映画コラム

低いところから失礼します。

 

最近、ゾンビ映画を鑑賞する機会が増え「籠城」にロマンを感じているジャガモンド斉藤です。嗚呼、一夜でいいから籠城してみたい。

 

HuluやNetflixなどのネット配信サービスで映画がタブレットや携帯端末で手軽に観れちゃう世の中で「映画は映画館で観なさい!」という古臭い主張をされたらイヤ?

映像の質、音の質、環境……最高の設備を持って映画を体験するべきだという理由も、もちろんあるけど筆者が主張する理由はもう1つある。

映画は映画館で観よう。なぜなら…

 

映画はお祭り

 

だから。

映画は映画館だけに収まる娯楽ではなく、あらゆる分野に飛び火し、社会を巻き込む「現象」でもある。

公開終了までに過去作や関連作を鑑賞(ここはネットやDVDでいいからね♡)し、SNSやネットでその映画の反響をサーフィンし、ユニクロでコラボTシャツ着ちゃって、グッズなんかも買っちゃったりなんかして、浮かれた気分で劇場に足を運ぶ!映画館の外に出ても、その作品を感じ、取り入れて、みんなでワイワイ騒ぐのだ。

日本が生んだ巨匠 黒澤明監督は

「映画は世界の広場である」

という言葉を残した。

映画は「文化や言葉、習慣の違いを感じながらも、個人や人種を乗り越えて感情移入することができる」という意味合いなのだが「他者と一緒に同じものに熱狂する」というこのお祭りも、それに近いものがあるのではないだろうか。

みんなが熱狂するほど思い入れの強い作品だからこそ、感想・意見や感想が異なり、それを共有すること自体が楽しい。

(このコラムのパートナーでもある柿沼キヨシと立ち上げたイベント『おまけの夜』のコンセプトにもそんなエッセンスが入っていたりする。)

 

ともかく…映画をリアルタイムで鑑賞することの意味は重要だ!

 

今、まさにお祭り映画化しているのが、MARVELスタジオ&ディズニースタジオが世界に送り続けている映画シリーズがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)だ。

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要するにアメコミ映画。

今までアメコミ映画でも1つの作品がシリーズ化することはあったが「複数の作品の世界が同一」という思い切った作り方に踏み込んでいるのがMCUの特徴だ。

単体の映画には毎回、別の作品の話やキャラが登場し、エンドロール後には次作の布石となるシーンが必ず流れ「え?気になる!次も観なきゃ!」と思わせる中毒性を持っている。

だいたいこの手の作品は関連作や前作を観ていないと楽しめなかったりする。特に日本ではドラマシリーズが映画で完結したりするケースが異常に多いから、身近に感じることだと思う…。

そんなハンデがありながらも、ここまでMCUが成功しているの理由は1つ1つの単体作品が抜群の安定クオリティを誇っている点である。

「やっぱり稲葉!100人乗ってもダイジョーブ!」的なノリでスタッフ陣が自信満々でクオリティの高い作品を提供してくれている。

1つの単体作を観れば「あー、他も観なきゃ…」とかったるい義務感に陥るのではなく「他も観たい!」と思わせてくれる!それくらい良く出来ている。

だがしかし、「アメコミ映画」と聞いて拒否反応を示す人って多いのは?

マスク、マント、タイツを身にまとったヒーローが人類を救うために活躍するって……ちょっと冷める。

 

ちなみにそんな思いを胸にMCUシリーズを一作目から全て観ようとしてる、同じ「おまけの夜」のブログがこちら

マーベル映画『アイアンマン』感想。マーベルシリーズ(MCU)これから全部観る。

 

漫画やアニメならまだしも、実写でやるってなると「コスプレ大会」にしか見えないし、誰とは言わないけど、MCUシリーズの中にも際どい見た目の連中は確かにいる。少し前のアメコミ映画はその不安をぬぐえない何とも言えない作品は多かった…

だが、MCUの第1作である2008年『アイアンマン』は9.11以降のアメリカというテーマをしっかり正面から捉えつつも、ロバート・ダウニー・Jrが主人公トニー・スタークを演じたことで、とんでもなく緩急がしっかりとしている。

「自己中でナルシスト」という人物がヒーローになることで、新しいヒーロー像が誕生した。

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このアイアンマンと共通部分がありつつも、対極にいるヒーローがバットマンだ。アイアンマンもバットマンも特殊能力は何も持ち合わせていない。どちらもお金持ち。そのお金を元に、自分の装備を作り上げていくのだが、バットマンは「正義とは何か?」とずっと悩んでいる夜と雨がよく似合う憂鬱なヒーローだ。一方、アイアンマンは自分がしたことに悩むのは最初だけで、そこからは開き直り我が道をゆくパーティー野郎だ。(シビルウォーまで作品を重ねると、あらゆるトラウマを経験。キャラは崩壊し、極度の心配性に陥る)

そのキャラクターの潔さも相まって、アメコミに抵抗ある人でさえ楽しむことのできる娯楽作として最高の出来栄えとなった。

 

『アイアンマン』のヒットで調子付いたMARVELスタジオは、8年間に渡って、MCUの単体作品やヒーローみんなが大集合する『アベンジャーズ』を1、2と大成功させ、今ではとんでもない「お祭り映画」と化してしまった。

そして…

前置きが長くなったが、今回紹介するのはシリーズ13作目となる

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『シビル・ウォー  キャプテンアメリカ』

〜あらすじ

マーベルコミック原作「キャプテン・アメリカ」シリーズの第3作。マーベルヒーローが集結した「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」後の物語となり、キャプテン・アメリカとアイアンマンという「アベンジャーズ」を代表する2人のヒーローの対立を描く。人類の平和を守るアベンジャーズは戦いは全世界へと広がるが、その人的・物的被害大きさから、アベンジャーズは国際的な政府組織の管理下に置かれ、無許可での活動を禁じられる。一般市民を危機にさらしてしまったことへの自責の念から、アイアンマンはその指示に従うが、「自らの行動は自らの責任で持つべき」という持論のキャプテン・アメリカは反発。2人の意見はすれ違い、一色触発の緊張感が高まっていく。キャプテン・アメリカ、アイアンマンらおなじみのアベンジャーズの面々に、アントマンやブラックパンサー、そしてスパイダーマンと新たなヒーローも続々参戦。(映画.comより引用)

 

キャプテン・アメリカ単体の映画ではあるが、あまりに多くのヒーローが出演するため『アベンジャーズ 2.5』とも呼ばれているほど。

正直、本作を観る前、筆者はこのお祭りにいい加減に疲れ果てていた。

というのも、『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』がオールスター感謝祭みたいな演者量になってて「あれ?これ誰だっけ?」の連続で、もうヘトヘト。

その感じがまた来るのか…と思ったら腰が重かった。

しかし、一度担いだ神輿を手放すわけにはいかないぜ!てやんでい!ということで、劇場に足を運んでみた。

結論から言う。

 

ビックリしちゃった!!

MCUシリーズの中で一番「ショッキングな面白さ」だった!

 

まず、懸案だった演者の量。

うん、多い。

だけど、しっかり一人一人に焦点が当てられていて、教室の窓際にいるような存在感の薄いヒーローはどこにもいない。よくぞここまで整理してる。

アベンジャーズを国連の監視下に置くか置かないかで対立するんだけど、それぞれがなぜそのような道を選んだのかを知りたくなり過去作品を見直したいというモチベーションも湧いてくる。

そして、好みだったのがアクション。

個人的にフルCGのキャラがひたすら殴りあうっていうアクションは好きじゃない。

いくらバカバカしくとも着ぐるみの実写にこだわっている『ゴジラ』で育ってしまった筆者としては、フルCGだとどうしても嘘くさく見えちゃう。

このキャプテン・アメリカシリーズは前作もそうだったが、実写の肉弾戦がメインになっていて、痺れる。シビレル・ウォー(深夜に書いてるから許してほしい)

高速道路を危なっかしく走るチェイスシーンは最高に唸る。

 

そして、何より一番のパンチを食らったのはクライマックス。

 

最後の仕掛けで「ええ‼そんな展開になっちゃうの!?」って怖くて震えた。

『セブン』『ファイト・クラブ』のデヴィット・フィンチャーの映画を観てる気分になった。

筆者が映画を観てて、個人的にグッとくるのが

「ジャンルがシフトしていく」

ことだ。

映画を見始めた頃と最後の頃で作品のジャンルが変わってしまい、こっちが振り回されてる感が快感でたまらない。

本作は完全にそれだった。

ラストの殴り合いのマジ感によって、中盤の見せ場である空港での殴り合いはもはやタダのじゃれ合いに感じる。

アイアンマンがスパイダーマンを雇う意味は、スパイダーの糸でキャプンアメリカを傷つけないためであろうけど、ラストはそうじゃない。おそろしいほど手加減がない。

映画の冒頭でアイアンマンがある台詞を講義でみんなに説く。

その台詞がラストでは……あああ!これ以上はネタバレになっちゃう~~~!急いで劇場いって~!

 

そして、アベンジャーズ内戦の結末も全く安易でない。

ラストに登場する「必要ならいつでも呼んでくれ」というセリフはTHE ヒーローだし、最高にクールだ。

「うちわモメ」という同じようなテーマを扱っていた『バットマンvsスーパーマン』は一体、なんだったんだ。と思えてしまうほど。

 

どんな映画においても、主人公が「成長する」ということは欠かせない。

ヒーロー映画で主人公の「成長」を描きやすいのは決まって第1作目だ。

だいたい主人公は何らかの事情で何かしらの力を得て、得た力の責任を自分に問い、ヒーローになるかならないか悩む。で、クライマックスでちゃんとヒーローになる決意する。

大体がこのプロットである。

続編では「ヒーローを続けるかどうか」で悩んだり「大切な人を失う」みたいな展開になり、ヒーローとしての気持ちよい成長は描きにくくなっていく。要するに話がなかなか前に進まないのだ。

だが、本作でキャプテン・アメリカは3作品目だが、組織に依存することのない「真のヒーロー」へと成長を遂げるのだ。

今までもヒーローだったけど、もっとヒーローになる!

しかも、今まで童貞(たぶん)だったキャップは恋の面で大事な一歩を歩む…(やっと踏み込んだキャップに拍手喝采!よくできました!)

キャプテン・アメリカ(日本に置き換えたら「日本の隊長」みたいな感じだぜ?)っていう名前はダサいし、コスチュームも星が書いてあったりしてなんだかセンスが小学生みたいだなって思ってた。アイアンマンに比べたら考えが真面目でつまんないし、童貞だし(たぶん)ってバカにしてた。

ごめん。今までごめん。キャップ。

君が一番カッコイイよ!!!

アメコミ映画と聞いて、ジンマシンがでちゃってたそこのあなた!大丈夫!

MCUシリーズはヒーロー映画という枠を飛び越えて、楽しめる!どんどん進化してるよ!

 

さぁ、今からこのお祭に参加しよう!!!

 

低いところから失礼しました。

コメント

    • まーちゃん
    • 2016年 5月 19日

    みたよー!!!面白い!!映画とこのコラムを照らし合わせながらみたいー!!がんばってね✨

      • saitou
      • 2016年 5月 20日

      まーちゃん、照らしあわせるの正解!
      引き続き読んでね。

    • かぼちゃ
    • 2016年 5月 26日

    コラム楽しく読ませて頂いてます!
    MCUまだまだ、先長いですが、追っかけ続けようと思います!

      • saitou
      • 2016年 5月 26日

      ありがとうございます。書き甲斐があります!
      かぼちゃさんはどこまで観てるんですか?

        • かぼちゃ
        • 2016年 6月 17日

        遅くなっちゃいました(ーー;)
        一応、全作品見てます!
        個人的には、ウィンターソルジャー好きですけど、ガーディアンズオブギャラクシーが一番好きです。

          • saitou
          • 2016年 6月 20日

          かぼちゃさん!コメントありがとうございます!
          ガーディアンズは人生でベスト1と言ってもいいくらい、好きですよ!!いつかコラムに書きますね!

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