『トビラ・ウネリ』日記

マーベル映画シリーズやりたいんですが、『キャプテン・アメリカ』が借りられちゃってるんですよ。

それで、最近みた映画『うなぎ』の感想を書こうと思います。

 

 

僕が小さい頃この作品の名前を聞いていた。なんだか賞をとったとかでニュースになっていたからだと思う。僕は自分が小さい頃になんだか記憶に残っているものは大切なものになるという経験がある。電気グルーヴ、筋肉少女帯、ウゴウゴルーガ。どれも、大人になってその凄さを知るんだけど、このうなぎもそうだった。

 

何度か書いてるけど、僕は洋画より邦画のほうが好きです。

マーベル映画をみてて、なんか好きな感じの作品が観たいと思っていたところに映画『うなぎ』が目につきました。

さっきの法則で、「あ、『うなぎ』だ!これ覚えてる!観よう!」と思い借りました。

 

ストーリー

「楢山節考」の今村昌平が「黒い雨」以来8年ぶりに監督し、第50回カンヌ映画祭でグランプリ(パルム・ドール)を受賞した作品。かつて、妻の浮気に逆上し妻を殺してしまった男・山下拓郎。以来、極度の人間不信に陥った山下は仮出所後、理髪店を営みながらも人々との交流を避け、本音を明かす唯一のパートナーとして“うなぎ”を選ぶ。ある日、山下は河原で自殺未遂の女性・桂子を助ける。桂子は恩返しにと理髪店の手伝いを申し出て、山下は渋々雇うことにするが……。

 

先に僕の満足度を書いておきます。

映画『うなぎ』の感想。個人的満足度90点です。

僕の中で90点以上は、僕の人生の中に残るであろう作品という位置づけです。

僕は映画52枚の山札を作りたいと思ってます。その一枚になるな!と思うのが90点です。むしろ意味わからないですね!!

 

一応観る前の立ち位置を書いておきます。

  • 洋画ばっかり観てたから好きな邦画をみてすっきりしたい。
  • 予告もみずに借りたから爽やかな映画かと思ってた。
  • おもしろかったらいいなーという期待と不安。

 

 

感想というか、僕の解釈のポイント

  1. 撮り手の汗がみえる。画は重く、音楽は軽い。
  2. うなぎというタイトルの妙
  3. 大人の世界と子どもの世界。僕たちはうなぎだ。

 

 

撮り手の汗がみえる。画は重く、音楽は軽い。

今回の映画『うなぎ』は、借りる前はDVDジャケットからうなぎの養殖を育てる男女のさわやかな映画かと思いました。

でも実際は重い重い。

 

冒頭で主人公が殺人を犯すんですが、その時もモロ奥さんの浮気現場のセックス描写がありますし、殺すときも可笑しいぐらい血が出ます。

詳しい話の内容は予告でイメージしてもらって、是非この作品を観てもらいたいのですが、ただ予告をみてわかる通り、テンポも雰囲気もどてっとしてます。してますが、妙な画面演出と奇妙な音楽が相まって、決して退屈ではありません。この映画はお米を研ぐ行程のひとつひとつのように力強く、丁寧で、繊細で、味わい深いです。

 

重いけど可笑しい。真面目だけどユーモラス。そんな絶妙なバランスで始終進みます。

例えば、浮気した妻を殺してしまった男が、少し人里離れた土地でうなぎを飼いながら床屋をやる。これだけでもう何とも言えない重さとユーモラスを感じませんか?

 

そして、その表現をみせてくれる画面は、船の上でつりをするシーンも、川を渡るシーンも、まさに釣りをしてるような、カメラの後ろで息づかいが聞こえてきそうな、じーーーーっといい画を狙ってる雰囲気が伝わってきます。

作品の中身はどんなかと言うと、

ど真面目な主人公が妻を殺してから出所し、何を考えてるかわからないが殆ど人と話さなくなり、うなぎにだけ心開くようになってしまった、まあなんだかシュールな作品です。

これだけ聞くと小難しい映画かと思いますが、先ほどもいったようにユーモラスなので退屈なくなんだかわからないまま観せられてしまいます。

普通にみてるだけで結構おもしろいです。

 

うなぎというタイトルの妙。

さきほど書いた事もう一度書きます。

「浮気した妻を殺してしまった男が、少し人里離れた土地でうなぎを飼いながら床屋をやる。」

これはざっくりとした映画の説明ですが、これ、うなぎだからおもしろいんですよね。

犬とか猫とか魚じゃなくて、うなぎ。うなぎ飼いながら床屋ってなに!?

最初は、なんだこの作品、変わった映画だなーって思ってみてましたが、途中でうなぎってタイトル秀逸だなーって関心しました。

うなぎって聞くとなんだか、 どてっ どっぷり ぬるっと ひょろっと 食べ物だとしたらふわっと、うなぎパイとか性の象徴としても、そんなイメージが沸いてきます。なんだか掴めない生き物で、王道ではないというイメージ。そういったものがニュアンスで伝わってくる。

この映画『うなぎ』はまさにそんな映画です。

 

大人の世界と子どもの世界。僕たちはうなぎだ。

ここから先は僕の勝手な解釈になりますが、是非この映画を観てから読んでもらいたいです。

主人公が最後大きな決断をします。映画内ではほぼ勢いでですが。

そして、クライマックスのシーンでうなぎに向かって「これでお前と同じだ」という話を始めます。

うなぎは母親が産んだ卵に知らないオスが精子をかけて孵化し、親がわからないまま赤道から何千何万との命を犠牲にして帰ってくる。

 

僕はここら辺の話を聞いて、ああこれはなんだか深い話だなと感動しはじめ、噛み締めるようになりました。

ぼくは、現実には子どもの世界と大人の世界というのがあると思います。

子どもの世界というのは、男女の恋愛とは浮気してはいけないもので、親というのは善人で、クリーンである。人は理性で動いていて、悪い事は許せない。

大人の世界は、浮気が許せないといっておきながら浮気する女の人なんて五万といるし、夫婦はセックスレスで離婚する。大恋愛で仕事ないがしろにする奴なんてまともじゃないし、どこかの国では4人に1人のこどもの父親が本当の親じゃなかったりする。

 

子どもの世界からしたら大人の世界は大変許せないです。

こうゆうこというと大人でもそんなの大人じゃない!ってよく言われます。だから言い方を変えると大人の世界は、僕は秘密の世界なんだと思います。みんな言えない秘密を持ってる。でもそれは隠していて、建前をみせて生活してる。

秘密は子どもの世界のように決してクリーンじゃありません。でも悪でもなくて、人には言えない自分の中の秘密なんです。

やっぱり恋愛において愛は美しいし、セックスの相性がいいから好きですなんて言いづらいですから。

ただ、現実というのは秘密の世界込みで現実であるということです。

この主人公はそれをわかっていなかったド真面目な人間で、ある人物には幼稚園のガキ大将だと言われます。

子どもの世界を現実だと認識して生きていたから、好きだったからこそ奥さんの浮気が許せなかった。奥さんを本当に好きだったから心がかき乱れてしまった。

でも、現実はそんなにうまくいかない秘密がたっぷりの世界です。自分の親だって、本当に本当のところ確かめるすべもありません。

 

そう考えると、そもそもこの命は親とか関係なくどこから来てどこにいくんだか誰にもわからない。うなぎのように、人はどこから産まれて、どこに消えていくのか。

子どもの世界は他人への依存と執着であり、願望だと思います。

子どもの世界から大人の世界へ、人には秘密があることを理解して受け入れ、りっぱに生きる。それが成長であって、主人公が大事な選択をしたとき、人は泥にまみれてりっぱなうなぎになる。

僕もりっぱなうなぎになるぞ。

 

 

映画『うなぎ』の感想。

僕はそんなことを考えました。

 

 

 

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