そして、まだある!

アリスが赤の女王から逃げ出し、やっと白の女王の元へたどり着く中盤

 

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白の女王「お姉ちゃん、元気?」

 

え!?

 

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これ…姉妹!?

 

言ってたっけ?笑

 

実家の母親が一人暮らしの家に遊びに来て「そういえば…実家のお姉ちゃん元気?」と会話がなくて気まずいので、聞きました。みたいなノリで出ちゃうんだ!ちゃんと説明してよ!!

 

そうか!わかった!

 

姉の美しすぎる妹への嫉妬から生まれた対立なんだ!絶対そうに決まってる…!

 

本作は「ちゃんと説明してよ!」と思うところが何箇所もある。何もかも当たり前のように進んでいく。だが、これは悪口ではない。なぜなら、ここは我々観客は「ワンダーランド」に迷い込んだアリス自身だから!アリスよりアリス!そういう映画だから!

 

この国のノリについてこれないやつはアリスの資格がない!帰れ!!!

そういうことなのだ!

 

そんなワンダーランドの住人は最高にぶっ飛んでる。

「大丈夫か?こいつ?」と思う登場人物がたっくさん出てくる。で、唯一の人間であるアリスはアリスで頭がぶっ飛んでいるので、会話は出来てる。

 

仮説ではあるんですけどね、たぶんですよ?たぶん…。好きな人怒らないでくださいね。

 

ワンダーランドの住人は…クスリに手を出してる。

 

それくらいラリってるんです。

 

たぶんアリスもやってますね。ワンダーランドの最初にあった液体の薬と白いケーキが怪しいです。もしくは、あのバラか…。

おそくらく監督のバートンも……いやいや、わかりませんよ!!??仮説ですよ!

 

「全員、悪人。」

ていう映画はありますけど、

「全員、ラリってる。」

ていう映画は無いじゃないですか。

 

でもこの狂っているってすごいキーワードなんです。

真面目に言うと、本作は「狂気の中で正気を得る」物語だと解釈できます。

アリスは戦いを経て、人間世界に戻ります。

戻ってから、貴族のプロポーズを断り、叔母には「王子様は来ないわ」とバッサリ。姉の旦那には「ずっと見張ってるわよ」とギラリ。

この世を去った父が描いていたビジョンをより広げていこうとアリスは就職します。

すごい淡白なクライマックスなんですよね、これ。なんの熱もない。さらさら〜って。でも、アリスの顔はスッキリしてる。何かを得てるんです。もしかしたら、ワンダーランドより現実の世界の方が、狂っているのかも…

自分が想像してた世界が実現していたことによって、世界の広さを感じて、成長した。のか…信じれるものが出来て、この世で生きる自信がついたか…このアリスの成長理由は色んな捉え方ができると思います。とにかく、狂った世界でアリスは自分の世界で自分と向き合っていく。挑戦していく決断をしたことは事実です。

そんなアリスは今、どうなっているのか・・・!?

おそらく、就職した会社が嫌になってクスリに手を出し再びあの世界へ…みたいな話だとは思うんですけど〜

まぁ、全員ラリってる映画の続編が出るってなったら、観るでしょ!!!

しかも、今回はワンダーランドの秘密がわかるらしいので本作で疑問に思った箇所のアンサーが続編にはあるのかも…

 

 

低いところから失礼しました!

 

P.S 本コラムへの感想、ダメだし、お便り、コメント…お待ちしております。特に原作ファンの方いらっしゃいましたら、ご意見ください!